認印とは? 使える場面や銀行印、実印との違いを紹介 By - COLLY 公開:2024-07-01 更新:2024-07-01 雑学 Share Post LINE はてな コメント ※写真はイメージ 認印(みとめいん)とはどのような印鑑でしょうか。書類の提出に認印が必要といわれて、慌てて近くの店舗まで買いに走った経験があるという人もいるかもしれません。 本記事では、認印とは何か、使える場面やほかの印鑑との違いについて紹介します。 認印とは ※写真はイメージ 認印とは、書類などを読み「中身を確認した」「内容を了承した」という証明の代わりに押す印鑑のことです。多くは個人の名字が刻印されているのが特徴です。 地方自治体で印鑑登録をしていないことから、法的な効力が低いとみなされています。使える範囲が限られていて、例えば、契約など重要書類への押印は難しいでしょう。 認印と似たものに『三文判(さんもんばん)』があります。三文判は認印の1種で、安価に購入できる印鑑の総称です。主に、文房具店や100円均一ショップなどで、安く販売されている印鑑を指しています。 江戸時代の通貨『三文』を安価の代名詞として例えたからといわれているそうです。 認印はどれでもよいのか? 印鑑の専門店以外でも、文房具店や100円均一ショップなどで購入した印鑑は認印として使えます。認印に関する決まりは特に見当たりません。認印に見られる特徴は下記の通りです。 特徴 認印 印字サイズ 定番:直径1cm程度の丸型 押印欄に収まる小さめのサイズ 文字 名字のみがほとんど フルネームを刻印すると見えにくい 書体 文字が判別できる見やすい書体(古印体、楷書体、行書体など) サイズ 実印や銀行印よりも小さめ(区別しやすい) 値段 店舗によって異なる 素材 衝撃に強い丈夫で耐久性がある素材が望ましい(柘植(つげ)、牛角、チタンなど) 持てる本数 特に制限なし 仕事用と家庭用に分けて持つことも可能 認印の利用シーン 認印の利用シーンはどのような状況が考えられるでしょうか。職場と日常生活に分けて見ていきます。 職場 職場で認印を使う主なシーンは、下記の通りです。 社内文書に署名をする。 伝票に担当者の記名をする。 宅配便の荷物受け取りの確認。 ビジネス文書への押印と記名。 書類の内容を確認する。 会社への書類の提出。 履歴書への押印。 認印は名字だけを彫ったタイプが一般的ですが、社内に同じ苗字の人が複数いる場合、判別が難しいこともありますよね。認印の印字サイズにフルネームを入れると文字が見づらくなるため、区別するために、名前の最初の1文字をひらがなで入れる人もいるようです。 日常生活 日常生活で認印を使う例を紹介します。 宅配便、書留などの受け取り。 郵便物の転送。 回覧板の閲覧の確認。 役所での手続き(書類の提出や申請などの確認)。 学校への書類の提出。 認印の本数に制限はありません。自宅用と持ち歩き用にわけて持つことも可能です。 出先用に、朱肉付きの印鑑ケースに入れて持ち歩く人もいます。自宅用は朱肉と印鑑マットを一緒にまとめて置いておくと、宅配便の受け取りや回覧板の押印時に便利です。 シャチハタについて ※写真はイメージ シャチハタは、インクが内蔵されたスタンプのような印鑑といったイメージを持つ人もいるのではないでしょうか。シャチハタは具体的にどのような印鑑であるか、認印としての利用が可能であるか、詳しく見ていきます。 『シャチハタ』とは 『シャチハタ』とは本来、シヤチハタ株式会社が製造・販売しているインク浸透印(しんとういん)である、『Xスタンパー』のこと。 シヤチハタ株式会社が1970年の大阪万博で設置した『Xスタンパー』が、万博の来場者の間で話題となり、インク浸透印の存在が広く知られるようになりました。 本来なら『シヤチハタ』と表記されるところですが、『シャチハタ』の呼称が、2024年6月現在にいたるまで、そのまま使われています。また、シヤチハタ株式会社ではない他メーカーのインク浸透印のことも『シャチハタ』と呼ばれることがあるようです。 『シャチハタ』は認印として使える? 『シャチハタ』およびそのほかのインク浸透印は、インクがケース内に入っているため、朱肉や印鑑マットなどがなくてもきれいに押印できるのが魅力。ボールペンにセットできるタイプもあり、必要な時すぐに取り出せるのが嬉しいですね。 