大根の旬は寒〜い冬! 旬の食材を効果的に使い切る3つのポイント
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寒い冬、冷たい土の中で育つ野菜のひとつに大根があります。大根はさまざまな品種があり、春や夏でも育ちますが、みずみずしく甘みがあるのは冬に収穫されたもの。つまり、大根は今が最高においしい時期なのです。
大根は煮ても焼いても生でも食べられて、ほぼ捨てるところがない“スーパーエコ野菜”。中でも、究極のシンプルな料理ともいえる、大根おろしに迫ってみました。
胃腸に優しい大根おろし
夏よりも冬に収穫される大根のほうがなぜ甘いのか、知っていますか?
大根はほとんどが水分です。厳しい寒さの中で育つと水分は凍ってしまいますが、大根は自分が凍らないように水分を糖に変えて寒さに耐えるので甘くなるのです。
1月7日に食べる七草粥に入っている春の七草のひとつ「すずしろ」とは大根のことです。
大根には「ジアスターゼ」という、でんぷんを分解する酵素が多く含まれています。消化を助けるはたらきがありますので、七草粥に大根が入っているのはお正月疲れが出た胃腸を休める意味でも、理にかなっているというわけ。
ただ、ジアスターゼは熱に弱いので加熱するとその効果が弱まってしまいます。効果的にとるならば、大根おろしが一番!
焼き魚に添えられたり、和風ハンバーグや蕎麦に乗っていたり、きのこと和えてあったり……見た目だけでもヘルシーなイメージの大根おろしが消化を助けて胃腸に優しいはたらきをすると聞けば、積極的に取り入れたい食材ですね。
大根おろしの何がすごいの?
さらに、大根おろしがすごいのは、すりおろすことで生じる成分があることです。
細胞をすりおろして分解することにより、酵素の「ミロシナーゼ」が「イソチオシアネート」を生成します。これには殺菌作用や抗酸化作用があるといわれ、ワサビやキャベツなどにも含まれている辛み成分として知られています。
大根をすりおろすのは食べる直前が効果的。時間が経ってしまうと、せっかくの辛み成分やビタミンCなどが減少してしまいます。
使う部分はどこでもOKですが、皮に近い部分にミロシナーゼがあるため、皮を厚く剥くと甘い大根おろしになります。比較的かたい首の部分はサラダにしても美味しいところ。真ん中は柔らかいので、おでんやふろふき大根などの煮物にもぴったりです。先端は皮が多く辛みが強いので、お味噌汁の具や漬物などにするほか、辛い大根おろしが欲しい場合の薬味にどうぞ。
ちなみに、ピリっとした辛みを持つ「カイワレ大根」は、大根のベビー。つまり発芽したばかりのスプラウトなのですが、赤ちゃんでもすでに辛みがあるなんてびっくりですね。
大根おろしを使ったオススメの料理
たっぷりの大根おろしを使う冬の料理といえば、「みぞれ鍋」。
火が通って半透明になった大根おろしは雪のようですが、せっかくのジアスターゼが効率よく取れないのが難点です。ただ、加熱すると甘みは増すので、大根おろしの甘さを味わいたい方は、すりおろしたらすぐに加熱するのがオススメ。
ちなみに、ジアスターゼを効果的に摂取するには、寄せ鍋などをした後、最後に大根おろしを加えて食べるのがよいようですよ。
また、おかずが一品足りないときなど、簡単に作れるのが「みぞれ和え」です。
サっとつくれてさっぱり美味しく食べられ、お酒のつまみにもなるので、レパートリーに入れておくと重宝します。作り方は、ナメコやシラスなどのお好みの食材を、ポン酢やお醤油などで味付けした大根おろしであえるだけ。青菜などを使って彩りよく仕上げるのがコツです。うどんやパスタに和えて食べても美味しそうですね。
大根おろしは下処理にも利用可能
大根おろしはそのまま食べるだけでなく、お料理の下処理に利用することもできます。
◆生牡蠣の汚れや臭み取りに
生牡蠣(むき身)に大根おろしをまぶして臭みや汚れを取ります。優しく混ぜていくうちに大根おろしが灰色になったら汚れが移った証拠。水で大根おろしをやさしく洗い流せばOKです。
◆タケノコのあく抜きに
タケノコのあく抜きはヌカを使うことが知られていますが、ヌカがないときなどに役立ちそうですね。
水と塩(小さじ1程度)を合わせたものに大根おろしを混ぜます。皮をむいて適度な大きさにカットした生のタケノコを入れて1時間以上浸しておくとアクが抜けるそうですよ。
今が旬の大根の栄養素を余すことなくいただける「大根おろし」。下処理にも使えるのは便利ですが、ちょっともったいない気も。そんなときは辛すぎて食べられない大根おろしを利用するといいですね。なかなかそう都合よくいかないかもしれませんが、気になる方はぜひ試してみてくださいね。
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