感動の実話 登山隊について来た野良犬 なんとヒマラヤの山頂を制覇する
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2018年春、アメリカ・ワシントン州シアトルに住む登山ガイド、ドン・ワーゴースキーさんはネパールのヒマラヤ山脈にいました。
ドンさんは登山チームのリーダーとして、標高6654mのメラ・ピークの登頂に成功。今回の登山について心の中で振り返りながら下山をしていたといいます。
「なぜ俺は少ない金のために、婚約者や愛犬と長い期間離れることを選んでいるんだ?なぜ俺は絶えずほかの人たちの命の責任を背負うような、そんな危険な状況に自分自身を置いているんだ?これはそれほどの価値があることなのか?」
すると突然、氷河の間から1匹のメス犬が現れたのです。
登山隊にくっついてきた野良犬
その犬はチベタン・マスティフとヒマラヤン・シープドッグの混血と思われる雑種犬で、野良犬とは思えないほど清潔感があったといいます。
犬は登山チームのメンバーの周りを走り回った後、ドンさんのところへ向かってきます。彼はそこでその犬に見覚えがあることに気付いたのだそう。
ドンさんはメラ・ピークに登る前に、カーレという村で一度その犬と出会っていたのです。その時はドンさんが犬をなでようとして逃げられてしまったのだとか。
しかし、再会した時は犬はドンさんを警戒する様子はなく、ビーフジャーキーをあげたことで「すぐに友達になれた」ということです。
犬はそこからもずっとドンさんたちにくっついてきたのだそう。
最初は「この子が一時的なセラピードッグになってくれるなんて素晴らしいな」と思っていた彼は、次第に心配し始めます。なぜならドンさんたちはその後また厳しい登山をすることになっていたから。
もしこのまま犬がついてきたら、この子は死んでしまうだろう
しかしその後も犬はずっとドンさんたちの後をついてきます。
4日後にベースキャンプに到着した夜、彼は犬をテントの中に入れてあげようとしましたが、犬は嫌がったのだとか。しかし次の日の夜、犬はテントの中でドンさんと一緒に眠ったということです。
それはドンさんと犬の間に確かな信頼関係が芽生えた瞬間でした。
ドンさんは犬がベースキャンプまでついてきたら、名前を付けようと決めていたのだそう。そして犬は『メラ』と名付けられます
それから数週間後、ついにドンさんたちがバルンツェに登頂する日がやってきます。ドンさんはメラの安全のために連れて行かないことに決め、キャンプにいる人たちに自分が戻るまでの世話を頼んでいました。
しかしメラが一緒に行きたがったため、やむを得ず首輪とリードでつないで出発します。
登り始めてから30分後、ドンさんはヒザの後ろに何かが当たるのを感じたのだそう。振り返るとなんとそこにはメラが!
どうやってメラがリードを外したのかは分かりません。もう引き返すことができなかったドンさんはメラを連れていくことを決意。
そしてメラはどんなに険しい雪の斜面や氷河でも諦めることなくドンさんたちについてきて、なんと山頂までたどり着いたのです。
登山中、ドンさんは限られた食料をメラと半分ずつ分け合ったのだそう。でもメラは、一度も食べ物をせがんでくることはなかったといいます。
海外メディア『OUTSIDE』によると、ヒマラヤ登山に関する記録を収集している『The Himalayan Database』のビル・ビーアリング氏いわく、ネパールの山の山頂に到達した犬はメラが初めてではないかとのことです。
登山が終わるとドンさんはアメリカに戻ることになり、メラを連れて帰ることはできません。するとベースキャンプのマネージャーをしているカジさんという男性がメラのバルンツェ制覇に感動し、「メラを再び野良犬にはさせない。俺が里親になるよ!」といってくれたのです。
メラはバルンツェにちなみ『バル』という新しい名前をもらい、カジさんと一緒に幸せに暮らしているということです。
氷河の中から突然現れて、ドンさんの仲間としてヒマラヤの山頂を制覇したメラ。この感動的なストーリーはきっと長く語り継がれていくことでしょう。
[文・構成/grape編集部]