100年の歴史を誇る『ハクキンカイロ』は寒い冬の強い味方! 使い方や注意点も徹底解説!
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『ハクキンカイロ』とは、液体燃料『ベンジン』で発熱するオイル式カイロのこと。
100年もの歴史を誇るロングセラー商品なのですが、その存在を知らない人も多いでしょう。
使い捨てカイロや充電式カイロが普及する中、ハクキンカイロは主に登山や釣り、キャンプなどアウトドアを愛する人たちによって使われる『知る人ぞ知るアイテム』となっていました。
しかし、昨今のレトロブームの影響か、今再びハクキンカイロが世間の注目を集めています!
ハイパワーで低燃費、繰り返し使えてゴミが出ないという点でも、今の時代にマッチしていますよね。
この記事では、そんなハクキンカイロの魅力や使い方、注意点などを詳しく紹介します!
※この記事は、2024年1月25日時点の情報をもとにしています。また、商品はタイミングによってデザインやカラー、在庫切れ、価格が異なるケースがあります。
くみこ
ハクキンカイロ 4つの魅力とは?
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ハクキンカイロは、使い捨てないオイル式カイロで、アウトドア好きの間ではちょっと知られた人気アイテム。
1923年に日本で誕生してから100年もの間、仕組みや形がほとんど変わることなく、人々を温め続けています。
最近では、そのレトロな魅力が再評価され、オシャレな雑貨屋さんなどでも見かけるようになりました。
果たしてどんなカイロなのか、まずはその魅力に迫ります!
魅力その1:環境に優しいクリーンエネルギー
そもそも『ハクキン』とは、『白金』つまり『プラチナ』のこと。
ハクキンカイロの発熱の仕組みが『プラチナの触媒作用』であることに由来しています。
液体燃料ベンジンの気化ガスである水素が、プラチナ触媒と化学反応することによって『炭酸ガス』と『水』に分解され、この時に発生する熱を利用しているのです。
触媒作用による発熱なので、炎も出ず、安全でクリーン、かつ環境に優しいカイロです。
魅力その2:ハイパワーで低燃費
ハクキンカイロの熱量は「使い捨てカイロの約13倍ある」といわれ、発熱温度も一定して長時間持続し、氷点下の環境でもその力を発揮します。
そして、たった25ccのべンジンで約24時間の保温が可能です。
魅力その3:繰り返し使用できるロングライフ製品
ベンジンを注油することにより繰り返し使用できるため、ゴミが出ません。
また、すべての交換部品がそろっているため、メンテナンスも抜群。
2012年には、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する『グッドデザイン・ロングライフデザイン賞』の『ロングライフ賞』を受賞しました。
魅力その4:オシャレなデザイン
発売当初からほとんど変わらないデザインも魅力の1つ。
「レトロ感が逆にオシャレ」と評判です。
メタリックなボディーがかっこよく、長く使い込みたくなる『道具感』がありますよね。
フタ部分に入れられたクジャクの形の穴は、デザイン性はもちろん、カイロの温度と持続時間を調節する通気孔の役割も果たしているのだとか。
オシャレな専用袋付きで、ポケットから出して指先を温める時もなんだかスタイリッシュにキマります。
ハクキンカイロ 使い捨てカイロとの違いは?
実際にハクキンカイロと使い捨てカイロを使い比べてみました。
まず驚いたのは、あっという間に熱くなるハクキンカイロの立ち上がりの速さです。
反応が始まるとすぐに熱くなり始め、10分後にはアツアツになりました!
袋に入った状態の表面温度は使い捨てカイロと大差ありませんが、発せられる熱量が圧倒的に違います。
使い捨てカイロは接している部分が温かいのに対し、ハクキンカイロからはまるで温風が出ているかのような熱気を感じ、ポケットに入れておくと服の中全体が温められる感覚がありました。
「使い捨てカイロの約13倍の熱量」とうたわれていることにも納得です。
しかも、この熱量が表示以上の26時間も持続しました!
