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『皮肉』の意味を分かりやすく紹介! 面白い例文や英語表現も

By - COLLY  公開:  更新:

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日常会話でもよく耳にする言葉である『皮肉』。正しい使い方を理解している人は意外と少ないかもしれません。この記事では、意味や使い方を分かりやすく解説します。ぜひ最後までご覧いただき、会話のスパイスとなる『皮肉』を使いこなしてみてください。

『皮肉』とは

積み重なねられた本と観葉植物の画像

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まず、『皮肉』の意味や語源について説明します。

『皮肉』の意味

『皮肉』は、褒めるような表現や、わざと遠回しに伝えて他人を非難することを意味する言葉です。また、特定の物事に対して期待通りの、または期待に反した結果になった時などにも使われます。

『皮肉』の語源

『皮肉』という言葉には、どのような由来があるのでしょうか。起源について見てみましょう。

諸説ありますが、『皮肉』はもともと仏教用語である『皮肉骨髄』が語源とされています。

『皮肉骨髄』とは、禅宗の達磨大師が弟子たちの修行の深度を見定める時に、「我が皮を得たり」「我が肉を得たり」「我が骨を得たり」「我が髄を得たり」と表現した、といういい伝えに由来しているそうです。

『骨』や『髄』は物事の本質を指し、『皮』や『肉』は物事の表層、浅い部分を指す言葉。つまり、『皮』『肉』を得ているというのは、まだ本質の理解にいたっていない、という意味であり、弟子を難じる表現になります。

弟子に「まだ修行が足りていない」と直接非難するのではなく、『皮』『肉』という言葉を用い、遠まわしに厳しい評価を伝えたのです。

この逸話から『皮』『肉』と批評する部分に由来して『皮肉』という言葉が使われるようになったといわれています。

『皮肉』を使った例文・『皮肉』を込めた面白い例文

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それでは、実際に『皮肉』という言葉はどのように使われるのでしょうか。『皮肉』そのものを使用した例文、そして『皮肉』の意味を込めたユーモアのある例文を紹介します。

『皮肉』そのものを使用した例文

掃除を頼んでおいたのに、まだ部屋はほこりだらけ。「しっかり掃除してくれてありがとう」と皮肉を込めて言ってやった。

わざと褒めるような表現をして、相手を遠まわしに非難しているさまを表しています。決して本当に褒めているわけではないので、このようにいわれても文字通り受け取らないようにしてくださいね。

必死の思いで取ったコンサートのチケットだったが、皮肉にもコンサートは中止になってしまった。

期待に反した結果になる、という意味で『皮肉』が使用される場合の例文です。逆に、期待に反してよい結果になった時でも使用することができます。

「この忙しい中、楽しそうで何よりですね」と彼は皮肉な笑みを浮かべた。

『皮肉』という言葉は、『皮肉な○○』と形容動詞として使用されることもあります。「皮肉を込めた」という意味の表現です。「皮肉な笑み」「皮肉な言葉」「皮肉な発言」など、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

『皮肉』の意味を込めた例文

この件に関しては、朝早くからずいぶん熱心ですね。

『必死ですね』という意味の内容を『熱心』という言葉に置き換えて、相手を揶揄している例文です。からかったり、見下したりしているニュアンスを含めた表現になります。

時間をかけてくれただけあって、この資料にはとても有益な情報がのっているね。

時間ばかりかかって、内容の薄い資料である、ということを非難したい状況での例文です。時間がかかったことに対して「時間をかけてくれた」と表現したり、資料の内容が薄いことへの不満を『有益』と評価したりするなど、揶揄することで皮肉を込めています。

『皮肉』の類語

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『皮肉』にはどのような類語があるのでしょうか。代表的な言葉を3つ、紹介します。

嫌み

『嫌み』は、日常でもよく使用される言葉ですよね。意味は「人が嫌がるような言動、皮肉混じりで婉曲的に不快な思いをさせるようなことをいうこと」です。

『皮肉』と重なる部分もありますが、『嫌み』のほうがストレートで直接的に相手を非難するニュアンスがあります。

毒舌

「あの人は毒舌だよね」など、こちらも日常的に使うことのある言葉ではないでしょうか。『毒舌』は「他人に対して厳しい悪口やひどい皮肉をいうこと」という意味です。また、毒舌は『吐く』ものであり、毒舌を吐く人のことを『毒舌家』と呼んだりもします。

『皮肉』に比べ、『毒舌』のほうが辛辣で厳しく、ストレートではっきりした悪口というニュアンスです。

風刺

『風刺画』『風刺小説』という言葉があるように、文章や絵画、イラスト、漫画などの手段を使って、社会や人物の欠点、罪悪を遠まわしに批判、嘲笑することを主に『風刺』と呼びます。

批判や愚かさを遠まわしに表現する点は『皮肉』と共通しているといえるでしょう。

『皮肉』の英語表現

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『皮肉』を込めた表現をするのは、日本語に限ったことではありません。海外ドラマや映画などでも、ユーモアのある会話には『皮肉』なフレーズが使われていますよね。英語ではどのような表現があるのでしょうか。以下はほんの一部ですが、紹介していきます。

thank you very much

直訳すると「本当にありがとうございます」であり、日本人にも耳慣れた英語ですよね。もちろん、本来の意味で使用されることも多いですが、海外では感謝の言葉を皮肉の表現として用いることも少なくないといわれています。

本当はとても迷惑であったり、がっかりした気持ちであったりする時に、あえて『ありがとう』と述べることで、皮肉を込めている表現になるようです。『very much』の部分を強調すると、より皮肉めいたいい方になります。

as you know

直訳すると「ご存じの通り」です。相手が知らないであろうことを話題にする時や、難しい内容の話をする時に、「知っていると思うけど」というニュアンスを含めて付け加えることで、相手を見下す印象を与えます。

ただし、本来の意味で使用しても、目上の人に対してなど、場面によっては皮肉にとらえられることも。口調や文脈には注意したほうがよいかもしれません。

are you okay?

直訳すると相手を心配するフレーズですが、相手や場面によっては「正気か」「おかしいんじゃないのか」という意味を持ちます。

日本語でも、「大丈夫か」をこのように皮肉の言葉として使うことがあるので、感覚的にとらえやすい表現ではないでしょうか。

『皮肉』を正しく理解して使いこなそう

『皮肉』という言葉に関して、意味や語源、例文や類語などを解説しました。『皮肉』は遠まわしに相手を非難したり、当てこすりをしたりすることです。ストレートな悪口ではないからこそ、皮肉を込めた表現は日常のさまざまな場面で使われています。

気心の知れた相手との、ユーモアのある表現であれば、会話のスパイスとして考えることもできるのではないでしょうか。この記事で、コミュニケーションの彩りとしての『皮肉』を試してみてください。


[文・構成/grape編集部]

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