食肉用に売られていたターキー 購入した男性に感謝のハグ 「ありがとう」
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アメリカでは毎年11月の第4木曜日は『感謝祭(Thanksgiving)』の祝日です。この日は別名『ターキー・デー』とも呼ばれ、家族や友人とともにターキー(七面鳥)の丸焼きを食べるのが伝統的です。
ナショナル・ターキー・フェデレーションによると、毎年4千5百万羽のターキーが感謝祭用に販売されるといいます。
2016年の感謝祭を2週間後に控えた11月のある日、映画監督やテレビ番組のプロデューサーとして活躍するブラント・ピンヴィディックさんは、農場に直接ターキーを買いに行きました。
その農場では、感謝祭のメインディッシュとなるターキーを自分で選ぶことができます。ブラントさんは2羽のターキーを購入しました。
たいていの人は、選んだターキーを加工場に持って行って食肉用に加工してもらいます。ところがブラントさんは違いました。
買ったターキーを連れて彼が向かったのは自宅。実は彼は初めから、ターキーを食用ではなくペットとして飼うつもりだったのです。
動物を愛する男性に救われたターキー
動物が大好きなブラントさん一家は犬や猫を始め、ウマやヤギ、ウサギ、アヒル、ブタ、ニワトリなどさまざまな保護動物を飼っているのだとか。まるでミニ動物園ですね。
そんなにぎやかな家にやってきた2羽のターキーは『アルバート』と『プリンセス』と名づけられます。メスのプリンセスはすぐにニワトリたちと仲よくなり、庭にある鳥小屋で生活するようになったといいます。
ところがオスのアルバートはなぜかブラントさんになついて、いつも彼のそばにくっついているようになったのです。
人間を警戒しない社交的なアルバートが、どれほどブラントさんのことを好きなのかが伝わってくる動画がこちらです。
なんとブラントさんに自分からハグ!
アルバートは、こんなふうにハグをするのが大好きなのだそう。
「ありがとう、大好き!」
ブラントさんに甘える姿を見ていると、そんな彼の心の声が聞こえてくるようです。食肉用に飼育されていた彼は、自分の運命が分かっていたのでしょうか。
その後もアルバートはブラントさんや彼の家族、またほかの動物たちと楽しく暮らしていました。
しかし2018年の感謝祭を控えた11月の深夜、悲劇が起こります。
ブラントさんの家の鳥小屋に何者かが侵入し、ターキーやニワトリが殺されてしまったのです。アルバートもプリンセスも、彼らの子どもたちもみな命を奪われてしまいました。
ブラントさんはInstagramの投稿で「最初に発見したのが妻や子どもたちでなく、僕でよかった。でもあまりにショックで、悲しすぎて、なんといったらいいのか分からない」と説明しています。
ブラントさんはアルバートを保護した後、動物保護団体『アルバート・アンド・フレンズ』を設立。それ以来、40羽以上のターキーを始め、たくさんの動物たちの保護を行ってきたといいます。
そして彼はこれからも、動物たちの保護活動を継続していくということです。
感謝祭の食卓に上がるはずだったアルバート。たった2年間でも、ブラントさんの家族の一員としてたくさんの愛情を受けながら過ごした彼は、きっととても幸せだったことでしょう。
[文・構成/grape編集部]