ビジネスの場でも日常生活でも、簡単な確認作業に使うのであれば、『シャチハタ』およびほかのインク浸透印は、認印として使えます。使えるシーンは、以下の通りです。 宅配便や書留などの受け取り。 回覧板などの閲覧の確認。 社内で配布される文書の受け取りや閲覧の確認。 『シャチハタ』および、そのほかのインク浸透印の印字面はゴム素材で、時間が経過すると劣化しがちです。使う機会の多い人は、早めのメンテナンスや買い替えを心掛けましょう。 シャチハタ不可の場合 書類の内容によっては、『シャチハタ不可』と注意書きがされているものもあります。特に、契約に関する書類は、異なる印鑑と判断されると規約の変更などが難しくなるため、『シャチハタ』および、そのほかのインク浸透印の使用は認められていません。 認印を持つ場合、朱肉が必要な印鑑と、インク浸透印の両方が手元にあると便利です。『シャチハタ不可』の書類は以下のような例があります。 役所に提出する公的書類(各種の申請や届け出、請求、保険、年金関連など)。 履歴書への押印。 会社への提出書類(契約書や誓約書、税務や保険関連の書類)。 『シャチハタ不可』の理由は以下の通りです。 大量に販売されていて、印字面が同じになり悪用される恐れがある。 印字面に使用するゴム素材が劣化して、変形することがある。 ゴムは力の入れ方により歪みが出てしまい、異なる印鑑に見える可能性が高い。 認印以外の印鑑とは? ※写真はイメージ 認印以外には、実印と銀行印が代表的ですが、両方とも認印より大きめのサイズで作るのが一般的。2つの違いを見ていきましょう。 実印 『実印』は市区役所、町村役場などの地方自治体に届け出をして、印鑑登録をした印鑑のこと。公的なお墨付きがあることから、不動産売買や登記に関わる手続き、車や住宅などのローンの契約など、法的な効力が求められる重要な手続きに必要とされます。 登録が可能な印鑑は、押印した時の大きさが8mm四方~25mm四方までの範囲ですが、自治体によっては異なる場合も。実印を作る前に、住所地にある自治体に確認しましょう。また印鑑登録をして初めて実印として使えるので、早めに手続きをするようにするのがおすすめです。 銀行印 銀行印は、銀行や信用金庫などの金融機関で届け出をして、登録された印鑑のことです。預金口座の開設や、窓口から入出金をする時に書く伝票、口座引き落としの申し込みなどがあった場合に押印します。 複製や偽造、破損などのリスクを避けるため、ゴム素材の印鑑を銀行印に使うことはできません。 以前は通帳に銀行印を押印したものが記載されていましたが、偽造や第三者の悪用を防止するため、外すようになりました。また、インターネットバンキングの利用や、ATMでの入出金手続きを行う人が多くなり、銀行印はあまり使われなくなってきています。 認印がどのような印鑑か理解して便利に使おう 『認印』は、職場でも日常の場でも使える印鑑です。法的な効力は弱いですが、内容の確認などで使用できます。 保有する本数も決まっていないため、持ち歩きや自宅用に分けて持つなど、ライフスタイルに合わせて用意すると便利に使えるでしょう。本記事を参考に、自宅の印鑑の準備を見直すのもおすすめです。 [文・構成/grape編集部] Share Post LINE はてな コメント
認印(みとめいん)とはどのような印鑑でしょうか。書類の提出に認印が必要といわれて、慌てて近くの店舗まで買いに走った経験があるという人もいるかもしれません。
本記事では、認印とは何か、使える場面やほかの印鑑との違いについて紹介します。
認印とは
※写真はイメージ
認印とは、書類などを読み「中身を確認した」「内容を了承した」という証明の代わりに押す印鑑のことです。多くは個人の名字が刻印されているのが特徴です。
地方自治体で印鑑登録をしていないことから、法的な効力が低いとみなされています。使える範囲が限られていて、例えば、契約など重要書類への押印は難しいでしょう。
認印と似たものに『三文判(さんもんばん)』があります。三文判は認印の1種で、安価に購入できる印鑑の総称です。主に、文房具店や100円均一ショップなどで、安く販売されている印鑑を指しています。
江戸時代の通貨『三文』を安価の代名詞として例えたからといわれているそうです。
認印はどれでもよいのか?
