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ノスリってどんな鳥?見た目の特徴や似た猛禽類との見分け方をご紹介

By - grape編集部  公開:  更新:

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ノスリってどんな鳥?見た目の特徴や似た猛禽類との見分け方をご紹介

※写真はイメージ

『ノスリ』は、冬になると目にする機会が増える猛禽類(もうきんるい)であり、バードウォッチングの観察対象としても人気のある野鳥です。

しかし『トビ』や『チュウヒ』などよく似た種類も多く、見分けが難しいと感じる人も少なくありません。

そこで本記事では、ノスリの見た目や鳴き声、飛び方といった特徴から、ノスリに似た猛禽類との違いについて詳しく解説します。

「ノスリの見分け方を知って、バードウォッチングの楽しみを広げたい」という人は、ぜひ参考にしてください。

『ノスリ』とは?

『ノスリ』とは?

※写真はイメージ

『ノスリ』は、タカ目タカ科に属する猛禽類の一種です。

日本全国に分布しており、特に農耕地や草原、河原などの開けた場所で見かけることが多いとされています。

ノスリの主食は『ネズミ』『カエル』『モグラ』などであり、農作物を食べる害獣や害虫などを捕食することから農地の守り神といわれることもあるようです。

また、バードウォッチングの対象としても人気があり、空をゆったりと旋回する姿や、電柱や木の枝にとまって獲物を探す様子は、観察しやすいポイントとされています。

ノスリの中には冬に日本へ渡ってくる個体、日本のなかでも冬に北から南へ移動する個体もおり、比較的身近に見られる猛禽類として、バードウォッチングの初心者にも親しまれている存在です。

ノスリの特徴

ノスリの特徴

※写真はイメージ

続いて、ノスリの特徴を『見た目』『鳴き声』『飛び方』の3つに分けて紹介します。

見た目

ノスリは中型の猛禽類で、全長は約50〜60cm、翼を広げると122~137cmほどになるとされています。

色には個体差こそありますが、おおよそ次のような特徴が見られるようです。

  • 頭や背面:茶褐色。
  • 胸や腹:白または灰色に、黒っぽいまだら模様が混じる。
  • 翼:広げた際の下面は白っぽく、翼の先端や翼角にはこげ茶色の斑が入る。

見分ける際のポイントには、腹にある『腹巻』のような黒っぽい帯模様が挙げられます。

また、翼の下面に広がる白模様や、丸みを帯びた尾の形もノスリらしい特徴といえるでしょう。

鳴き声

ノスリの鳴き声は「ピィーピィー」「ピィエー」「ピーヨロロ」などと表現されることが多いようです。

やや高音で、よく通る優しい声が特徴的といえるでしょう。

飛びながら鳴くこともあり、特に繁殖期には頻繁にその声を聞くことができるとされています。

飛び方

ノスリの飛び方の特徴として、ほとんど羽ばたかず、空中で一点にとどまる『ホバリング』の習性があるとされています。

普段は、翼を大きく広げて円を描くように旋回しながら、地上に獲物が現れるのを待ち、地面に動きが見えると、羽ばたいて空中で静止しながら狙いを定め、急降下して獲物に飛びかかるようです。

また、ノスリは電柱や木、杭の上などで獲物が現れるのを待つ、待ち伏せ型の猟をおこなうこともあるのだとか。

飛行時は翼を水平に大きく広げ、尾は扇状に広がるため、空中での姿は非常に優雅といわれています。

ノスリによく似た猛禽類との違い

ノスリによく似た猛禽類には『トビ』や『チュウヒ』など、6つの種類が挙げられるようです。

本章では、それぞれの種類ごとの特徴や、ノスリとの見分け方について解説します。

トビ

『トビ』

※写真はイメージ

『トビ』は全長約60cm、翼を広げると約160cmになる、タカ目タカ科に属する猛禽類です。

『トンビ』と呼ばれることもありますが、一般社団法人日本鳥学会が掲載する日本鳥類目録には『トビ』と記載されていることから、トビが正式名称と考えていいでしょう。

見た目の大きさだけでなく、空中を旋回する特徴もあり、ノスリと混同することが多いといわれています。

トビとノスリを見分けるポイントとして、鳴き声や体色が挙げられるようです。

トビの鳴き声は「ピーヒョロロロ」と甲高く響き、体色は全身が濃い茶褐色、翼下面の先端近くに白い斑点が入っているとされています。

特に、翼や腹の色は判別がしやすいポイントといわれており、茶色に白い点がトビ、白に茶色の点がノスリと覚えておくとよいでしょう。

チュウヒ

『チュウヒ』

※写真はイメージ

『チュウヒ』も、タカ目タカ科に属する猛禽類の一種です。

全長が約48~58cm、翼開長時は約110~140cmとされており、大きさはノスリと同程度といえるでしょう。

ノスリとの見分け方のポイントとしては、鳴き声や体色、飛び方などが挙げられます。まず鳴き声ですが、チュウヒは雄と雌で鳴き声が異なるようです。

具体的に、通常であれば雄は「ミュー、ミュー」と鳴き、雌は「キキキキキッ」と鋭い声を発するのだとか。

飛び方にも特徴があり、チュウヒはV字気味にして滑空することが多いようです。

体色については、雄は背面が灰色、腹面は茶色で構成されることが多く、雌は全身が茶色で、特に顔の茶色が淡いとされています。ただし、個体差があるようなので一概には断定できません。

