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『手前味噌』の意味とは? 言い換え表現やビジネスでの使い方も紹介

By - COLLY  公開:  更新:

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手前味噌という四字熟語を聞いたことがありますか。昨今では自分で味噌を作ることもないので、分かりにくいと感じている人も多いかもしれません。

この記事では、『手前味噌』の意味や言い換え表現などについて紹介します。ビジネスシーンでの使い方についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

『手前味噌』の意味と語源

味噌の画像

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手前味噌とはどのような意味で使うのでしょうか。また、語源にはどのようなものが挙げられるのでしょう。くわしく見ていきます。

『手前味噌』の意味

手前味噌とは、自分で作った味噌のことです。そこから転じて自分で自分のことをほめる、自慢するという意味で使われるようになりました。例えば以下のように使います。

  • 手前味噌を並べて、いい気なものだ。
  • 叔母さんの孫自慢は聞いていられない。手前味噌で塩辛いとは、よくいったものだ。

「手前味噌を並べる」とは、自慢話を延々とすること。「手前味噌で塩辛い」とは、自分の家で作った味噌はたとえ塩辛くてもおいしいということから転じて、自慢話ばかりで聞き苦しく感じることです。

では、なぜ、手前味噌が自慢するという意味になるのでしょうか。

『手前味噌』の語源

手前味噌の『手前』とは、『自分で作った、自家製の』という意味。『味噌』は調味料の味噌のことです。今では多くの人にとって、味噌はスーパーなどで購入する調味料ですよね。

しかし、昔は自分の家で作るのが一般的な、その家独特の味を感じる調味料だったといわれています。

語源は定かではありませんが、お互いに自分の家の味噌がいかにおいしいか自慢をし合った様子から生まれたといわれています。

「うちの味噌はコクがあってうまい」「いいや、私の家の味噌こそ、うまみが感じられて素晴らしい」といい争っていたのではないでしょうか。

『手前味噌』の言い換え表現

ダークなフローリングと壁 吹き出しの画像

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手前味噌は自慢をする、自分で自分をほめるという意味で使う言葉ということが分かりました。では、言い換えができる表現にはどのような言葉があるでしょうか。

自画自賛

自画自賛も自分をほめる、自慢するという意味の四字熟語です。自分の絵に、『賛』と呼ばれる、本来は自分以外のほかの人が書き入れる文章を添えることから生まれた言葉だといわれています。

【例文】

  • Aさんは、自分の作ったパッチワークのバッグは素晴らしいと自画自賛していた。
  • Dさんはヒマさえあればいつも自分の料理を自画自賛している。

自慢

『自慢』は、自分で自分の行動などをほめて、誇らしげにする様子を見せることです。『自慢話』『自慢顔』のようにほかの言葉と組み合わせて使うこともあります。

【例文】

  • Bちゃんは「人の役に立つ仕事をしている」といつも自慢している。
  • Cさんはツヤのあるきれいな髪を自慢しているそうだ。

うぬぼれ

『うぬぼれ』は『自惚れ』とも表記します。自分が考える以上に自分という存在が優れていると思い上がり、得意げになっている状態のことです。自尊心が過度になる状態ともいえますね。

【例文】

  • 彼はとてもうぬぼれが強く、自分で鏡を見てはうっとりしている。
  • 白雪姫の継母はうぬぼれ屋で、自分が世界で一番美しいと思っている。

『手前味噌』ビジネスでの使い方

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ビジネスで嫌味に感じられないように手前味噌という言葉を使うにはどのようにしたらよいでしょうか。手前味噌を打ち消すような、逆接の接続詞を使うのがポイントです。

手前味噌ですが

『手前味噌ですが』という表現は、「自慢をするわけではないけれども」といったニュアンスで、謙遜する意味で使うと同時に、自分の得意分野だと強く伝えられる言葉です。以下のような場面が挙げられます。

面接で自己アピールをする時

【例文】

・手前味噌ですが、私は人をまとめる力があると評価されたことがあります。

・手前味噌ですが、前職では大きなプロジェクトに関わって無事に成功しました。

上司に自分の経験を元に意見を強く押す時

【例文】

・手前味噌ですが、以前同様の案件を成功に導いた経験があるので、参加させていただけませんか。

・手前味噌ですが、この分野で優秀賞をいただいたことがあります。

自社や商品を相手企業に宣伝する時

【例文】

・手前味噌ですが、当社の商品は他社にも引けをとりません。

・手前味噌ですが、この部品に関しては当社で特許を取得しております。

手前味噌で恐縮ですが

『手前味噌で恐縮ですが』という場合、「自慢話をして恐れ入りますが」という意味合いで使えます。

『恐縮』は、申し訳なく思っていて身が縮むような思いをしているということ。自慢話をすることで、相手に対して聞き苦しく本当に申し訳ないという謝罪に近い気持ちを含ませています。『手前味噌ですが』よりも丁寧でかしこまった表現です。

目上の人、取引先の人に対して使うこともあるでしょう。また、自分や、家族や親族など近い身内が人からほめられた場合、謙遜してうまく返事をする場合にも使えますよ。

【やり取り例】

「あなたの会社では画期的な商品を開発したのだそうですね」

「ええ、手前味噌で恐縮ですが、担当チームが頑張ってくれました」

【やり取り例】

「お嬢さんが、世界的なコンクールで1位をとったそうですね。おめでとうございます」

「手前味噌で恐縮ですが、娘は相当努力をしまして。丁寧にありがとうございます」

『手前味噌』間違った使い方

マルかバツか、どちらか考える女性の画像

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手前味噌の使い方で注意をしなくてはいけない間違った使い方を紹介します。

卑下する意味では使わない

『手前味噌』は自分を卑下する意味では使いません。自慢する意味の言葉を打ち消して、自分がへりくだる謙遜の意味で使うことはあっても、自分をおとしめるような卑下する使い方はふさわしくないようです。

【例文】

  • 手前味噌ですが、ご笑納ください。
  • 手前味噌で恐縮ですが、お口に合いますかどうか。

『手前味噌』を理解して職場で効果的に使おう

手前味噌は本来、あまりよい意味を持ちません。ただ、逆説の接続詞を使うことで、謙遜の意味を持たせて、ビジネスの場でも使える言葉となっています。使い分けの難しい表現ですが、しっかりと理解して効果的に使えると評価が高まるでしょう。


[文・構成/grape編集部]

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