1泊のキャンプなら、1日目の朝から翌日の朝まで、十分な温かさをキープすることができますね。
寝袋の中もしっかりと温めてくれそうです。
ただし、これほどの熱量なので、低温やけどの危険もあります。
ときどき場所を変えたり、直接肌に触れないようにしたりして、対策するようにしてください。
お腹や背中など、1か所を集中して温めたい場合には、使い捨ての貼るカイロのほうが向いています。
場面に応じて使い分けるとよいでしょう。
ハクキンカイロ 使い方と注意点
ハクキンカイロ『スタンダード』
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現在、ハクキンカイロは『スタンダード』『ミニ』『ジャイアント』の3種類のサイズが発売されています。
この記事では『スタンダード』を使って、使い方と注意点を紹介します。
手順1:フタを開け、火口を取り外す
フタを開けると、火口(ひぐち)といわれる部分が現れます。
この中に入っているのがプラチナ触媒です。
下の写真のように、火口のサイドを掴んで、グイグイと引っ張って取り外します。
なかなか外れにくいので心配になりますが、大丈夫です。
この時、下の写真のように火口を横から掴むのはNG!
これだと、中にあるプラチナ触媒に指が触れてしまいます。
プラチナ触媒に直接触ると、劣化の原因となる可能性もあるため、絶対に触らないようにしましょう。
注意:プラチナ触媒には絶対に触らない!
火口が古くなってくると温かさが半減してしまうので、使用頻度にも寄りますが1~2年での交換がオススメです。
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本体内部には、ベンジンを染み込ませるための綿が詰まっています。
綿は使っていくうちに固くなるため、ベンジンが染み込まなくなった時が交換の目安。
使用頻度に寄りますが、5~10年は使えるそうです。
手順2:注油カップを挿し込みベンジンを注入する
いよいよ燃料であるベンジンを本体に注入します。
ベンジンは揮発性が高く引火しやすいため、火の取り扱いには注意が必要です。
独特なニオイもあるため、必ず風通しがよい場所で作業してください。
ベンジンにはいろいろな種類がありますが、必ず『ハクキンカイロ指定』のベンジンを使用するようにしましょう。
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まず、火口を取り外した部分に付属の注油カップを挿し込みます。
しっかり挿し込めば、手で支えなくても大丈夫です。
注油カップにベンジンを注ぎます。カップ1杯で12.5cc、温かさが12時間持続します。
『スタンダード』サイズの場合、最大でカップ2杯の25cc入れることができ、その場合の保温持続時間は24時間となります。
使用したい時間に合わせて、ベンジンの量を調整してください。
ベンジンを注いだら、注油カップを90度回すと、自動的にベンジンが本体に注入されます。
最後は必ず逆さにして、本体中央部分を軽く押してください。
注入したベンジンが適量なら何も出てきませんが、入れすぎた場合は余分なベンジンが出てきます。
ベンジンを入れすぎると火を近付ける時に燃え上がり、火口を傷める原因となってしまうため、この作業は必ず行いましょう。
注意:ベンジン注入後は必ず逆さにして余分なベンジンを抜く
同じ理由で、火口がベンジンで濡れてしまった場合も、ドライヤーなどでしっかりと乾かしてから火を近付けるようにしてください。
手順3:火口を取り付け、火を近付ける
火口を取り付け、カイロを立てて持ち、マッチやライターの炎を3~5秒プラチナ触媒に近付けます。
火を点ける目的ではなく、プラチナの触媒反応を開始させる温度を与えるためなので、火は近付ける程度でOK。
見た目には変化がありませんが、すぐに本体がほんのり熱くなり始めます。
この時、絶対に本体を逆さにして火口を炙ってはいけません!
ススで火口が黒くなり、劣化を早めてしまいます。
注意:火を近付ける時は、絶対に本体を逆さにしない!
ちゃんと触媒反応が始まっているのかを確かめたい時は、下の写真のようにフタを火口に近づけてみてください。
水蒸気でフタがくもればOKです!
