思わず唸る… 名作映画の『秀逸のキャッチコピー』5選
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今やネットを使えば、新作の映画情報はすぐに得られますが、かつては劇場に貼られたポスターと、そこに添えられた『キャッチコピー』が集客の大きな要でした。
今でも、その映画の『香り』を表現する存在として愛されているキャッチコピー。中でも特徴的な名キャッチコピーを5つ紹介します。
笑い、恐怖、筋肉!? 名画を巧みに表した名コピーの数々
名キャッチコピー① これぞ《ビッグ1》
まず紹介したいのは、1985年制作の映画『コマンドー』の「これぞ《ビッグ1》」というキャッチコピーです。
このコピーは、伝説的筋肉アクションスター、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の超豪快バトルアクションである本作を、まさにひと言で表した名文といえるでしょう。
特殊部隊の伝説的指揮官だったジョン・メイトリクスは、引退し山奥で愛娘のジェニーと静かに暮らしていました。
しかし、かつての仲間が次々殺される事件が発生。さらに悪の一団にジェニーが誘拐されてしまいます。
怒りに燃えるメイトリクスは敵のアジトに乗り込んでいく…というのがあらすじ。
その豪快さ、耳に残る吹き替えなどが愛され、カルト的人気をほこる映画と化している本作。
実は本国版のポスターでは「Let’s Party!」のひと言しかありませんでした。
しかし、日本版ポスターでは先述の「これぞ《ビッグ1》」に加え「許せない!! 奴らはただでは済まさぬ!」「怪力! 強烈パワー」など豪快すぎるコピーが大幅に増強されています。
結果、映画『コマンドー』の魅力を本国以上に伝えてくれる結果となりました。
名キャッチコピー② 全員悪人
次は邦画から「全員悪人」というコピーを紹介します。このコピー、一度は耳にした人も多いのでは?
このコピーが付けられたのは、2010年公開の北野武監督のバイオレンス映画『アウトレイジ』。
カンヌ映画祭でも高い評価を受け、合計3作も作られた人気シリーズ。劇中で飛び交う名優たちの『怒号』と『罵声』はある種、爽快感すら覚えるほどです。
関東で一大勢力を誇る暴力団・山王会。その若頭である加藤は、傘下である池元組の組長・池元に親交のあった村瀬組を締めるよう苦言を呈します。
池元は配下の武闘派・大友組をその任に就かせるが…というのがあらすじ。
暴力団員たちの血で血を洗う抗争を、やりすぎな罵声とどこか軽妙なユーモアで見事に描いた本作では、登場する人物は、彼らを取り締まる警官ですら凶暴。
このコピーは、そんな本作を4文字で表現しきった、実にパワフルな一文ではないでしょうか。
名キャッチコピー③ 宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない
次はSFホラーの金字塔から「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない」という名キャッチコピーを紹介します。
このコピーが付けられたのは、1979年公開、名匠リドリー・スコット監督、シガニー・ウィーバー主演の映画『エイリアン』です。
漆黒の宇宙で未知の凶悪生命体との死闘を描いた本作。スイスの天才画家H・R・ギーガーが手がけた本作のエイリアン『ゼノモーフ』の艶めかしくも邪悪なデザインは有名ですよね。
鉱物資源の採掘を終えた宇宙貨物船ノストロモ号は、とある信号を受信。
クルーたちは渋々その信号のあった惑星に降り立つも、そこには異星文明の巨大な残骸と、胸を食い破られた異星人の死体、そして無数の『卵』があった…というあらすじです。
閉鎖空間で襲い来るエイリアンの恐怖を鮮烈に描いた本作は、誰の助けも呼べない宇宙が舞台。
登場人物たちの孤独な恐怖感を表したこのコピーは、原語版ポスターに描かれていた一文で、映画ファンの間では有名です。
名キャッチコピー④ バカも休み休みyeah!
次はホラーから一転、1990年代に一世を風靡したコメディから「バカも休み休みyeah!」という、映画『オースティン・パワーズ』のキャッチコピーです。
1998年の第1作目公開後、またたく間に人気を呼び、合計3作が作られた大ヒットコメディである本作。
抜群のオーバーリアクションで笑いを誘う、主演のマイク・マイヤーズと、1960年代の華やかなファッションが魅力です。
1967年、悪の科学者ドクター・イーブルを追っていた英国諜報部のエージェント、オースティン・パワーズ。
冷凍睡眠を使って窮地を逃れた彼を追って、オースティンも冷凍睡眠へ。そして彼らは30年後の1997年に目を覚ます…というあらすじ。
ノンストップでボケ倒す本作。「まったく…バカも休み休み…いや、もうそのままでいいか!」という観客の気持ちを見事に表現した愉快な一文ではないでしょうか。
名キャッチコピー⑤ 僕たちは、世界で一番美しい魂を握りつぶそうとしていた
最後は、全世界を感動で包んだ「僕たちは、世界で一番美しい魂を握りつぶそうとしていた」という、映画『グリーン・マイル』のキャッチコピーです。
2000年に公開された本作。避けられぬ運命の最中に輝く奇跡は多くの観客の涙を誘いました。
主演のトム・ハンクスをはじめとする演者の名演は高く評価され、本作はその年のアカデミー作品賞に輝きました。
1935年、刑務所の看守であるポールたちの元にコーフィーという大柄な黒人男性が送られてきます。
ポールたちは徐々に、彼に人の病を治せる不思議な力があることを知り…というのがあらすじです。
無実であるにも関わらず、当時激しかった黒人への差別もあり、死刑判決を受けてしまったコーフィー。
聖人のような力と並外れた慈愛を持った彼の命を自らの手で消してしまう苦悩が伝わる、美しいキャッチコピーです。
時に2時間を超える映画をたった数行で表現しているキャッチコピー。まだ作品を観たことがない人に「見てみようかな…」と思わせる力は、やはりすごいと思わされますね。
[文・構成/grape編集部]