映画『万引き家族』に、議員が「観たくもない」 理由に批判が相次ぐ By - grape編集部 公開:2019-01-25 更新:2019-01-25 アカデミー賞 Share Post LINE はてな コメント 第91回アカデミー賞において、外国語映画賞にノミネートされた是枝裕和監督の『万引き家族』。 外国語映画賞に日本映画がノミネートされるのは、2009年に同賞を受賞した滝田洋二郎監督の『おくりびと』以来、10年ぶりの快挙です。 同作は、未就学児童の問題や年金の不正受給など、登場人物は現代社会が抱える問題の当事者として描かれています。 そのため、公開当初から「犯罪を助長する」「日本のイメージを下げる」といった批判の声が上がっていました。 アカデミー賞にノミネートにされたことで、祝福や受賞を期待する声が上がる一方、そうした批判が再燃してしまっているのも事実。 そんな中、群馬県伊勢崎市議会の伊藤純子議員のツイートが、賛否両論を呼んでいます。 問題となっている伊藤議員のツイート 『万引き家族』のアカデミー賞候補入りを報じるツイートに対して「諸外国に、日本の誤ったメッセージを発信しかねない」「学校に通えない児童はいない」と、応じた伊藤議員。 現代日本で、小学校に通えない児童などいません。たとえ「貧困」と言われる家庭であれ、学校に通えない児童など存在しません。万一、就学実態が確認できなければ、話題になり、ニュース報道されます。この映画は諸外国に誤ったメッセージを発信しているようなもの。日本はそんな悪い国ではありません。— 伊勢崎市議会議員 伊藤純子 (@110junkoito) January 22, 2019 しかし、伊藤議員の意見に対して矛盾を指摘する声が相次いでいます。 日本において、学校に通えない子どもはいるのか 2017年8月に文部科学省が発表した調査によると、無戸籍の子どもで就学していない割合は0%。 しかし、学校に通えない子どもたちに焦点を当てた番組や書籍も多く、『教育格差』が問題視されることは珍しくありません。 実際、同調査によると、就学しているものの不登校状態になっている割合は1.5%で、未就学期間がある子どもの割合は2%との報告があり、「小学校に通えない児童などいない」とする伊藤議員の意見には、疑問を抱かずにいられません。 そもそも『万引き家族』において『貧困』はテーマの1つにすぎず、同作で是枝監督が伝えたかったことのすべてではないはずです。 伊藤議員の意見に反論する人の中には、「映画を見た上での意見だとしたら、理解力がない」と指摘する人も。 そうした声に対して、伊藤議員は「観たくもありません」とし、その理由をこう説明しています。 映画ビジネスに名を残す目的で作品を手がけるような監督の映画など、観たくもありません。むしろ、喫緊の課題に直視する教職員や無償で任務にあたる地域の民生委員や保護司の方々に敬意を表したい。— 伊勢崎市議会議員 伊藤純子 (@110junkoito) January 24, 2019 『万引き家族』に対する意見はさまざまあるでしょう。 しかし、ただ批判して終わるのではなく、日本社会が抱える問題について考え直すきっかけになってほしいものです。 [文・構成/grape編集部] 元プロ野球選手 清原和博容疑者、逮捕される ファンは動揺…2016年2月2日、元プロ野球選手の清原和博容疑者が、覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されました 「嬉しい報告があります!」長友佑都が妻・愛梨の妊娠を発表2017年9月2日、長友佑都さんがブログを更新。妻・愛梨さんが第一子を妊娠したことを発表しました。 出典 @110junkoito/文部科学省『無戸籍の学齢児童生徒の就学状況に関する調査の結果について』 Share Post LINE はてな コメント
第91回アカデミー賞において、外国語映画賞にノミネートされた是枝裕和監督の『万引き家族』。
外国語映画賞に日本映画がノミネートされるのは、2009年に同賞を受賞した滝田洋二郎監督の『おくりびと』以来、10年ぶりの快挙です。
同作は、未就学児童の問題や年金の不正受給など、登場人物は現代社会が抱える問題の当事者として描かれています。
そのため、公開当初から「犯罪を助長する」「日本のイメージを下げる」といった批判の声が上がっていました。
アカデミー賞にノミネートにされたことで、祝福や受賞を期待する声が上がる一方、そうした批判が再燃してしまっているのも事実。
そんな中、群馬県伊勢崎市議会の伊藤純子議員のツイートが、賛否両論を呼んでいます。
問題となっている伊藤議員のツイート
『万引き家族』のアカデミー賞候補入りを報じるツイートに対して「諸外国に、日本の誤ったメッセージを発信しかねない」「学校に通えない児童はいない」と、応じた伊藤議員。
しかし、伊藤議員の意見に対して矛盾を指摘する声が相次いでいます。
日本において、学校に通えない子どもはいるのか
2017年8月に文部科学省が発表した調査によると、無戸籍の子どもで就学していない割合は0%。
しかし、学校に通えない子どもたちに焦点を当てた番組や書籍も多く、『教育格差』が問題視されることは珍しくありません。
実際、同調査によると、就学しているものの不登校状態になっている割合は1.5%で、未就学期間がある子どもの割合は2%との報告があり、「小学校に通えない児童などいない」とする伊藤議員の意見には、疑問を抱かずにいられません。
そもそも『万引き家族』において『貧困』はテーマの1つにすぎず、同作で是枝監督が伝えたかったことのすべてではないはずです。
伊藤議員の意見に反論する人の中には、「映画を見た上での意見だとしたら、理解力がない」と指摘する人も。
そうした声に対して、伊藤議員は「観たくもありません」とし、その理由をこう説明しています。
『万引き家族』に対する意見はさまざまあるでしょう。
しかし、ただ批判して終わるのではなく、日本社会が抱える問題について考え直すきっかけになってほしいものです。
[文・構成/grape編集部]