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ウィルチェアーラグビー・池崎大輔選手と車いすテニス・船水梓緒里選手 2年後に向けた課題とその素顔とは

By - grape編集部  公開:  更新:

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2018年2月にニッポン放送で『ニッポンチャレンジドアスリート』の公開収録が行われました。

ゲストは、パラアスリートを代表して、ウィルチェアーラグビー日本代表 ・ 池崎大輔(いけざき・だいすけ)選手と、車いすテニス界期待の新星・船水梓緒里(ふなみず・しおり)選手。そしてアスリートを支える側から、JPSA(日本障がい者スポーツ協会)企画情報部長の井田朋宏(いだ・ともひろ)さん。

池崎選手は、リオパラリンピックで手にした銅メダルを持参。軽妙な語り口で、激闘の裏側を語ってくれました。ニッポン放送の師岡アナが競技用の車いすに乗り「日本代表のタックル」を体験するシーンもあり、その迫力に、客席からどよめきも起こったほどです。

現在、世界ジュニアランキング3位の船水選手は、東京パラリンピック代表を目指す17歳の逸材。素顔は普通の女子高生ですが、2020年に向け自ら「5カ年計画」を立て、それを前倒しでクリアしている話には感嘆の声も上がりました。

井田さんからは、2年後に向けた課題や貴重な提言もいただき、トークショーは盛況のうちに終了。すべてお聴きいただけないのが残念ですが、選手の素顔や、2020年への抱負を抜粋してご紹介します。

ウィルチェアーラグビー日本代表・池崎大輔選手が語る、リオ銅メダルの舞台裏

師岡アナウンサー:
「ロンドンでは4位。リオでは準決勝までいって、準決勝ではオーストラリアに残念ながら敗れ、金メダルは逃したんですけれど・・・続く3位決定戦のカナダ戦」

池崎選手:
「そうですね。やっぱりオーストラリアに負けた時というのは、自分たちが目標としていた世界一、金メダルという目標は達成できなくなってしまった。そういう現実を突きつけられた時に、やっぱり、どん底までは行かないですけど1回は、みんな落ちましたね」

「オーストラリアが終わってから、選手みんなでミーティングして。『負けてしまったのはしょうがない、じゃあいま、自分たちができる最高の結果はなんなんだろう』といった時に、3位・4位決定戦で勝って、結果をメダルで恩返ししようと。次のカナダ戦までには、ちゃんと気持ちを切り替えてやっていこうという、4年間の思いを選手ミーティングで一人ひとり、話をしたんです」

「4年間の思いというのは、果てしない・・・そういう思いを語り始める。1人は泣きながら思いを語り、それを見た人がまた泣きながら語り出したり。それぞれの思いってやっぱりあるわけじゃないですか。そこにかけている思いというのが。そういうのを共有しながら、気持ちを1つにして。明日の朝まで、試合前までには切り替えていこう、という話をして。ぼくはあまり涙を見せたくないので、終わったらさっさと帰りながら涙を流して部屋に行きましたね」

師岡アナウンサー:
「そして迎えた3位決定戦。序盤からリードを奪って、いい流れで」

池崎選手:
「語り合ったそれぞれの思いと、支えてくれた人たちがいるからこそ、その舞台に立てて、そういう強い気持ちをもたせてくれて、成長させてくれた。そういう気持ちがみんな1つになって、勝利につながったというのは感じますね」

車いすテニス・船水梓緒里選手が語る、世界との戦い

師岡アナウンサー:
「競技歴わずか3年位も関わらずランキング急上昇。船水選手は早くから世界を目標にして、おととし、2020年東京パラリンピックまでの5カ年計画書というのを作ったそうですね」

船水選手:
「これを作ったきっかけは、国枝選手のコーチでもある丸山コーチに『目標を持って何か成し遂げたほうがいい』といわれて。それで目標を立てました」

師岡アナウンサー:
「計画以上に進行している部分もあるんじゃないですか?」

船水選手:
「そうですね。2016年で国内10位と書いてあるんですけど、もうその時に、国内ランキングが7位になっていて。そこはクリアしてる部分があるので、またこの計画を、細かくもうちょっと修正していかないといけない、とは思っています」

師岡アナウンサー:
「去年5月にイタリアで行われた世界国別対抗戦ワールドチームカップで日本代表に選出。その経験があって、今年1月ジュニアワールドマスターズの日本代表に選ばれまして、ダブルスで優勝。シングルスで準優勝でした」

船水選手:
「その大会は世界ジュニアランキングが女子は4位以上の選手しか出られない大会なので、出場できたことを嬉しく思うとともに、シングルスでは、ファイナルセットで5−2でリードしていたところから5−7で負けてしまったので、いままでで1番悔しい試合でした。そこで海外のジュニア選手の試合も見られたり、新たに自分が必要なプレーを発見できた試合でもあったので、次につなげられるように、がんばりたい思いました」

日本障がい者スポーツ協会・井田朋宏さんに聞く、2020年に向けた強化策

師岡アナウンサー:
「2年後の東京オリンピック・パラリンピック。個人ベースでの協力もすごく大切になってくると思います。盛り上げという点についてはどうでしょうか?」

井田さん:
「個人ベースでの大会への関わりでいいますと、大会会場に応援にいっていただくことが1番のご協力だと思っています。日本に限らず世界中の選手たちにとって最大のもてなしは、会場が満員になっていることなんです」

師岡アナウンサー:
「2020年に向けた強化策で、現場、実を結びつつある例はありますか?」

井田さん:
「基本的には選手自身の頑張りと競技団体の支えというのがベースになるんですけれども、それ加えて、例えば、強化指定選手には、個人単位で強化費用が行くようになりましたし、専任コーチ制度があります。あるいはいま、共同利用している北区のナショナルトレーニングセンターの拡充棟建設もしています。アスリート雇用も増えてきていて、安心して競技に打ち込める環境が少しずつできているので、以前に比べれば格段にいい環境にあります」

「選手を発掘するだけでなく、ほかの競技で埋もれている方をそのほかの競技にチャレンジしてもらう、という取り組みをしたり「特別強化委員会」というのを設置して、金メダルにより可能性のあるチームとか選手個人を特別に指定して、強化するということを始めています」

「専任スタッフ制度というところで、各競技団体が指定するコーチですとか、あるいは競技全体をコーディネートする方に対して助成金を出すこともしています。各競技団体にも、少しずつ協賛企業もついてきているので、団体によっては、海外のトップ指導者を招聘してヘッドコーチに当てたりする、という形での強化策がスムーズに行くよう調整しています」

ニッポンチャレンジドアスリート

ニッポン放送にて放送中。パラアスリート本人や、パラスポーツ・パラアスリートを支える人たちから、競技のこと、これまでの活躍や活動、現在そして未来のことなどを、インタビュー形式でお話頂くラジオ番組です。

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