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犬に与えてはいけない食べ物 獣医師が語る本当に大切なコトは

By - grape編集部  公開:  更新:

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「犬に与えてはいけないもの」

TwitterなどのSNSでたびたび話題になります。

少し古いツイートですが、表があるのでとても分かりやすいですね。
リツイートが4万を超えるなど、多くの人に興味を持たれていることが分かります。

信頼できる? できない?

しかし、実際に、これらの情報はどの程度、信頼していいのでしょうか?

いまやペットは家族同然です。こういった情報が万が一、間違っていたら、取り返しのつかないことになるかもしれません。

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そこで、獣医師さんに「実際のところどうなのか?」を聞いてみました。お伺いしたのは、「相模原プリモ動物病院」の今井院長。15年のキャリアを持つベテラン獣医師さんです。

「いまはネットでいろいろな情報に触れることができます。見せていただいたツイートも、決して間違ってはいません。ただ、少し説明が足りないかもしれませんね」

「タマネギはダメ」は正解だが…

こんな断片的なつぶやきも多く見られます。

タマネギなどのネギ類を犬に与えてはいけないというのは、もはや常識ですよね。ただし、意外と知られていないのが、タマネギのエキスもダメだということ。

「例えば、肉じゃがを作り、その中にタマネギが入っているとします。その肉じゃがの中から、ジャガイモだけを抜き出して、犬に与えるのは、タマネギを与えているのと同じなのです」

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タマネギには犬にとって有害な物質が含まれています。この物質は、例え加熱しても分解されず、エキスとして料理全体に染み渡ります。そして、そのエキスをジャガイモが吸ってしまうのです。

「病院に来られた飼い主さんは、タマネギは与えていないとおっしゃいます。しかし、よくよく聞いてみると、タマネギが入った味噌汁の『汁』だけを飲ませた、と。こういったケースは多いですね」

コンニャクは食べていい?

「@tarareba722さんの表にはコンニャクは『消化が悪い』と書かれています。これはその通りです。しかし、例えば、太り気味のワンちゃんのダイエット食として利用されることもあるため、一概に『コンニャクを与えてはいけない』とまでは言い切れません」

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犬の肥満は、飼い主にとって大きな問題です。「肥満は万病のもと」どころか、多くの病気を誘発する肥満は、もはや「病気そのもの」だと今井院長は語ります。

「コンニャクが喉に詰まらないように細かく砕き、食事の前に与えます。すると、犬は空腹感が抑えられ、食事の量が自然と減ります。実際に、肥満のワンちゃんに、こういった指導をすることはありますよ」

とは言え、「コンニャクは消化が悪い」という表現そのものには何の問題もありません。間違っていないからこそ、こういった情報の取り扱いは難しいのです。

人間の食べ物はすべてNGは本当?

こんなツイートもありますよね。

「実は、犬に有害な食材さえ入っていなければ、人間と同じものを与えても特に問題はありません。ただし、『与えてはいけないもの』はとても多く、よっぽど熱心に勉強していないと、人間が美味しく食べられて、犬も安心して食べられる食事を作るのは難しいんです」

働く1人暮らしの女性が小型犬を飼う時代です。犬の食事にかけられる時間的、金銭的なエネルギーには当然、限界があります。

「そういう意味で、ドッグフードは優秀です。栄養のバランスが良いだけでなく、最近は予防食としても機能するように、さまざまな栄養素が配合されています」

Kleine Gourmets

治療ではなく、あくまでも予防。犬が直面しやすい歯や皮膚、お腹の病気を未然に防ぐ効果があるといいます。

とにかく早く病院へ

万が一、「犬に与えてはいけないもの」をワンちゃんが食べてしまった場合は早く動物病院に連れて行くことが大切だといいます。

「体の大きさなどにもよるため一概には言えませんが、1つの目安として2時間以内に連れて行きましょう。もちろん、早ければ早い方がいいです。体に吸収されてしまう前に吐き出させることができれば、ワンちゃんへのダメージも少なくて済みますよ」

Vet.

可愛いからと、自分が食べている食事を犬に与えてしまう人もいるようですが、愛しているからこそ、別にすべきなのですね。また、情報を知ることは大切ですが、一方で、1つの情報ソースを盲信し過ぎないことも大切なようです。

「最近の飼い主さんは、僕が駆け出しの頃に比べて、圧倒的に犬に関する情報をお持ちです。ただ、偏った情報に捉われてしまっているように見えるケースもあります。バランスよく、さまざまな情報を取り入れていただけるとワンちゃんも、より幸せになれるんじゃないかと思います」

実際、「与えてはいけないもの」は共通するものの、「どのくらいの量を与えると悪影響が出るのか」といった部分については、人間同様、犬によって個体差があるため、横並びで語ることは難しいようです。

愛するワンちゃんに長生きしてもらうためにも、さまざまな情報を取り入れ、一般論としての「犬に与えてはいけないもの」を、確認し直すのもいいかもしれませんね。


今回、取材にご協力いただいたのは、地元のペット好きから信頼を集める『相模原プリモ動物病院』の今井院長。丁寧なサービスや特化診療、セカンドオピニオンなど犬猫に関する問題に幅広く対応してくれるそうです。

出典
相模原プリモ動物病院@tarareba722@37Tb@cinemaaaan

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