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『態々』はなんと読む? 『態々』の読み方や意味、語源、使用例も紹介!

By - COLLY  公開:  更新:

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『態々』という熟語がなんと読むかご存じですか。態度の態という字が並んでいるので、「状態や様子を表す言葉だろうか」と考えた人もいるかもしれませんね。

実は、ひらがなで書いたら知らない人のほうが少ないほどおなじみの言葉なのです。本記事では、『態々』の読み方や意味、語源や使用例についても紹介しています。

『態々』の読み方と意味

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『態々』の読み方と意味について紹介します。意外な読み方で拍子抜けするかもしれませんね。

『態々』の読み方

『態々』の読みは『わざわざ』です。『態』という漢字は、音読みで『タイ』、訓読みで『態と(わざと)』。漢字だけ見るとネガティブな印象を受けますが、果たしてどうなのでしょうか。

『態々』の意味

『態々』の意味は2つあります。

  1. ほかの行動と一緒に、もしくは何かをするついでに行うのではなく、特にそのためだけに行動すること。
  2. 故意に、わざと、意図して行う。しなくてもよいのにあえてする様子。

あまりよい意味で使う言葉ではなさそうですね。なお、『態々』は副詞で、述語を修飾する言葉です。

『態々』の語源

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『態々』の語源ははっきりとしていません。『態々』は、しなくてもよいことまでしようとする人の姿を表現しているかのように見えます。打算やあざとさが見え隠れしているような雰囲気にも感じられるかもしれません。

『態々』の言い換え表現

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『態々』の言い換えができそうな表現を紹介します。使い分けをおぼえて、いろいろな表現を身に付けましょう。

『遠路はるばる』

『遠路(えんろ)はるばる』とは、非常に遠い場所から時間をかけて来てくれたという意味合いで使われます。

「態々、(苦労しなくてもいいのにもかかわらず)自分のために来てくれた」という気持ちを込めて使うこともできますよね。プライベートでもビジネス上でも使える表現です。

例えば、国外の地域に住んでいながら、自分の結婚式のために日本に来てくれたという意味でも使えますよね。

『態々』は使い方によってはあまりよい意味を持たない言葉ですが、『遠路はるばる』は遠くから長旅をした相手に対する感謝の気持ち、骨折りをいたわる気持ちを伝えられます。

仕事で遠くから会社に訪問してくれたビジネス上の相手なら、相手に対する敬意を含ませることもできるでしょう。

ただ、1つ注意が必要なことがあります。それは、距離があまり離れていない場所から訪れた人に対しては『遠路はるばる』を使うと嫌味になる可能性があることです。

それほど離れた場所でないなら、「お時間をさいていただいて恐縮しております」「お忙しいところをありがとうございます」といった表現にとどめたほうがよいでしょう。

『殊更(ことさら)』

『殊更』の意味は2つあります。

  1. (考えがあって)わざと、故意に。
  2. 格別に、特に、とりわけ。

1の意味で使う場合、『態々』の言い換え表現ができます。

例えば、「ことさら行く必要もないので、後にしてもらえないか」という使い方ができますね。2つ目の意味で使う場合は、「今年の冬は殊更寒い」というように使います。どちらかというと、2の用例のイメージが強いかもしれませんね。

『折角』

『折角』は『せっかく』と読みます。2つの意味があります。

  1. (困難を押しのけて)無理にでも行う様子、苦労して、わざわざ~する。
  2. (『折角の』の後に名詞を付けて)滅多に起きない幸運な状況を大事に思う。

どちらかといえば、1つ目の意味が『態々』に近い意味でしょう。『態々』が目的を持ってやらなくてはよいのにあえて行動することをいいます。しかし、『折角』は苦労をいとわずに相手のために尽くす様子が見えるようですね。

2つ目の意味は『折角のチャンス』『折角の休みの日』といったなかなか合わない幸運を表す語です。多くは「折角のチャンスを逃してしまった」「折角の休みの日が急用でつぶれてしまった」というように、運の悪さを嘆くような意味で使うことが多いようです。

『態々』の使い方と例文

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『態々』の使い方を例文を交えて紹介します。ポジティブな印象を与える使い方とネガティブな印象を与える使い方について見ていきましょう。

『態々』の使い方

『態々』はもともと、あまりよくない意味を持った言葉です。しかし、昨今では「わざわざ~をしてくれた」というように嫌なことをわざと進んでしてくれて、感謝の気持ちを込めて使う例も増えてきました。

ただし、やはりネガティブな意味合いが強いので抵抗を感じる人もいるかもしれません。『態々』というと『おせっかいな人』『厭味ったらしい人』という意味で非難めいた印象を与える可能性もあります。

『態々』の例文

ポジティブな意味で使う例は以下の通りです。

  • 大変だっただろうに、態々ポストまで投函しに行ってくれてありがとう。
  • 忙しい中、態々やってくれて助かった。

ネガティブな意味で使う例は以下の通りです。

  • 仕事をサボってまで、態々おつかいに出なくていい。
  • 態々こちらの仕事を手伝わなくても、自分の仕事に集中していい。

使う状況によって、印象が変わりますね。同じ言葉でも使い方で相手を傷つける凶器にも、心を癒やすものにもなります。使い方には十分に注意が必要です。

『態々』を使う時の注意点

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『態々』を使う場合、注意したいことがあります。使う時には細心の注意を払い、相手に嫌な思いをさせないように気を配りましょう。表記についても気を付ける点を紹介します。

失礼にならないように気を付ける

『態々』は、目上の相手にはあまり使わないほうがいいかもしれません。もともとの意味がネガティブな意味合いが強く、敬語を使ったとしても誤解されてしまう恐れがあります。取引先であれば恥をかくだけでなく、失礼な印象を与える恐れもあるでしょう。

また、相手のやったことに対して、感謝の意味で使ったのにもかかわらず、否定の意味で取られかねない場合もあります。あまりにも『態々』を使うと嫌味に取られる場合もあるようです。ここぞという場合に『態々』を使い、何度も使わないように注意しましょう。

もし、相手の行動に対して否定的に使うのであれば、忠告するつもりで『態々』を使ってください。相手が無理をしてでも行動したのにもかかわらず、無駄骨に終わってしまうのは「非常にもったいない。やめたほうがいい」という形で話を持っていきましょう。

ひらがなで書いたほうが分かりやすい場合もある

会話で『態々』を使う場合はあまり気にならないでしょう。しかし、手紙の中で『態々』と書くと、どのように読むのか分からず、相手を困らせてしまう可能性があります。

書き言葉では『わざわざ』と書いたほうが分かりやすく、手紙の文面も頭に入りやすいでしょう。

『態々』の英語での表現

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英語での『態々』の表現は以下の通りです。

  • taking the trouble to

Thank you for taking the trouble to send the item.

(態々商品をお送りくださってありがとうございます)

  • I was glad that you took the trouble to write me a letter.

(態々お手紙をいただいて嬉しかったです)

  • go out of his way

A friend went out of his way to send me a wedding gift.

(友人がわざわざ結婚祝いを贈ってくれました)

『態々』の読み方と意味を知って使えるようにしよう

『態々』という熟語を漢字で見ることは少ないですが、ひらがなであれば使う機会も多いでしょう。正しい意味や適切な使い方を知って活用できるようにするのをおすすめします。場合によって、漢字とひらがなを使い分けて、その状況に応じて使えるようにしましょう。


[文・構成/grape編集部]

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