父親の遺骨を原料にした『陶器の魚』 藝大生の作品に反響相次ぐ 「この人にしか作れない」
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- 出典
- @diderot24da
長崎県では、初盆に死者の魂を『精霊船』と呼ばれる船にのせて弔う、『精霊流し』という行事があります。
※写真はイメージ
東京藝術大学で陶芸を専攻している、森聖華(@diderot24da)さんは、卒業制作で出身地、長崎の『精霊流し』に着目した作品を作りました。Twitterに投稿したところ、大きな反響を呼んでいます。
森さんが作ったのは『精霊船』のような船。中には陶器で作られた、たくさんの魚たちが乗っています。
今にも泳ぎ出しそうなくらい、リアルで生き生きとした魚たち。
真ん中の一番の大きな鯛は、窯で焼成する際に使った釉薬(うわぐすり)に、2020年3月に海難事故で亡くなった、森さんの父親の遺灰が調合されているといいます。
遺灰は鯛の赤い色の部分に5g程度、使われているとのこと。焼き上がった時、釉薬に含まれる銅の色で赤く発色しますが、その発色をより鮮やかにする補助剤の役割を遺灰が担っているそうです。
釣りが好きだった父親を弔っているように見える、船。
父親に見立てたという、鯛の周りには、まるで花に囲まれているように、たくさんの魚が添えられています。
森さんは「陶芸の窯で土を焼く行為が火葬に似ているけど、陶芸の場合は形が残せるという点に着目した」とのこと。Twitterには制作時の工程を撮影した写真も投稿され、作品への想いがつづられていました。
こちらの作品は、建設会社の平成建設が、若手芸術家育成のために創設した賞『平成藝術賞』を受賞。
2021年5月下旬頃より、東京都世田谷区にある『平成記念美術館ギャラリー』にて展示される予定だといいます。
作品を見た人たちからは、さまざまな感想が寄せられました。
・造形の精巧さだけでなく、そこに込められたストーリーが素晴らしい。
・作品ができるまでの流れも、発想もとても素敵。この人にしかできない弔い方だと思います。
・鯛1匹だけならともかく、この精度で群を作れるのはすごい。実物も見てみたい。
・素敵ですね。自分も最期はこんな風に好きなものになって、どこかでひっそりと佇みたいです。
亡くなった後、火葬をして残るのは、骨と遺族の心の中にある思い出だけ。
故人への想いを、芸術として昇華させた作品は、多くの人の感動を呼びました。
[文・構成/grape編集部]