植物のオケラが絶滅危惧種に選ばれた理由は?家庭での育て方も解説
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オケラという植物がなぜ絶滅危惧種になったのか、気になる人もいるでしょう。実際に、山菜として食べたり薬用として使用したりなど、身近な存在に感じている人もいると思います。
実は、京都府や愛媛県、福岡県などではほとんど見られなくなり、絶滅危惧種に指定されているようです。
本記事では、オケラが絶滅危惧種に選定された理由や特徴を解説します。絶滅を防ぐ活動や家庭で育てる方法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
オケラとはどんな植物?絶滅危惧種になった理由は?
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オケラとは、日当たりのよい山地に自生する雌雄異株(しゆういしゅ)の多年草です。
雌雄異株とは、雄花(おばな)と雌花(めばな)がそれぞれ別の株に咲く花を指します。1つの個体に雄花か雌花のどちらかのみが咲くため、受粉するには両方の個体が必要です。
また、多年草とは、季節が変わっても枯れることがなく、毎年同じように花を咲かせる植物を指します。
オケラの特徴を表にまとめました。
オケラは、やや乾いた草地や樹木の枝葉密度が薄い疎林(そりん)エリアに生息します。
高さは100cm程度になるものもあり、9〜10月には2cm程度の花を咲かせるそうです。日本全国ではなく、本州や四国、九州に分布しています。
なお、オケラというと昆虫のオケラを想像する人もいるかもしれません。しかし、昆虫のオケラは俗称で、正式名称を『ケラ』と呼ぶそうです。
オケラが絶滅危惧種になった理由
オケラは、近年ほとんど見られなくなったといわれています。京都府、愛媛県、福岡県、大分県、石川県をはじめ、多くの都道府県でオケラは減少傾向にあると考えられているのだとか。
環境省のレッドリストには登録されていないものの、各都道府県の絶滅危惧種または準絶滅危惧種に指定されているようです。
オケラが減少した理由として、山菜や薬用への使用により、生息しているオケラが減少した可能性があるとされています。さらに、土地の造成や道路工事などに伴う生息地環境の変化も考えられるでしょう。
オケラの絶滅を防ぐためにどんな対策がされている?
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オケラの絶滅を防ぐには、生存地の保全が必要となります。土地の造成、道路工事のような生息地を破壊する開発の制限や、薬用の使用制限も必要です。
しかし、これらはあくまで理想であり、すぐに実行することは容易ではないでしょう。そのため、可能な範囲で対策していくことが重要といえます。
例えば、ある地域では自生するオケラなどの希少植物を動物から守るために、オケラの生息地に保護柵を設けているのだとか。また、植物の保全を目的とした専門機関で維持管理されているケースもあるようです。
そのほかにも、オケラの減少を知らない人たちの関心を高めるために、自然観察会やボランティア活動なども行われているのだとか。
一方で誰にでもできる対処法として、自生しているオケラを食用として採取しないことも重要となるでしょう。
オケラの2つの使い道
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オケラは、ただ『自生しにくくなった』だけではなく、人間が2つの使い道で利用したことも減少の理由とされています。
オケラが何に使われているのか、確認していきましょう。
1.薬用として使われている
オケラの根茎を乾かしたものは、薬用として使われているようです。オケラの生薬名は白朮(びゃくじゅつ)と呼ばれています。
漢方では体内の水分の働きを正常に調節する働きがあるとされ、健胃、整腸、止汗、利尿などの目的で使用されるのだとか。食欲不振や腹部膨満、下痢などの症状で処方されるといわれています。
2.山菜として食べられる
薬として使う以外にも、オケラの新芽を山菜として食べることもあるようです。特有の香りがあり、山菜採りに詳しい人の中では、知名度の高い食材とされています。
5〜6月頃の新芽を、そのままゆでたり天ぷらにしたりして食べることが一般的なのだそう。一部地域では、春を告げる食材として知られています。
オケラは家庭でも育てられる
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一部地域で絶滅危惧種とされているオケラですが、家庭でも育てられるようで、山野草や高山植物を扱う店で購入できるのだとか。半日陰で日当たりのよい場所、水はけのよい環境で管理すると元気に育つそうです。
なお、夏の強い日差しが直接当たるような場所で育てると、植物は葉焼けを起こすおそれがあるといわれています。葉焼けとは、強い日差しや高温の影響で葉緑素が破壊され、葉が白や茶色などに変色する現象です。
葉焼けが起きた場合、すぐにオケラが枯れてしまうとは限りませんが、株が弱くなり枯れるリスクが高まる可能性があるため注意しましょう。
鉢植えの場合、土の表面が乾いてきたら、水をたっぷり与えることが重要です。肥料は春と秋に与え、植え替えは3年に一回のペースで、春か秋に行いましょう。
株を増やしたい場合は、株分けか種まきを行います。冒頭でも解説したように、オケラは雌雄異株のため、種まきは、雄株(おかぶ)と雌株(めかぶ)がないとできません。ショップで確認して、正しい方法で行いましょう。
オケラは一部の地域で絶滅危惧種に選定されている
オケラは毎年花を咲かせ、受粉を繰り返す丈夫な植物だといわれていますが、近年ではほとんど見られなくなっているそうです。一部の地域では絶滅危惧種に選定されています。
自然環境の変化が原因とされていますが、山菜として食用に使われたり、食欲不振などに効果があるとされ薬用に使われたりすることも原因の1つだと考えられているようです。
環境の変化をすぐに食い止めることは容易ではないため、自生しているオケラを見つけても、やみくもに採取しないことから始めましょう。
[文・構成/grape編集部]