「犬はダメです。」 飲食店で、聴導犬が入店拒否される 補助犬の啓発イベント当日に By - grape編集部 公開:2015-10-11 更新:2018-04-20 犬補助犬 Share Post LINE はてな コメント ページ内の写真はイメージです 2015年10月3日。阪急百貨店 阪急うめだ本店では、補助犬への理解を深めるための啓発イベントが行われていました。 聴導犬普及のための活動を行うNPO法人 代表の女性も参加。彼女自身聴覚障がいがあり、聴導犬を連れていました。 イベント後、休憩をとろうと訪れた同百貨店の同じフロアにある飲食店で、彼女は衝撃的な出来事に身を震わせます。 「犬はダメです。」 喫茶店に入店しようとしたところ、言い放たれた言葉。彼女が連れている聴導犬を、飲食店の店内に伴ってはいけないという、店の対応でした。同じフロアで啓発イベントが行われていたにもかかわらずの入店拒否…。 しかも、同伴者が、補助犬ガイドブックを開いて説明しようとするも聞き入れられなかったのだそうです。最終的には、「通路にいるのならばよい」と対応されたとのこと。 続いて訪れた隣の店でも同様の対応を受け、立て続けの入店拒否となります。 百貨店の社員が赴き、飲食店の従業員へ説得を試みても聞き入れられなかったそうです。 3店めの喫茶店でようやく入店できたそうですが、女性がどれほど心に深い傷を負ったか想像に難くありません。 対応した飲食店の店員は、「店に動物を入れてはいけない」というマニュアルを順守しようとしていたのでしょうか。けして、悪意から入店を断ったわけではないのでしょうが、相手が何を訴えようとしてるのか。耳を貸す姿勢は必要だったはずです。 阪急百貨店は謝罪文をHPに掲載 10月7日、阪急百貨店はHPに謝罪文を掲載しました。 10月3日、阪急うめだ本店内の喫茶店舗におきまして、聴導犬をお連れになったお客様に対し、聴導犬の入店をお断りしてしまうという誤った対応をしてしまいました。 お客様をはじめとしまして、関係各位の皆様方に多大なるご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申しあげます。 弊社といたしましては、補助犬の受け入れを積極的に行っている施設にも関わらず、スタッフへの周知徹底ができていなかった今回の事態を厳粛に受け止め、今後このようなことを起こさないよう、改めて従業員の再教育および周知徹底を行い、再発防止に努めてまいる所存でございます。 阪急百貨店 ーより引用 女性はその日の出来事をFacebookに投稿し、人々に補助犬への理解を呼びかけています。多くの人々が共感し、投稿はシェアされていきました。 また、阪急百貨店も彼女に謝罪し、全社を挙げて補助犬の同伴拒否がないように取り組みを進めると約束をしています。 阪急百貨店だけの問題ではない この出来事は、日本社会においてはまだ、補助犬への理解度が低いと言わざるを得ない状況であることを浮き彫りにしました。「身体障害者補助犬法」で、店が補助犬の入店を受け入れることは、法的な義務と定められているのにもかかわらずです。 阪急百貨店だけの問題ではなく、日本の数々の企業・団体や、個人一人ひとりが理解を深め、自ら考えていくことが必要です。 今回声を上げた女性は、これまで多くの店舗で聴導犬を同伴しての入店を拒否をされる経験をしてきたそうです。傷ついても声を上げ続けるのは、「他の補助犬ユーザーのために引き下がれない」という想いがあるからと語ります。 盲導犬・介助犬・聴導犬、あらゆる補助犬の存在がきちんと正しく認識され、障がいを持つ人々が「理解をしてもらえない」ということで悲しまないために。私たちは、どのように取り組めばよいのでしょうか。 今回の例から考えれば、聴導犬を連れた女性への対応を行った飲食店の従業員は、もしかするとアルバイトなどの経験の浅い店員だったかもしれません。柔軟に対応するという接客態度について、店から従業員への教育が足りていなかったのかもしれないという考え方もできます。 とはいえ、従業員個人に、補助犬への理解があれば結果は変わっていたでしょう。もし、補助犬について詳しく知らなくとも、「理解をしよう」という気持ちさえあれば、ガイドブックを取り出して説明しようとしている人を無碍にしたりもしないでしょう。 知ることのきっかけづくりから 阪急百貨店でのこの出来事は、ニュースにも取り上げられ、多くの人々の目に留まりました。 皮肉なことではありますが、これをきっかけに補助犬のことを知り、自分が従業員の立場であれば接客をどうすべきだったか考えた人々も、少なからずいるはずです。 