半額シールが貼られた植物が実は… 業界初の試みに「知らなかった」
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インテリアや趣味として人気の、観葉植物。設置するだけで、室内の雰囲気をガラリと変えてくれますよね。
ですが、成長して大きくなったり、枯れてしまったりした個体は、残念ながら処分せざるを得ない時があります。
諸事情で自分の手で管理できなくなった、観葉植物などを買い取って再生し、再販売するという事業で話題を集めているのが、観葉植物リサイクル店の『らくうぇる』です。
『らくうぇる』の外観
「楽に植える 楽しく植える」をモットーに掲げ、植物たちと向き合っているのが、店主の佐藤正則さん。
店主の佐藤正則さん
植物関連の困りごと全般に対応し、ガーデニングで悩める人々のお手伝いをするために『らくうぇる』をオープンしたといいます。
grapeでは、営業の様子を見学しつつ、観葉植物のリサイクルを始めたきっかけや、植物のお世話のやり方についてうかがいました!
育てられなくなった植物を持ってくる理由
2023年6月、神奈川県厚木市妻田西にてオープンした『らくうぇる』。
店舗には、毎日のように植物やガーデニング用品などの扱いに困った人たちがやって来るといいます。
2024年11月現在、『らくうぇる』では、1000点ほどの観葉植物を取り扱っています。
「大きくなりすぎた」「引っ越し先に持っていけない」「終活の一環で荷物を減らしたい」などさまざまな理由で、育てきれなくなった植物を買い取っていますね。
入口付近では、生き生きとした様子の、大小さまざまな植物たちの姿がありました。『再生植物コーナー』として販売されている、これらの植物は、佐藤さんの手によって丁寧にケアされているとのこと。
大小さまざまな植物
『再生植物コーナー』
状態がいい植物は、鉢を入れ替えるだけで売り物として成立することもありますが、状態が悪かった植物だと、最低半年から数年は経過観察しなくちゃいけないこともあります。
こちらの『ソテツ』は、葉の数が少なかったのですが、半年ぐらいかけてなんとか葉が生い茂る状態にできましたね。
『ソテツ』
また、大きくなりすぎた植物は、幹や枝などをカットし、コンパクトに調整するようにしています。
この『パキラ』は、幹が伸びすぎていたので、カットし、地道に育て上げて、ようやく葉が生え始めました。
『パキラ』
一つひとつの植物の細かな特徴を把握し、適切な管理方法を見極める、佐藤さん。なお、それぞれの植物を見るだけで、買い取りに訪れた人を思い出すことができるといいます。
中でも、「特に印象に残っている」という植物を持ってきてくれました。
『ベンジャミン』
これは『ベンジャミン』という植物です。
幹のねじり方がとても上手で、20年間丁寧に育てられた個体。しかし、お客様が迎え入れる予定の、猫に対する有毒な成分があるため、泣く泣く手放すことを決断されました。
本当は4体あったのですが、次々と買い手が見つかり、今ではこの1体のみとなっています。
思い入れの強かった植物でも、家庭の事情で売りに出す決断をする人は少なくないそうです。
「どんな植物にもストーリーがある」と佐藤さんは語ります。
買い取りに来るお客様の中には、思い出話が止まらない方や、最後の記念写真を撮る方など『お別れの儀式』を行う方が少なくありません。
店を始めた当初は、家電のリサイクルショップのような場所になることを想定していたのですが、お客様と接していくうちに面白い話をたくさん聞くようになったんです。
愛情がこもった植物を引き取らせていただくため「大切に育てなきゃ」という気持ちになりますね。
我が子の面倒を見るかのように、買い取った植物について熱弁する、佐藤さん。愛着のある植物をどうしても手放さないといけない時、このような人が店主だと、安心して預けられそうですね!
しかし、取材を進めていくうちに、佐藤さんからガーデニング業界が抱える厳しい現実に関する話が次々と飛び出してきました…。