半額シールが貼られた植物が実は… 業界初の試みに「知らなかった」 By - 中田りょう 公開:2024-11-29 更新:2024-11-29 SDGs植物 Share Post LINE はてな コメント ガーデニング用品の買い取りもしている『らくうぇる』では、鉢や土などの買い取りをお願いする人も多いといいます。 画像を見る(全30枚) 販売中の鉢 中でも、ガーデニングで使用済みの土を買い取る時は、大変なのだとか! 佐藤さん 『らくうぇる』では、建設用の用土として処理するために、ゴミがないか細かくチェックしています。 プラスチックなどの不純物が紛れたまま用土にしてしまうと、土壌汚染の原因になってしまい、土地の価値が下がる原因になってしまうんです。 佐藤さん 聞くだけで気の遠くなるような作業だと思うでしょう(笑) 誰もがやりたくないであろう作業ですが、そんな目を背けたい作業に向き合うことが大切だと私は考えています。 「ボランティア精神だけでは環境問題を解決できない」 高校性の頃に、原生林伐採に対する反対運動に参加するなど環境問題に関心を持っていたという、佐藤さん。『らくうぇる』を開業するまでは、神奈川県大和市で飲食店を経営していました。 ですが、コロナ禍に入り、店を一時休業せざるを得ない状況に。 街全体が暗い雰囲気に包まれる中、「少しでも明るい気持ちになってほしい」という願いから観葉植物に興味を持ち、育て始めました。 佐藤さん 最初は店の前に花壇を作るぐらいだったのですが、どんどんハマってしまって、店内にも植物を飾るようになったんです。 営業を再開した現在では、数が多くなりすぎたため「世界一、観葉植物が邪魔な飲食店」というコンセプトで営業しています(笑) 「日々、植物の管理は欠かせない」と語る、佐藤さん 観葉植物にのめり込んでいくうちに、何軒かの観葉植物店に足を運ぶようになった佐藤さんですが、いくつかの店舗を訪れて、あることに気付いたといいます。 佐藤さん 育てられなくなった植物や、使用済みのガーデニング用品を引き取ってくれるところが少ないと感じました。 一応、行政に頼んで処分をお願いすることも可能ですが、お金がかかるため、植物や土、鉢などを無断で放棄する人は少なくありません。 佐藤さんは、「ガーデニングには、環境への負荷が大きいという『楽しくない現実』がある」と続けます。 佐藤さん 適切ではない方法で処分された植物や土は、土地の生態系を変えてしまう可能性があります。 鉢に至ってはそもそも化石燃料などを燃やして作られていますし、捨てることでゴミの最終処分場を圧迫してしまうのです。 店内に並べられた鉢を管理する、佐藤さん 不要になった植物やガーデニング用品を還流させる仕組みを作り、ガーデニングで困る人を助けるため、佐藤さんは『らくうぇる』をオープン。 今までにないビジネスモデルでの営業となることから、利益を出す仕組みづくりにこだわり、試行錯誤の毎日を続けています。 佐藤さん 残念ながら、「自然が大事」というボランティア精神だけでは、ガーデニングの諸問題を解決することはできません。 実際に困っている人の助けになったり、誰かにとって利益が発生したりしないと、サステイナブルな環境づくりというのは、頓挫してしまいます。 『らくうぇる』がモデルケースにならないと、観葉植物の循環は成しえないのです。 店内に貼られた「What are リサイクル観葉植物」 『らくうぇる』のような活動が普及し、観葉植物のリサイクルが当たり前になれば、ガーデニングで悩む人の問題解決につながるでしょう! 加えて、佐藤さんは「サステイナブルな環境づくりを考えるヒントにもなる」と続けました。 佐藤さん 近年、猛暑や異常気象などが多発し、嫌でも環境の変化を肌で感じるようになりましたよね。 多くの人が自然環境の激変について似たような危機感を抱いているのではないでしょうか。 佐藤さん 人々の危機感が共有されていくと、問題の解決に向かって政策が策定されたり、技術者が新しいテクノロジーを生み出したりすることにつながるでしょう。 もちろん全員がアクションする必要はありませんが、全員が『心配』することで、解決に向けた『大きな波』は起きると思いますね。 最後に、佐藤さんは『らくうぇる』が活動する意義や目標について語り、取材を締めくくりました。 佐藤さん 『らくうぇる』の活動は、環境運動という大きな波の中の一滴のしずくでしかありません。 逆にいえば、環境運動の大きな波は、一滴一滴のしずくが集まって発生するため、長く続けていくことでサステイナブルな環境づくりに寄与できると私は信じています。 個人的には『らくうぇる』の存在が忘れ去られるぐらい、リサイクルが当たり前になったら、私の役目は終わりかなと考えていますね(笑) 『らくうぇる』の外観 「もうだめだ…」と思った植物でも、リサイクルすれば、息を吹き返すことがあります。 かけがえのない自然を守るために、身近な植物の状態を『心配』する人が増えていけば、ゆくゆくは地球環境の改善につながるかもしれませんね…! 【らくうぇる】 住所:神奈川県厚木市妻田西3ー13ー24 電話番号:046ー244ー0676 ウェブサイト:らくうぇる Instagram:rakuwerushop この記事の画像(全30枚) [文・構成/grape編集部] 1 2 「素手で触らないで」 道端でよく見るオレンジの花は…「知らなかった」「気を付ける」春になると道端でよく見る、オレンジの花を咲かせるナガミヒナゲシ。実は注意するべき点があると知っていますか? 自治体「見かけても絶対に触らないで」 よく見る花の危険に「危なかった」「実家の庭にあるわ…」公園や道でよく見るきれいな花。あまり知られていない危険性とは…? Share Post LINE はてな コメント
ガーデニング用品の買い取りもしている『らくうぇる』では、鉢や土などの買い取りをお願いする人も多いといいます。
販売中の鉢
中でも、ガーデニングで使用済みの土を買い取る時は、大変なのだとか!
