「ドラマのようにはいかないと思う」 企業でLGBTカミングアウトは諸刃の剣
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JALとANAは同性カップルでもマイル共有可能、東京海上は同性カップルを配偶者として扱う火災保険や自動車保険の認可が国から降りたことを発表など、大企業からLGBTを意識した企画が出るようになった。
LGBTは6兆円の市場規模と言われているのだから、世の中の動きとしては当然のことだろう。しかし、こうした企画を打ち出す大企業で働いている人たちのLGBT事情はどうなのだろうか。
今年の春、NTTはダイバーシティ・マネージメントの一つとして、LGBTなど性的マイノリティに関する取組を進めていくと宣言した。具体的には「結婚休暇」、「忌引休暇」、「慶弔金」などを同性のパートナーにも適用するとのことである。いじわるな突っ込みをすると、これで現場の社員たちの意識は育っているのだろうか。
僕は一度も企業に勤めたことがないので、その感覚はわからない。IBMに勤務する友人に聞いてみるとカミングアウトしているゲイの上司はいると言った後で、
「うちは外資系だからね」と言っていた。
広告代理店に勤める友人が派手な服を着ていて「うちは代理店だからね」に近い印象を受けた。つまり、「うちは保守的な会社ではないからねぇ」ということなのだ。
世の中の働き方が大きく変わったとはいえ、保守的な考えが残る企業も多いだろう。「自分らしく」などといくら旗振りしていても、社員の意識が変わらなければ難しい。ましてや旗振りしている上層部の意識が変わっていなければ表面状で終わるだろう。
ネットを読み漁っていると、カミングアウトしてから上司はじめ周囲がよそよそしくなったという体験記もあった。保守的な大企業がLGBTという考え方に対し、慣れていないということは想像に難くない。仲のいい職場仲間にだけ伝えたつもりが、いつのまにか全員に伝わっていたという話もある。
先日、大企業に勤める友人たちと飲んだ際、その話をぶつけると明らかに戸惑っていた。僕の年代では立場的に上司の人たちも多く、本音もちらほら出始める。誰から見ても仕事ができ、人格者と思われるような友人が、「ドラマのようにはいかないと思う」とぼやいていたことが印象的だった。
思い切ってカミングアウトしたにも関わらず、部署、つまり現場の空気が追いついていかず、居づらくなってしまい、会社を辞めて転職したという話もあるそうだ。会社の中で、うまく立ち回るために、カミングアウトしないで生きていくという選択肢を挙げているブログもあった。
まだまだ企業内でのカミングアウトは諸刃の剣なのである。
日本労働組合総連合会がLGBTに関する調査が発表になった。職場において「いわゆるLGBTに対する差別は、なくすべきだと思うか?」という質問(回答者1000名)に対し、なくすべきは約75%と多数を占めた。しかし、その一方で「なくさなくてもいい」は23パーセントあった。この数字を多いとみると少ないとみるか。
参考:日本労働組合総連合会
記:イシコ
GLASS GEM POPCORN
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