サシバ

『サシバ』

※写真はイメージ

『サシバ』もタカ目タカ科に属するタカの仲間であり、春から夏にかけて日本へやってくる渡り鳥とされています。

全長は約47~51cm、翼開長時は約105~115cmと、ノスリよりもやや小柄なようです。

サシバの体色のベースは赤褐色であり、胸は暗褐色、腹に暗褐色の横縞、尾や風切には横帯があることが特徴に挙げられます。

鳴き声も「ピックイー」という独特な音を発するため、これらがノスリとの判別に役立つといえるでしょう。

ただし、体色には個体差があり、雄雌、成鳥と幼鳥などで色合いに違いが見られることもある点には注意しておきましょう。

オオタカ

『オオタカ』

※写真はイメージ

『オオタカ』は、かつて絶滅危惧種に指定されていたタカ目タカ科の猛禽類です。

昨今では、絶滅の恐れが弱まったとされて準絶滅危惧種に選定されていますが、京都府のように2025年現在も絶滅危惧種に指定されているケースもあります。

全長約50~56cm、翼開長時は約105~130cmとされており、ノスリとそれほど大きな違いはないといえるでしょう。

ノスリとの判別ポイントの1つとして、体色が挙げられるようです。

オオタカは、翼は全体が青みを帯びた黒色をしており、腹は白色で、細い波状の暗灰色の横帯があるとされています。ノスリも腹部分は白色ですが、波上の横帯でその違いが確認できるでしょう。

またオオタカは「ケッ」という独特の鳴き声を発するといわれており、この点でも違いが確認できるかもしれません。

チョウゲンボウ

『チョウゲンボウ』

※写真はイメージ

『チョウゲンボウ』は、タカではなくハヤブサ目ハヤブサ科に属する猛禽類です。

日本全国に分布していること、ホバリングによってエサを捕食する点などがノスリと似ているとされていますが、体の大きさや体色、鳴き声などに違いが見られるようです。

チョウゲンボウの全長は約33~38cm、翼開長時は約68~76cmと、ノスリとは大きさからして異なるでしょう。

また、チョウゲンボウの体色は、雄と雌でも下記のように違いが見られるといわれています。

  • 雄:頭部と尾羽の上面が青灰色。
  • 雌:頭からの上面が茶褐色、黒褐色の斑がある。

鳴き声は「キィーキィキィキィ」「キッ」と鳴くとされており、ノスリとの判別は比較的しやすいといえるでしょう。

ミサゴ

『ミサゴ』

※写真はイメージ

『ミサゴ』は、タカ目ミサゴ科に属する、北半球全体に広く分布している猛禽類です。

全長約54~64cm、翼開長時は約155~175cmといわれており、翼開長時はノスリより大きく感じられることもあるでしょう。

ミサゴは体の上面が黒褐色、体や翼の下面が白色、胸に黒褐色の帯があるとされており、大きさを含めノスリと似た印象を持つ人もいるかもしれません。

ただし、ミサゴの腹部分は真っ白であるのに対し、ノスリは『腹巻』と呼ばれる黒っぽい帯模様が見られるため、この点が判別時のポイントとなるようです。

また、ミサゴは魚を主食としており、海岸部、冬季であれば河川や湖沼に広く出現するとされています。ノスリとは生息地が異なる点も考慮しておくといいでしょう。

繁殖期などには「ピョッピョッ」と鳴くことがあるため、鳴き声でノスリとの違いを判別することができるかもしれません。

ノスリの見分け方を知って、バードウォッチングの楽しみを広げよう

ノスリは、日本全国に分布する猛禽類の一種であり、腹巻のような黒っぽい帯模様、丸みを帯びた尾、ホバリングといった特徴を持っているようです。

トビやチュウヒなど、よく似た猛禽類も存在するようですが、それぞれに見た目や鳴き声などの違いがあるとされています。

それぞれの鳥類の違いや特徴を理解することで、バードウォッチングをさらに楽しめるかもしれません。ノスリを見分ける際には、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

※この記事は、一部日本鳥学会のウェブサイトを参照しています。


[文・構成/grape編集部]

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