手順4:フタをして、袋に入れる
触媒反応が始まったら、フタをして準備完了。
やがて素手で持つことができないほどの高温になるので、低温やけどを防ぐためにも、必ず専用袋に入れて使用しましょう。
注意:直持ちせず、必ず袋に入れること!
ハクキンカイロ 心配事Q&A
ハクキンカイロは可燃性の燃料を使うため、使い方や安全性に対して不安を感じる人もいるでしょう。
そこで、筆者がハクキンカイロを初めて使う時に感じた心配事について、Q&A方式で紹介します。
Q1:準備が面倒じゃない?
使い捨てカイロに比べると、確かに準備は面倒です。
ただ、一度手順を覚えてしまえば、1分もあれば準備することが可能です。
この手間を重ねるからこそ、愛着も湧いてきそうです。
Q2:服が燃えたりしない?
ハクキンカイロはかなり高温になりますし、本体にはべンジンが入っているため、服が燃えたりしないかと心配になる人も多いでしょう。
しかし、前述の通りハクキンカイロの発熱の仕組みはプラチナの触媒作用によるもので、ベンジンが燃えている訳ではありません。
もちろん、ポケットに入れているカイロから火が出るということはなく、安心安全なカイロといえます。
ただし、ベンジンは揮発性が高く引火しやすいため、注油の際は火気に注意が必要です。
Q3:逆さまに持ち歩いても大丈夫?
何度もいうように、ハクキンカイロは燃えている訳ではないため、ポケットの中で逆さまに持ち歩いてもまったく問題ありません。
逆さまにしてはいけないのは、火を近付ける時だけです。
Q4:どうやって消すの?
ベンジンを使い切れば、自然に消えます。
ジップロックなどの密閉袋に入れて強制的に消す方法もあるようですが、中にベンジンが残ってしまい、次回ベンジンの入れすぎになってしまうためオススメできません。
ベンジンの量で保温持続時間をコントロールできるのが、ハクキンカイロのいいところでもあります。
あらかじめ何時間使いたいかを考え、必要な分だけベンジンを注油するとよいでしょう。
ハクキンカイロ 選べる大きさ
現在、ハクキンカイロは『スタンダード』『ミニ』『ジャイアント』の3種類が発売されています。
発熱温度はどれも同じなのですが、燃料であるベンジンを入れられる量が異なるため、最大保温持続時間が違います。
【ハクキンカイロの保温持続時間】
ミニ:最大18時間
スタンダード:最大24時間
ジャイアント:最大30時間
ちょっとしたお出かけからキャンプまで、幅広い場面で使う可能性があるなら、最大24時間まで保温が持続できる『スタンダード』がオススメです。
日帰りのお出かけのみの使用であれば『ミニ』、登山やキャンプなど泊まりがけのアウトドアで使用するなら『ジャイアント』など、用途に合わせて選んでみてくださいね。
ハクキンカイロ『スタンダード』
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ハクキンカイロ『ミニ』
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2024年1月現在、『ジャイアント』はAmazonなどでは販売されていませんでした。
ハクキンカイロ メリット・デメリット
ハクキンカイロを実際に使ってみて感じたメリットとデメリットは以下の通り。
【メリット】
・すぐに温かくなる。
・圧倒的な熱量で、衣服の中全体が温かくなる。
・ベンジンの量で保温持続時間を調整できる。
・レトロ感がオシャレ。
・使い込むほどに愛着が湧く。
・ゴミが出ない。
【デメリット】
・注油の手間がかかる。
・定期的に部品を交換するなどメンテナンスが必要。
・途中で消せない。
・人によってはベンジンのニオイが気になる。
『注油の手間』や『メンテナンス』といったデメリットにも、「だからこそ愛着が湧く」という一面があり、必ずしもデメリットとはいい切れません。
『ベンジンのニオイ』に関しても筆者的には気にならず、ポケットに入れている限り、外までニオイが漏れて困ることもありませんでした。
とってもパワフルで、環境にも優しいハクキンカイロ。
実際に使ってみると、100年愛され続けてきた理由が分かります。
ぜひ一度使って、そのよさを実感してくださいね!
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[文・構成/grape編集部]