ブラック企業よりひどい?「西陣織を仕事にしたい人を募集します 給与出ません」 By - grape編集部 公開:2017-03-17 更新:2018-05-28 伝統工芸就職日本文化 Share Post LINE はてな コメント りんどう屋さんに向けてたくさんの攻撃的な言葉が投げつけられるのを見て、「なぜ批判されているのか」と首を傾げた人の声もまた、多く投稿されました。 技術を身に付けるには時間もお金もかかるのに、なぜブラック企業だなんて発想するのだろう 入ってから「こんなはずじゃ」となるケースもあるから、先に「無給です」と言っている。それでも、という気概がある人だけ応募すればよい 噛みついている人は応募する気がないのに、なぜ文句を言っているの… さらに、「こうしたらよいのでは」とアドバイスが続々と届きます。 職人としてではなく、趣味や習いごととして伝統文化の継承を目指してみては 授業料をとって、生徒を集めたほうがよい 弟子の給料をクラウドファンディングで資金調達してみては TV番組で紹介してもらうのはどうでしょう ツイートには大きな誤解があった 実は、りんどう屋さんのツイートには大きな誤解があったようなのです。 「住み込みでまかないつきなのでしょうか?」という質問に対して、りんどう屋さんはこう答えています。 先ずは、京都にて自立されてその生活の余裕の中で仕事を覚えていただきたいです。仕事の掛け持ちみたいになるかと思いますが、生活が破綻しない範囲で技術継承を考えています。もちろんその頃には当店に働くことで自立出来るよう努力します。 @Rindouya ーより引用 まずは自立してもらうこと。その上で技術を身に付けてほしいということなのです。 「1日8時間×週に5日、無給で働いて仕事を覚えて」という募集ではありません。 りんどう屋さんにとっても、若手の育成がノーリスクなわけではありません。無給でお手伝いが雇える、というのは誤解。 技術を教える際には手が取られ、本来やるべき仕事に割く時間がなくなります。手が動かせない分、収入は減ってしまうのです。 職人の高齢化で技術が失われていく危機 りんどう屋さんによると、西陣織に従事している織り手は京都市内で500人以下、京都府下で千人以下とのことです。 平均年齢は75歳と、高齢。70代以上の職人が半分以上を占めています。若い職人は限りなく少なく、あと数年で高齢の職人は仕事ができなくなるので、今から若手の育成を始めないと「間に合わない」と言う現実があります。 職人の高齢化で、年金を受給しながら仕事をしている職人と、若い職人の工賃が一緒にされてしまい、職人を辞めていく人も多くいるそうです。 今は苦しくても、「何とかお給料が払えるようにしたい」と、りんどう屋さんは奮闘しています。 社会に必要とされる物づくりを目指し、流通や取引先を開拓したり、例えば同人誌ならぬ「同人帯」を作って販売することも考えているそうです。また、将来は西陣織りの学校を作りたい、とも。 五年前、サラリーマンしながら親から継承した家と機場と借金に押しつぶされそうになりながら何とかお金の返済をしていた時は、いつ織物に戻れるだろうか?という先の見えない真っ暗なトンネルを歩いてる気分だった。でもその時にいろいろ大小ながらも手を差し伸べて助けてくれた人に返したい恩がある。— りんどう屋 京都西陣織伝統工芸士 (@Rindouya) 2017年3月13日 西陣織への並々ならぬ思いを持って仕事に取り組んでいるりんどう屋さん。この方であれば、きっと日本が誇れる技術を次の世代に受け継いでいってくれることでしょう。 今回の件をきっかけにしてりんどう屋さんのことを知り、同じように強い思いを持った弟子が現れるようにと、多くの人たちが応援しています。 @ocean_kids 力織機はこんな感じ pic.twitter.com/AfFAuOlRg7— りんどう屋 京都西陣織伝統工芸士 (@Rindouya) 2017年3月15日 その後… 情報を拡散した人、批判した人、多くのコメントが寄せられたこの出来事。 その結果、なんと弟子を新たに3人とることができたそうです! 昨年の弟子募集ツイートの反響(炎上)のおかげで、門を叩いてくれた方の中から弟子を3人増やし、その弟子たちの仕事の場を作る為に、住居兼工場を売り、工場の移転拡充へと動いております。引き続き皆様のご声援よろしくお願いします。昨年炎上した詳細は以下参照くださいhttps://t.co/x9vkfOEJgu— りんどう屋 京都西陣織伝統工芸士 (@Rindouya) March 23, 2018 [文・構成/grape編集部] 1 2 出典 @Rindouya Share Post LINE はてな コメント
りんどう屋さんに向けてたくさんの攻撃的な言葉が投げつけられるのを見て、「なぜ批判されているのか」と首を傾げた人の声もまた、多く投稿されました。
さらに、「こうしたらよいのでは」とアドバイスが続々と届きます。
ツイートには大きな誤解があった
実は、りんどう屋さんのツイートには大きな誤解があったようなのです。
「住み込みでまかないつきなのでしょうか?」という質問に対して、りんどう屋さんはこう答えています。
まずは自立してもらうこと。その上で技術を身に付けてほしいということなのです。
「1日8時間×週に5日、無給で働いて仕事を覚えて」という募集ではありません。
りんどう屋さんにとっても、若手の育成がノーリスクなわけではありません。無給でお手伝いが雇える、というのは誤解。
技術を教える際には手が取られ、本来やるべき仕事に割く時間がなくなります。手が動かせない分、収入は減ってしまうのです。
職人の高齢化で技術が失われていく危機
りんどう屋さんによると、西陣織に従事している織り手は京都市内で500人以下、京都府下で千人以下とのことです。
平均年齢は75歳と、高齢。70代以上の職人が半分以上を占めています。若い職人は限りなく少なく、あと数年で高齢の職人は仕事ができなくなるので、今から若手の育成を始めないと「間に合わない」と言う現実があります。
職人の高齢化で、年金を受給しながら仕事をしている職人と、若い職人の工賃が一緒にされてしまい、職人を辞めていく人も多くいるそうです。
今は苦しくても、「何とかお給料が払えるようにしたい」と、りんどう屋さんは奮闘しています。
社会に必要とされる物づくりを目指し、流通や取引先を開拓したり、例えば同人誌ならぬ「同人帯」を作って販売することも考えているそうです。また、将来は西陣織りの学校を作りたい、とも。
西陣織への並々ならぬ思いを持って仕事に取り組んでいるりんどう屋さん。この方であれば、きっと日本が誇れる技術を次の世代に受け継いでいってくれることでしょう。
今回の件をきっかけにしてりんどう屋さんのことを知り、同じように強い思いを持った弟子が現れるようにと、多くの人たちが応援しています。
その後…
情報を拡散した人、批判した人、多くのコメントが寄せられたこの出来事。
その結果、なんと弟子を新たに3人とることができたそうです!
[文・構成/grape編集部]