印鑑の専門店以外でも、文房具店や100円均一ショップなどで購入した印鑑は認印として使えます。認印に関する決まりは特に見当たりません。認印に見られる特徴は下記の通りです。
認印の利用シーン
認印の利用シーンはどのような状況が考えられるでしょうか。職場と日常生活に分けて見ていきます。
職場
職場で認印を使う主なシーンは、下記の通りです。
認印は名字だけを彫ったタイプが一般的ですが、社内に同じ苗字の人が複数いる場合、判別が難しいこともありますよね。
認印の印字サイズにフルネームを入れると文字が見づらくなるため、区別するために、名前の最初の1文字をひらがなで入れる人もいるようです。
日常生活
日常生活で認印を使う例を紹介します。
認印の本数に制限はありません。自宅用と持ち歩き用にわけて持つことも可能です。
出先用に、朱肉付きの印鑑ケースに入れて持ち歩く人もいます。自宅用は朱肉と印鑑マットを一緒にまとめて置いておくと、宅配便の受け取りや回覧板の押印時に便利です。
シャチハタについて
※写真はイメージ
シャチハタは、インクが内蔵されたスタンプのような印鑑といったイメージを持つ人もいるのではないでしょうか。シャチハタは具体的にどのような印鑑であるか、認印としての利用が可能であるか、詳しく見ていきます。
『シャチハタ』とは
『シャチハタ』とは本来、シヤチハタ株式会社が製造・販売しているインク浸透印(しんとういん)である、『Xスタンパー』のこと。
シヤチハタ株式会社が1970年の大阪万博で設置した『Xスタンパー』が、万博の来場者の間で話題となり、インク浸透印の存在が広く知られるようになりました。
本来なら『シヤチハタ』と表記されるところですが、『シャチハタ』の呼称が、2024年6月現在にいたるまで、そのまま使われています。
また、シヤチハタ株式会社ではない他メーカーのインク浸透印のことも『シャチハタ』と呼ばれることがあるようです。
『シャチハタ』は認印として使える?
『シャチハタ』およびそのほかのインク浸透印は、インクがケース内に入っているため、朱肉や印鑑マットなどがなくてもきれいに押印できるのが魅力。ボールペンにセットできるタイプもあり、必要な時すぐに取り出せるのが嬉しいですね。
ビジネスの場でも日常生活でも、簡単な確認作業に使うのであれば、『シャチハタ』およびほかのインク浸透印は、認印として使えます。使えるシーンは、以下の通りです。
『シャチハタ』および、そのほかのインク浸透印の印字面はゴム素材で、時間が経過すると劣化しがちです。使う機会の多い人は、早めのメンテナンスや買い替えを心掛けましょう。
シャチハタ不可の場合
書類の内容によっては、『シャチハタ不可』と注意書きがされているものもあります。
特に、契約に関する書類は、異なる印鑑と判断されると規約の変更などが難しくなるため、『シャチハタ』および、そのほかのインク浸透印の使用は認められていません。
認印を持つ場合、朱肉が必要な印鑑と、インク浸透印の両方が手元にあると便利です。『シャチハタ不可』の書類は以下のような例があります。
『シャチハタ不可』の理由は以下の通りです。
認印以外の印鑑とは?
※写真はイメージ
認印以外には、実印と銀行印が代表的ですが、両方とも認印より大きめのサイズで作るのが一般的。2つの違いを見ていきましょう。
実印
『実印』は市区役所、町村役場などの地方自治体に届け出をして、印鑑登録をした印鑑のこと。
公的なお墨付きがあることから、不動産売買や登記に関わる手続き、車や住宅などのローンの契約など、法的な効力が求められる重要な手続きに必要とされます。
登録が可能な印鑑は、押印した時の大きさが8mm四方~25mm四方までの範囲ですが、自治体によっては異なる場合も。
実印を作る前に、住所地にある自治体に確認しましょう。また印鑑登録をして初めて実印として使えるので、早めに手続きをするようにするのがおすすめです。
銀行印
銀行印は、銀行や信用金庫などの金融機関で届け出をして、登録された印鑑のことです。預金口座の開設や、窓口から入出金をする時に書く伝票、口座引き落としの申し込みなどがあった場合に押印します。
複製や偽造、破損などのリスクを避けるため、ゴム素材の印鑑を銀行印に使うことはできません。
以前は通帳に銀行印を押印したものが記載されていましたが、偽造や第三者の悪用を防止するため、外すようになりました。また、インターネットバンキングの利用や、ATMでの入出金手続きを行う人が多くなり、銀行印はあまり使われなくなってきています。
認印がどのような印鑑か理解して便利に使おう
『認印』は、職場でも日常の場でも使える印鑑です。法的な効力は弱いですが、内容の確認などで使用できます。
保有する本数も決まっていないため、持ち歩きや自宅用に分けて持つなど、ライフスタイルに合わせて用意すると便利に使えるでしょう。本記事を参考に、自宅の印鑑の準備を見直すのもおすすめです。
[文・構成/grape編集部]