「知らなかった」で5千円… 自転車『青切符』の対象を弁護士が解説
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買い物や通勤、子供の送り迎えなど、多くの人にとって生活に欠かせない自転車。
2026年4月1日から導入される予定の、自転車の『青切符』制度によって、これまで見逃されがちだった『ちょっとした違反』が、『反則金』に変わると言われています。
SNS上では「来年から、実質自転車に乗れなくなる…」といった投稿も見られ、ドキッとした人もいるのではないでしょうか。
弁護士「警告と刑事罰の『隙間』が埋まります」
もし、本当に自転車に乗れなくなるとしたら、一大事です。『青切符』が導入されると、何が変わり、私たちはどんなことに気をつければいいのでしょうか。
大阪府大阪市で、まこと法律事務所を運営する北村真一弁護士にうかがいました。
――そもそも『青切符』が導入されると、何が変わるのでしょうか。
これまでの自転車の取り締まりには、大きな課題がありました。
警察官が注意するだけの『指導警告カード(イエローカード)』か、いきなり刑事処分の対象となる『赤切符』の2種類しかなく、『注意で終わるか、犯罪者か』という極端な状態だったのです。
今回導入される『青切符(反則金制度)』は、この隙間を埋めるものです。
車やバイクと同じように、比較的軽い違反に対して、『お金(反則金)を納めれば、刑事処分にはしませんよ』という制度になります。
これにより、現場での取り締まりが、よりスムーズに、かつ厳格に行われるようになるでしょう。
――対象となるのは、どのような人ですか。
16歳以上の運転者が対象です。つまり、高校生であっても、違反をすれば反則金の支払いを求められることになります。
※写真はイメージ
――具体的に、どんな違反でお金を取られることになるのでしょうか。
対象となる違反は100種類以上あると言われていますが、特に日常生活で注意が必要なのは、以下の行為です。
・信号無視
・一時不停止(『止まれ』で止まらない)
・右側通行(逆走)
・歩道通行時の徐行義務違反
・ながらスマホ(停止中を除く)
・傘さし運転
反則金の額は、違反の内容によって5千円〜1万2千円程度になる見込みです。
「雨の日にちょっと傘をさしただけ」「急いでいて信号が赤になる直前に渡っちゃった」
これまでは「すみません」で済んでいた行為が、これからは数千円の出費に直結します。
――すべての違反が『青切符』で済むのですか。
いいえ、そこは注意が必要です。
酒酔い運転や、酒気帯び運転をあおる行為、携帯電話を使用して事故を起こすなど、極めて悪質で危険な行為については、これまで通り『赤切符』が交付され、刑事罰(懲役や罰金)の対象となります。
『お金を払えばなんでも許される』わけではありません。
『乗れなくなる』のではなく『安全になる』
この法改正の目的は、自転車を排除することではなく、悲しい交通事故を減らすことです。
SNSでも見かけた『自転車に乗れなくなる』という書き込みは、「これまでのような感覚で適当に乗っていたら、痛い目を見るよ」という警告だったのかもしれませんね。
※写真はイメージ
『止まれ』の標識でしっかり一時停止する、スマホをしまって運転に集中するなどの当たり前のルールをもう一度見直せば、安全に自転車を利用できます。
2026年の春に向けて、今のうちから家族みんなで『正しい自転車の乗り方』をおさらいしておくのもいいかもしれませんね。
[文・取材/ことのは 構成/grape編集部]