6月10日は、日本ではじめて時を告げた「時の記念日」です!
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6月は梅雨の季節です。梅雨といえば、じめじめと湿気があり天気の悪い日が続く印象ですが、今のところ関東地方では湿度が低く晴れた日が多いようです。また、6月は祝日がない月でもあります。カレンダーを見るとなんとなくテンションが下がるような気がしますね。
そんな6月に、私たちにとって大切な記念日があるのをご存じでしょうか。今回は6月10日「時の記念日」についてご説明します。
時の記念日とは?
時の記念日は1920年6月10日に制定されました。
この年の5月16日から7月4日まで開かれていた時展覧会において、「時間励行日」「時間尊重日」という名目で「時の宣伝をしよう」という試みからはじまりました。時間を守り、時間を大切にすることで生活の改善を図ろうというものです。記念講演を行ったり、各所で啓蒙するチラシをまいたり。面白いものでは、日本橋、銀座尾張町、雷門、上野広小路、須田町などで正確な時計を用意し通行人の時計を合わせる、といったことも行われたようです。
この取り組みの中心となった生活改善同盟会は、当時、文部省に開設された団体で、人々の意識を改革し、生活の改善と合理化を図ることを目的に活動していました。
街ゆく人の時計を合わせる、今の感覚ではちょっと不思議な催しも?
どうして6月10日?
6月10日が時の記念日に選ばれたのは、奈良時代に成立した歴史書『日本書紀』に、「天智天皇十年四月辛卯」、今の暦に直すと671年の6月10日に、「新しい台に漏刻を設置して、はじめて鐘鼓を鳴らして時を告げた」とあることに由来しています。
漏刻とは、水の流入(流出)とその水位によって時間をはかる水時計のことですが、この日本書紀に記された漏刻がどのようなものであったのかは、よくわかっていないようです。
滋賀県大津市の近江神宮では、おまつりする天智天皇にちなんで、境内には漏刻や日時計があるほか、世界各国のめずらしい時計を展示した時計館宝物館も開設しています。さらに、近江時計眼鏡宝飾専門学校も経営して、時計技術者の育成も行っています。
天智天皇をまつる大津市の近江神宮には珍しい時計もたくさん
時の記念日の楽しみ方
6月10日には、時の記念日にまつわるイベントも各地で開催されます。
先述の近江神宮では「漏刻祭」が執り行われます。時計メーカー各社の新製品をお供えして時計の歴史の進展を感謝したり、奉納行事として舞楽が行われます。また、時計館宝物館が無料となるほか、古代日時計の実演もあるそうです。
東経135度、日本標準時子午線上にある兵庫県明石市では、6月10日から16日を「時のウィーク」として、武者行列や鉄砲隊演武などさまざまな催しが予定されています。また、明石市立天文科学館では、2017年6月10日は入館無料になります。さらに天文科学館、魚の棚商店街などでは「子午線通過証」も配布されます。ちなみに、この天文科学館が開館したのも、1960年の6月10日でした。
時の記念日にちなんだイベントも各地で開催
時の記念日は、数ある記念日の中でも歴史のあるものです。日本人は時間に正確というイメージも、こうした取り組みの積み重ねの上にあるのかもしれません。 ところで、明石市立天文科学館での「子午線通過証」は、遠くて来られないという方のために郵送での配布もあるそうですから、興味のある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
参考:国立天文台、近江神宮、一般社団法人日本時計協会、明石・時感動推進会議
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