「もう来ないでください」八坂神社が転売に苦言 宮司に話を聞いた
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茨城県守谷市に鎮座する、守谷総鎮守八坂神社。八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治した神様・素戔嗚尊(スサノヲノミコト)をまつっています。
1200年もの長い歴史を誇る八坂神社は、地元民からも愛され続けている場所。しかし、宮司(神社の代表者)には最近、心が痛む出来事があったそうです。
「御朱印帳を転売する人は、もう来ないでください」神社が苦言
『御朱印』とは、神社や寺院において、参拝した証として寺社の僧侶や神職が押印してくれるというもの。
参拝をすることによって神様との縁を結んだ証であり、参拝日や寺社名、ご本尊の名称も記入されるため、御神札のような役割もあります。
雄々しい素戔嗚尊が描かれた、御朱印帳(押印するための帳面)を制作した八坂神社。
「八坂神社の御朱印帳が欲しい」という声に応え、何度もデザインを考案したうえで、2017年5月下旬から販売に踏み切りました。
しかし、早くもインターネットオークションで転売されていることが発覚。この件を受け、宮司は苦言を呈したのです。
守谷総鎮守八坂神社の宮司に話を伺いました
八坂神社のTwitterアカウントを管理している、宮司の下村良弘さんに、今回の件についてお話を伺いました。
――宮司の、御朱印に対する考え方は。
もともと御朱印は、お寺で写経した際の受付の印が起源といわれています。
いまでは、神社仏閣の参拝の証として記しています。近年の御朱印ブームで、御朱印目的のお参りがだいぶ増えたようにも感じられます。
このような流行のなかで、神社に目を向けていただけることは大変ありがたいことだと思います。
その反面、スタンプラリーのような感覚でお越しになり、参拝もせずお帰りになる方もいらっしゃるようです。
また、1人で何冊も御朱印帳を持ってこられる方も多いようです。ご家族、ご友人のために御朱印をお求めになるならば快くお受けいたしますが、代行転売目的で御朱印を求めるのはいかがなものかと思います。
御朱印は参拝の証。神様とご縁を結ばれた証でもあります。お参りの上、お受けいただたら嬉しいです。
――今回、御朱印が転売されているのを知り、どう思ったか。
業界の中でも、御朱印帳が転売されているというのが話題になっていました。
当社の御朱印帳は5月下旬から頒布しておりますが、わずか1週間ほどでオークションに出品されていることを知り、残念な気持ちになりました。
神社は気持ちの繋がりを一番大事にしますから、病気で本人が足を運べなかったり、安産祈願や合格祈願など、特定の誰かのために誰かがお守りを買ったり…というなら分かります。
しかし、不特定の誰かに向けて購入し、利益を上乗せして出品するのは、いかがなものかと思います。
――記事を読んでいる方へ、メッセージを。
御朱印帳を始め、神社の頒布品は基本的に遠方にネット通販、郵送することはよくないとこととされています。お参りに行ってお受けするものだと思います。
日本には、八百万の神様が皆様の地域にも氏神様としていらっしゃいます。地域の氏神様にお参りし、参拝の証として授けてもらうことが理想です。
もちろん、旅先の神社にお参りしていただくことも、楽しみのひとつでしょう。
神社は緑が多く、自然豊かな場所です。お参りをしていただき、自然の神様とふれあい、清々しい気持ちになっていただくほうが、御朱印を書く身としても嬉しいです。
ツイート内の「もう来ないでください」という言葉に対し、一部では「『来ないで』は、いいすぎでは?」という声も。この件に関して、宮司はこのようにコメントしています。
「来ないでください」という言葉が独り歩きしてしまったのは残念です。
転売目的で来られる方は遠慮してほしい、という気持ちです。
寺院の善意から成り立っており、神聖なものである御朱印。利益目的で転売するのは、失礼極まりない行為です。
しかし、ネット上では一部の人から「買った物をどうしようが人の勝手」「”転売禁止”の貼り紙をしていないのが悪い」といった、心ない声も上がっています。
転売をなくすには、私たちが「買わない」という確固たる意志を持つことも大切です。善意を無下にされた寺院の人たちが、悲しい思いをすることがないようにしたいものです。
[文・構成/grape編集部]