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動物保護施設には、なんらかの事情で母親を失った動物の赤ちゃんが保護されることがあります。
そのような場合、人間がどれだけ手厚く世話をしても、赤ちゃんにはどうしても母親の存在が必要になることもあるようです。
母性あふれる保護猫に託された『赤ちゃん』とは?
アメリカのニューハンプシャー州にある動物保護施設『スパイシー・キャッツ』に、ハニーバンというメス猫がいます。
ハニーバンはこれまでに何十匹もの母親がいない子猫たちを育ててきた『子育てのベテラン』なのだそうです。
そんなハニーバンに、新たな赤ちゃんが託されることになりました。
生後6週間のその赤ちゃんは、猫のように見えますが、実は猫ではありません。
それはネコ科の中型獣であるボブキャット。北米に多く生息する野生動物です。
母親がいないボブキャットの赤ちゃんは別の保護施設で世話をされていたのですが、さびしさのあまり鳴き続けていたのだとか。
しかし、いずれは野生に帰すボブキャットに人間との交流や安らぎを与えることは、安全のためにできないのだそうです。
そこでスタッフは、実験的に「ハニーバンが母親代わりになれるか」ということを試しました。
ネコ科とはいえ、明らかに見た目が猫とは違うボブキャットを、ハニーバンは受け入れたのでしょうか。
結果はこちらをご覧ください。
まるで母親に甘えるように、ハニーバンに抱きついて耳を噛むボブキャットの赤ちゃん。
2匹を会わせると、ボブキャットはすぐにハニーバンのことが大好きになったそうです。
辛抱強くて優しい性格のハニーバンは、そんなボブキャットのベビーシッターを見事にこなしています。
この2匹の姿には、驚きと感動の声が上がりました。
・ハニーバンはなんて優しいお母さんだ。心温まる話だね。
・こんなに素晴らしい母親ができて、この赤ちゃんはラッキーだね。
・すべての母親と同じように、ハニーバンの顔が疲れて見えるのがちょっと笑える。
ボブキャットはまだ赤ちゃんなので、ハニーバンは耳を甘噛みされてもケガをすることはないそうです。また、常にスタッフが2匹を監視しているといいます。
数週間後には、ボブキャットはリハビリ施設にいる大人のボブキャットたちと暮らし始めるとのこと。
おそらくハニーバンは、ボブキャットがこれまで育ててきた子猫たちとはちょっと違うことに気付いているのではないでしょうか。
それでも、母親の温もりを必要としている目の前の赤ちゃんに、愛情を注いであげているのでしょう。
母性にあふれた優しい『母猫』のおかげで、ボブキャットの赤ちゃんの孤独は癒されたかもしれませんね。
[文・構成/grape編集部]