「自分の判断ですべて捨てて」 羽生さんが子どもに向けた言葉に、ハッとする
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学校で受けた道徳の授業がどんなものだったか、覚えていますか。
物語の登場人物の気持ちをいい合ったり、動画の感想文を書いたりしたことのある人が多いようです。
しかし、本当に自分の頭で考えていたのかというと疑問があるもの。
「大人が子どもにいってほしいと思っている言葉を答えていた」という声も、ネット上には散見されます。
「子どもたちには、自分で考える力を付けてほしい」
そんな親の想いに応える本が登場しました。
「自分なりの答え」を考え出したくなる
子どもを取り巻く問題はさまざま。
いじめや、友達、家族などの問題は、簡単に答えを出すことができません。
そんな普遍的な問題を考える書籍『答えのない道徳の問題 どう解く?』(ポプラ社)が、2018年3月23日に発売されました。
本書は、シンプルな絵と言葉の組み合わせで、子どもたちにも分かりやすく問いかけます。
巻末には書き込み式のワークシートが付いているため、子どもが自分の考えを書いてまとめたり、親子の対話を記録したりすることが可能。
子どもが「自分なりの答え」を見つける手助けをしてくれます。
考えるためのヒントも収録
しかし、「さあ考えよう」といわれても思考がまとまらない子もいるでしょう。
また、いろいろな意見を聞いてみたいという子もいるはず。
そこで本書の後半には、実際に質問に答えた子どもたちの声や、各界の著名人の考えが収録されています。
勉強についての質問には、棋士の羽生善治さんが答えています!
「べんきょう」について
勉強が嫌いな子の疑問には…。
「人が嫌がることはしちゃダメ!」といいながら、勉強を押し付けてくるお母さんに不満があるようです。
この問いを見た子どもたちは、「子どもがテストで悪い点を取るのが、恥ずかしいんじゃないの」「大人は勉強が好きなのかな」など、さまざまな方向から考えています。
羽生さんの答えは、どんなものだったのでしょう。
「お母さんは、世界のたくさんのことを知ってほしいのです」
子どものためを想って、子どもに勉強をさせるお母さん。
大人になった時に、必要な知識といらなかった情報とを整理できるので、まずはたくさん吸収することが大切なのですね。
もちろん、羽生さんの答えは考えかたの1つ。
ここから、子どもがさらに考えを深めていけるといいですね。
たくさんの著名人が参加した1冊
本書には羽生さんだけでなく、以下の著名人の解答例が載っています。
【問いかけ一覧&参加著名人】
・「たべもの」について:平松 洋子さん(エッセイスト)
・「うそ」について:谷川 俊太郎さん(詩人)
・「びょうどう」について:那須 正幹さん(児童文学作家)
・「ゆめ」について:水谷 隼さん(卓球選手)
・「せいぎ」について:増田 ユリヤさん(ジャーナリスト)
・「いのち」について:坂東 元さん(旭山動物園園長・獣医師)
・「かぞく」について:汐見 稔幸さん(教育学者)
・「せんそう」について:池上 彰さん(ジャーナリスト)
・「べんきょう」について:羽生 善治さん(棋士)
・「らしさ」について:ミッツ・マングローブさん(歌手・タレント)
・「いじめ」について:大野 更紗さん(作家・社会学者)
・「すき」について:能町 みね子さん(エッセイスト・イラストレーター)
・「ともだち」について:尾木 直樹さん(教育評論家)
総勢13名。どんな解答を寄せたのか、とても気になりますね!
大人も改めて考えたくなる問いが詰まった1冊。
子どもとじっくり話し合うきっかけにしてはいかがでしょうか。
『答えのない道徳の問題 どう解く?』(ポプラ社)
文・やまざき ひろし+小学生のみんな
絵・きむら よう
絵・にさわだいら はるひと
Amazonで見る
[文・構成/grape編集部]