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「頑張って作ったものを捨てるなんて…」 パン店シェフの工夫に「素晴らしい」「最高です」

By - しいたけ中山  公開:  更新:

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パン店の写真

朝食やランチ、おやつとして、広く親しまれているパン。

「ご飯よりパン派」という人も少なくないでしょう。手軽に食べられ、種類豊富なパンは、私たちの食卓に欠かせない存在です。

そんな中、意外な食材を使って、パンを作っている店が人気を集めています。

パン店が取り組むフードロス削減が?

こだわりの食材を使っているのは、川崎市高津区にあるベーカリーショップ『Len -Local Speciality Factory-』(以下、Len)。

同店は、本来破棄されるパンの切れ端や耳を使った商品をはじめ、フードロス削減や環境に配慮したパンを販売しているといいます。

『Len -Local Speciality Factory-』
Len -Local Speciality Factory-』

パンが大好きで毎日食べる筆者。どんな商品が売られているかが気になったので、『Len』にお邪魔しました。

店に入ると、たくさんのパンやスイーツ、クッキーなどが並んでいて、おいしそうな香りが広がっています。

『Len -Local Speciality Factory-』
『Len -Local Speciality Factory-』

同店が取り組むフードロス削減について、『Len』を運営するten株式会社のベーカリー事業部の部長であり、同店のシェフでもある鈴木孝貴さんに話を聞きました。

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しいたけ中山

鈴木さん、本日はよろしくお願いします。早速ですが、『Len』がサステナブルなパン作りを始めたキッカケはなんですか。

シェフの鈴木さん
鈴木さん

パン店は、基本作り置きなので、売れなければ破棄するパンが出てきます。

これはパン店にとって避けられない現実ですが、「せっかく頑張って作ったものを捨てるなんて…」という思いが、取り組みを始めるキッカケになりました。

確かにパンは、時間が経つと味や品質が落ちてしまうため、破棄するパンが出てしまうのは、仕方ないのでしょう。

また、パンを成形する際に出る切れ端などを、捨ててしまうこともあるといいます。そこで、鈴木さんは、廃棄されるパンを新しい形で生かせないかと、考え始めました。

シェフの鈴木さん
鈴木さん

制作の過程で、パンの耳を切り落とすことがあるのですが、それらをローストして、粉砕して、その材料を使って焼き菓子に生まれ変わらせています。

シェフの鈴木さん
鈴木さん

私たちは農家さんともつながりが多く、本来廃棄されるはずだったミカンを買い取っています。

農家さんは、1つのミカンに栄養を与えるために、一部の実を取り除く作業をしており、そういう間引いたものを安く売っていただいています。

間引いたミカンは、水と混ぜて、1週間ほど置いておくと発酵してくるため、その液体を生地に混ぜ込んで使っています。

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しいたけ中山

本来捨てられてしまう食材も無駄にしない工夫が素晴らしいですね!ちなみに、パン作りにサステナビリティを取り入れて、「これがよかった!」というエピソードがあれば、教えてください。

シェフの鈴木さん
鈴木さん

単純に食材を捨てることが少なくなったことや、農家さんとのつながりも広がり、「今の時期はこれが採れる」などと教えてくれるので、勉強になりますよね。

なお、同店は、2024年11月16~22日に神奈川県川崎市で開催された、みぞのくちエリアの約60の店舗が参加する地産地消・脱炭素グルメのフードフェスティバル『まるっとサステナ グルメウィーク』にも参加。

期間限定で、環境に配慮したパンを販売していました。

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しいたけ中山

『まるっとサステナ グルメウィーク』の開催にあたり、新しい商品を開発したと聞きました。鈴木さんが作った環境に配慮したパンとは、一体どんなものなのでしょうか。

シェフの鈴木さん
鈴木さん

『スピルリナのチャバタ』という商品で、スピルリナを使ったパンですね。今回は、スピルリナの培養に力を入れている、株式会社ちとせ研究所とコラボして、期間限定で販売しています。

スピルリナとは、藍藻類(シアノバクテリア)の一種で、光合成を行う単細胞生物です。

光合成をする際に、大気中の二酸化炭素を吸収してくれるので、地球温暖化に貢献してくれるため、『食べるSDGs』と呼ばれているとか。

『スピルリナのチャバタ』
『スピルリナのチャバタ』

味が気になった筆者は、『スピルリナのチャバタ』を食べてみました!

茶緑色をしており、「抹茶のパンかな」と思わせるような見た目をしています。

『スピルリナのチャバタ』

バケットやパン・ド・カンパーニュのような見た目をしていたため、ハード系のパンかと思いきや…。

『スピルリナのチャバタ』

モチモチで柔らかい!

スピルリナの青臭さはまったく感じず、むしろほんのりとした自然な甘みと風味を感じられて、おいしかったです。

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しいたけ中山

おいしく食べられて、環境にも優しいなんて最高ですね!さまざまな食材を使っておいしいパンを作る技術には驚かされます。

鈴木さんは今後、どんなパンを作っていきたいですか。

シェフの鈴木さん
鈴木さん

野菜をいろいろと使いたいと思っていますが、最近は野菜が少し高くなっているので、今後も農家さんから規格外の野菜を安く仕入れ、それをおいしいものに生まれ変わらせることができればいいなと思っています。

ほかにも、海苔をカットした際に出る粉を活用したり、ラーメン店でダシを取る際に余る煮干しをもらったりして、パンを作っている鈴木さん。

食材の無駄をなくし、同時に新しいおいしいパンを生み出す発想にはとても感心しますね!

食材を余すことなく活用し、その価値を最大限に引き出すことで、フードロス削減に貢献する『Len』。

私たちの普段の食事や料理でも、食材を無駄にしないという意識を持つ、キッカケを与えてくれるでしょう。

【Len -Local Speciality Factory- 溝の口本店】

住所:神奈川県川崎市高津区溝口3ー13-5LUNAPIENA101

営業時間:11~18時

定休日:不定休

Instagram:len_factory


[文・構成/grape編集部]

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