『らくうぇる』では、建設用の用土として処理するために、ゴミがないか細かくチェックしています。
プラスチックなどの不純物が紛れたまま用土にしてしまうと、土壌汚染の原因になってしまい、土地の価値が下がる原因になってしまうんです。
聞くだけで気の遠くなるような作業だと思うでしょう(笑)
誰もがやりたくないであろう作業ですが、そんな目を背けたい作業に向き合うことが大切だと私は考えています。
「ボランティア精神だけでは環境問題を解決できない」
高校性の頃に、原生林伐採に対する反対運動に参加するなど環境問題に関心を持っていたという、佐藤さん。『らくうぇる』を開業するまでは、神奈川県大和市で飲食店を経営していました。
ですが、コロナ禍に入り、店を一時休業せざるを得ない状況に。
街全体が暗い雰囲気に包まれる中、「少しでも明るい気持ちになってほしい」という願いから観葉植物に興味を持ち、育て始めました。
最初は店の前に花壇を作るぐらいだったのですが、どんどんハマってしまって、店内にも植物を飾るようになったんです。
営業を再開した現在では、数が多くなりすぎたため「世界一、観葉植物が邪魔な飲食店」というコンセプトで営業しています(笑)
「日々、植物の管理は欠かせない」と語る、佐藤さん
観葉植物にのめり込んでいくうちに、何軒かの観葉植物店に足を運ぶようになった佐藤さんですが、いくつかの店舗を訪れて、あることに気付いたといいます。
育てられなくなった植物や、使用済みのガーデニング用品を引き取ってくれるところが少ないと感じました。
一応、行政に頼んで処分をお願いすることも可能ですが、お金がかかるため、植物や土、鉢などを無断で放棄する人は少なくありません。
佐藤さんは、「ガーデニングには、環境への負荷が大きいという『楽しくない現実』がある」と続けます。
適切ではない方法で処分された植物や土は、土地の生態系を変えてしまう可能性があります。
鉢に至ってはそもそも化石燃料などを燃やして作られていますし、捨てることでゴミの最終処分場を圧迫してしまうのです。
店内に並べられた鉢を管理する、佐藤さん
不要になった植物やガーデニング用品を還流させる仕組みを作り、ガーデニングで困る人を助けるため、佐藤さんは『らくうぇる』をオープン。
今までにないビジネスモデルでの営業となることから、利益を出す仕組みづくりにこだわり、試行錯誤の毎日を続けています。
残念ながら、「自然が大事」というボランティア精神だけでは、ガーデニングの諸問題を解決することはできません。
実際に困っている人の助けになったり、誰かにとって利益が発生したりしないと、サステイナブルな環境づくりというのは、頓挫してしまいます。
『らくうぇる』がモデルケースにならないと、観葉植物の循環は成しえないのです。
店内に貼られた「What are リサイクル観葉植物」
『らくうぇる』のような活動が普及し、観葉植物のリサイクルが当たり前になれば、ガーデニングで悩む人の問題解決につながるでしょう!
加えて、佐藤さんは「サステイナブルな環境づくりを考えるヒントにもなる」と続けました。
近年、猛暑や異常気象などが多発し、嫌でも環境の変化を肌で感じるようになりましたよね。
多くの人が自然環境の激変について似たような危機感を抱いているのではないでしょうか。
人々の危機感が共有されていくと、問題の解決に向かって政策が策定されたり、技術者が新しいテクノロジーを生み出したりすることにつながるでしょう。
もちろん全員がアクションする必要はありませんが、全員が『心配』することで、解決に向けた『大きな波』は起きると思いますね。
最後に、佐藤さんは『らくうぇる』が活動する意義や目標について語り、取材を締めくくりました。
『らくうぇる』の活動は、環境運動という大きな波の中の一滴のしずくでしかありません。
逆にいえば、環境運動の大きな波は、一滴一滴のしずくが集まって発生するため、長く続けていくことでサステイナブルな環境づくりに寄与できると私は信じています。
個人的には『らくうぇる』の存在が忘れ去られるぐらい、リサイクルが当たり前になったら、私の役目は終わりかなと考えていますね(笑)
『らくうぇる』の外観
「もうだめだ…」と思った植物でも、リサイクルすれば、息を吹き返すことがあります。
かけがえのない自然を守るために、身近な植物の状態を『心配』する人が増えていけば、ゆくゆくは地球環境の改善につながるかもしれませんね…!
【らくうぇる】
住所:神奈川県厚木市妻田西3ー13ー24
電話番号:046ー244ー0676
ウェブサイト:らくうぇる
Instagram:rakuwerushop
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[文・構成/grape編集部]