傷ついた人が流した涙を、無駄にしてはなりません。私たちは、声を上げた女性の勇気に手を差し伸べて、その声を伝えていきましょう。 特定非営利活動法人MAMIE (マミー) Facebook 俳優・火野正平さんが逝去 腰痛の治療に励むも腰部骨折に火野正平さんが亡くなったことが分かりました。ご冥福をお祈りいたします。 元プロ野球選手 清原和博容疑者、逮捕される ファンは動揺…2016年2月2日、元プロ野球選手の清原和博容疑者が、覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されました 出典 Facebook Share Post LINE はてな コメント
2015年10月3日。阪急百貨店 阪急うめだ本店では、補助犬への理解を深めるための啓発イベントが行われていました。
聴導犬普及のための活動を行うNPO法人 代表の女性も参加。彼女自身聴覚障がいがあり、聴導犬を連れていました。
イベント後、休憩をとろうと訪れた同百貨店の同じフロアにある飲食店で、彼女は衝撃的な出来事に身を震わせます。
「犬はダメです。」
喫茶店に入店しようとしたところ、言い放たれた言葉。彼女が連れている聴導犬を、飲食店の店内に伴ってはいけないという、店の対応でした。同じフロアで啓発イベントが行われていたにもかかわらずの入店拒否…。
しかも、同伴者が、補助犬ガイドブックを開いて説明しようとするも聞き入れられなかったのだそうです。最終的には、「通路にいるのならばよい」と対応されたとのこと。
続いて訪れた隣の店でも同様の対応を受け、立て続けの入店拒否となります。 百貨店の社員が赴き、飲食店の従業員へ説得を試みても聞き入れられなかったそうです。
3店めの喫茶店でようやく入店できたそうですが、女性がどれほど心に深い傷を負ったか想像に難くありません。
対応した飲食店の店員は、「店に動物を入れてはいけない」というマニュアルを順守しようとしていたのでしょうか。けして、悪意から入店を断ったわけではないのでしょうが、相手が何を訴えようとしてるのか。耳を貸す姿勢は必要だったはずです。
阪急百貨店は謝罪文をHPに掲載
10月7日、阪急百貨店はHPに謝罪文を掲載しました。
女性はその日の出来事をFacebookに投稿し、人々に補助犬への理解を呼びかけています。多くの人々が共感し、投稿はシェアされていきました。
また、阪急百貨店も彼女に謝罪し、全社を挙げて補助犬の同伴拒否がないように取り組みを進めると約束をしています。
阪急百貨店だけの問題ではない
この出来事は、日本社会においてはまだ、補助犬への理解度が低いと言わざるを得ない状況であることを浮き彫りにしました。「身体障害者補助犬法」で、店が補助犬の入店を受け入れることは、法的な義務と定められているのにもかかわらずです。
阪急百貨店だけの問題ではなく、日本の数々の企業・団体や、個人一人ひとりが理解を深め、自ら考えていくことが必要です。
今回声を上げた女性は、これまで多くの店舗で聴導犬を同伴しての入店を拒否をされる経験をしてきたそうです。傷ついても声を上げ続けるのは、「他の補助犬ユーザーのために引き下がれない」という想いがあるからと語ります。
盲導犬・介助犬・聴導犬、あらゆる補助犬の存在がきちんと正しく認識され、障がいを持つ人々が「理解をしてもらえない」ということで悲しまないために。私たちは、どのように取り組めばよいのでしょうか。
今回の例から考えれば、聴導犬を連れた女性への対応を行った飲食店の従業員は、もしかするとアルバイトなどの経験の浅い店員だったかもしれません。柔軟に対応するという接客態度について、店から従業員への教育が足りていなかったのかもしれないという考え方もできます。
とはいえ、従業員個人に、補助犬への理解があれば結果は変わっていたでしょう。もし、補助犬について詳しく知らなくとも、「理解をしよう」という気持ちさえあれば、ガイドブックを取り出して説明しようとしている人を無碍にしたりもしないでしょう。
知ることのきっかけづくりから
阪急百貨店でのこの出来事は、ニュースにも取り上げられ、多くの人々の目に留まりました。
皮肉なことではありますが、これをきっかけに補助犬のことを知り、自分が従業員の立場であれば接客をどうすべきだったか考えた人々も、少なからずいるはずです。
傷ついた人が流した涙を、無駄にしてはなりません。私たちは、声を上げた女性の勇気に手を差し伸べて、その声を伝えていきましょう。
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