令和のラムちゃんも超キュート! 放送中の『うる星やつら』、中の人が語る裏話に興奮!
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買った花束を店に置いていった女性 その後の展開に「鳥肌が立った」買った花束を店に置いていった女性 その後の展開に「鳥肌が立った」
木曜深夜のアニメ枠『ノイタミナ』(フジテレビ系)で、2022年10月からテレビアニメ『うる星やつら』が放送されています。
本作は1981年にもアニメ化されましたが、40年を経てのまさかの再アニメ化(以下、リブート)ということで話題です!
なぜこのタイミングでリブートすることになったのか、『うる星やつら』のプロデューサーを務める大島和樹さんに取材しました。
『うる星やつら』をより多くの人に届けたい
――『うる星やつら』をリブートすることになった経緯は?
2019年頃に尾崎紀子チーフプロデューサー(当時)はじめ、フジテレビと小学館さんとで再アニメ化について話をしたのが始まりです。
配信プラットフォームが充実してコンテンツを海外にも届けやすい環境が整い、さまざまなコンテンツを多くのお客さまに楽しんでいただけている中で、『うる星やつら』を再びアニメ化して発信したいという思いがありました。
弊社としても、小学館さんの創立100周年とうまく重なるタイミングで放送できるのではということもあり、再アニメ化の企画がスタートしました。
(C)高橋留美子・小学館/アニメ「うる星やつら」製作委員会
――リブート版で初めて『うる星やつら』を知ったという人も多いように感じるが。
作品そのものや『ラム』というキャラクターは知っていても、ストーリーはどんなものか知らない人もいます。
再アニメ化することで、『うる星やつら』に触れる人が増えてほしいという思いも背景にありました。
――偉大な作品なのでプレッシャーもあったのでは?
原作者の高橋留美子先生に「こうした内容を目指す」というのを提示して許諾いただくまでは、ものすごくドキドキしていました。
正式に許諾いただけた後も、視聴者にどれだけ受け入れていただけるかを考えつつ、真摯に作品づくりに取り組んでいる状況です。
原作の魅力を忠実に伝えていく
――リブートするにあたり、どんなことを意識した?
1作目は多くの人に認知されており、高く評価された作品です。
前任者の尾崎をはじめ、1作目をリアルタイムで視聴していたスタッフも多くいるので、まずは、1作目へのリスペクトは大事にしています。
そのうえで、我々は、原作準拠を根幹のルールとしてシリーズ構成をすることにしました。
アニメの1作目はまだ原作が連載中でしたが、今回はすでに完結している状況です。
1作目と異なり、完結までの流れを踏襲しながらプランニングができるので、そこにリブートする価値があるのではと考えたからです。
――原作の『うる星やつら』の魅力を忠実に伝えていきたい?
そうですね。その気持ちが強いです。
とはいえ、1作目を見ていた人たちにも楽しんでもらえるものを作りたいとも考えています。そのさじ加減というか、バランスは非常に意識しています。
――エピソードはどんな基準で選定している?
今回は、諸星あたるとラムの物語を出会いから結末まで全4クールで描きます。
結末までにあたるとラムの関係をどのように構築していくかが重要になるので、うまく結末に着地できるように考えながらエピソードを選択しています。
また、『うる星やつら』は、主要な登場人物が全員そろってから、さらに物語が面白く魅力的になります。
どのタイミングでキャラクターが集合するのかも大事なポイントなので、その点も意識しながら構成しています。
※写真はイメージ
『ネオ昭和』ならではの世界観を楽しむ
――スタッフに人気のキャラクターは?
スタッフそれぞれにひいきのキャラクターがいますね。
例えばですが、髙橋秀弥監督は『あたるの広報隊長』を名乗るほど諸星あたるが大好きです。
立場上、物事を動かす狂言回しになることが多いキャラクターなので、あたるの魅力を大事にしつつ、言動が令和の時代に受け入れられるよう意識しています。
――過去の名作をリブートする際、舞台設定を現代にするというケースもあるが、あえて昭和のままにした理由は?
舞台設定については大事にしているポイントです。
我々は本作の舞台を『ネオ昭和』と呼んでいますが、『ネオ昭和』にしようと舵を切ったのは木村泰大監督です。
スマートフォンを登場させて物語の中身が変わっては意味がありません。
それは『うる星やつら』じゃないな、ということで、『ネオ昭和』という舞台設定にしました。
若い人から見ると、黒電話のある家や古きよき町内の風景を新鮮に感じるなど、現代のアニメ技術で昭和を舞台に描くことが逆に面白いのではと考えました。
――確かに令和が舞台だと、ストーリーが変わるエピソードがありそう。
1作目が生まれた40年前と異なり、今は映像表現の幅が広がり、いろいろなトライができるようになりました。
そのため、舞台は昭和ですが、エフェクトであったり、カラーリングだったり、映像面ではいろいろな工夫を取り入れています。
「昭和の風景だけど、むしろポップに見える」という作品の特異性につながっています。
熱心なファンの心を動かす
――視聴者の反響は?
やはりラムの注目度が高いですね。
ラムをメインにした記事を多く目にするようになりました。
また、SNSの声を見ると、昭和ギャグならではのハチャメチャさを評価してくれている視聴者も多いですね。
1作目のキャストにも登場していただいているので、ノスタルジックな気持ちになったという声もいただいています。
※写真はイメージ
――個人的に印象的だった感想や声は?
個人的にすごいなと思ったのが、第1話のオンエア日に、ベータマックス(※)で録画を試みようとした熱心なファンがいたことです。
SNSでも話題になりましたが、ここまでファンの心を動かす作品に携わっていることを改めて嬉しく思いました。
※通称ベータ。VHSが台頭する1980年代半ばまで主流だった録画規格および機器の名称。
――声優さんの声や演技も「前作に似ている!」と大注目されているが?
諸星あたる役の神谷浩史さんをはじめ、本作のファンというキャストも多いので、初代のエッセンスをうまく取り入れつつ、お芝居をしていただけているのではと感じています。
――そもそも、どんな基準でキャストは選ばれた?
偉大な作品ですから、プレッシャーの中で演じ、作品づくりをしないといけません。
そのため、大事にしたのは、プレッシャーを楽しみ、新しいことに挑戦するモチベーションに変換できることです。
あたる役の神谷さん、ラム役の上坂すみれさんをはじめ、キャストのみなさんには我々の意図をくみつつ、楽しみながら、挑戦しながら役に向き合ってもらえています。
そうした意味でも、非常によいキャスティング、いいチームを作ることができたのではと感じているところです。
肩の力を抜いて楽しんでもらいたい
――『うる星やつら』のここを見てほしい、注目してほしいというポイントは?
カラーリングやエフェクト、音響演出ですね。
映像に音に、非常に情報量多く作っているので、いろいろなところに注目してもらいたいです。
また、高橋留美子先生もおっしゃっているように本作はドタバタコメディーの元祖ともいえる作品です。
昨今、大きなテーマ、宿題を背負った主人公が多い中で、主人公がふざけ倒しているという作品はなかなかありません。
ぜひ肩の力を抜いて楽しんでもらいたいですね。
『ノイタミナ』で放送中の『うる星やつら』について、40年ぶりとなる再アニメ化の背景や、世界観を昭和のままにした理由、キャスト選びの裏話など興味深いエピソードを聞くことができました。
本記事を読んでからアニメを見ると、また違った面白さが発見できるかもしれません。
肩の力を抜きつつ、令和に再臨した『ハチャメチャコメディーの金字塔』を楽しんでみてください!
[文/デジタル・コンテンツ・パブリッシング・構成/grape編集部]