『自分の歌』を書くことで、人生に新しい物語を創っていく By - 吉元 由美 公開:2022-10-02 更新:2022-10-02 エッセイ吉元由美 Share Post LINE はてな コメント 吉元由美の『ひと・もの・こと』 作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。 たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。 『自分の歌』を創るという物語 今日は主宰している『ソングライティング・クラス』の受講生作品のレコーディングでした。クラスでは作詞法、感性を磨くワークなどを取り入れながら、歌詞の添削を重ねて作品に仕上げていきます。 わずか20行、30行の歌詞ですが、そこには1篇の短編小説ほどの物語が凝縮されています。 すべてを言葉にすることができない代わりに、比喩や情景描写、心情だけではなく、行間や余韻にも言葉がこめられています。もちろん、音楽も物語を語ります。 そして、聴き手の心に響き、聴いた人の数だけの物語が生まれる。自分のワールドに浸れるのが、音楽の楽しみです。 希望があれば、歌詞に曲をつけ、本格的なレコーディングをするプログラムもあります。 私のクラスの強みは、『ヒット曲を出した作曲家』に曲をつけてもらい、プロのアーティストに歌ってもらうこと。 もちろん自分が歌う場合もあります。「歌を書く」というのは、多くの人にとって憧れです。 そんな憧れをかたちにし、人生を彩る体験をしてもらいたいと思い、このレコーディング・プログラムを始めました。 今日は2曲のレコーディング。記憶が曖昧になっていく母親を思う歌、林住期とも言える人生の後半に出会った、愛する人への歌の2曲です。ここに作者の人生の物語があります。 もちろん、作品にするにあたっての作りこみがあるとはいえ、作品にこめた思い……言い方を変えると、書かずにはいられなかった作者の思いがあるのです。 私も作詞家として『熱』をこめて書きますが、クラスで書いた歌詞に曲をつけてもらい『歌』として残したいという『熱』には、また違う熱さがあります。 これまでに10作品ほどレコーディングしました。高校生の息子さんを交通事故で亡くされたKさんは、その悲しみを2曲の歌にこめました。 このことがきっかけで、小さなライブを開催し、歌を通して同じような悲しみの中にいる人たちと思いを分かち合いました。 若い頃から音楽が好きで、いつか自分の歌を歌いたいと思っていたMさんは、定年退職後にライブ活動を始めました。 みんな『自分の歌』を書くことで、それぞれの人生に新しい物語を創っていったのです。これも歌の力なのでしょう。 これまでに1000曲ほどの歌詞を書いてきましたが、考えてみると私は『自分の歌』は書いていないのです。 アーティストに提供した歌詞にちょっとずつこめてはいましたが、自分のための歌はありません。 いつか、自分のためにこのテーマを!という熱が湧き上がってきたとき、書いてみようか。人生を新しい物語で彩るために。 誰に曲をお願いし、誰に歌ってもらうか。想像をめぐらせるだけでわくわくしてきました。 吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY 作品集 ※記事中の写真はすべてイメージ 作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー [文・構成/吉元由美] 吉元由美 作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。 ⇒ 吉元由美オフィシャルサイト ⇒ 吉元由美Facebookページ ⇒ 単行本「大人の結婚」 高畑充希、自宅にまさかの俳優が来て? 「笑った」「新婚のイブだぞ」高畑充希さんの自宅に訪れた、サンタの様子に注目が集まりました。 ダイアン津田、新幹線で目が覚めると隣の乗客からペーパーナプキンを渡され…新幹線で寝ていた『ダイアン』の津田さん。目を覚ますと隣の席の乗客からペーパーナプキンを渡され…? Share Post LINE はてな コメント
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
『自分の歌』を創るという物語
今日は主宰している『ソングライティング・クラス』の受講生作品のレコーディングでした。クラスでは作詞法、感性を磨くワークなどを取り入れながら、歌詞の添削を重ねて作品に仕上げていきます。
わずか20行、30行の歌詞ですが、そこには1篇の短編小説ほどの物語が凝縮されています。
すべてを言葉にすることができない代わりに、比喩や情景描写、心情だけではなく、行間や余韻にも言葉がこめられています。もちろん、音楽も物語を語ります。
そして、聴き手の心に響き、聴いた人の数だけの物語が生まれる。自分のワールドに浸れるのが、音楽の楽しみです。
希望があれば、歌詞に曲をつけ、本格的なレコーディングをするプログラムもあります。
私のクラスの強みは、『ヒット曲を出した作曲家』に曲をつけてもらい、プロのアーティストに歌ってもらうこと。
もちろん自分が歌う場合もあります。「歌を書く」というのは、多くの人にとって憧れです。
そんな憧れをかたちにし、人生を彩る体験をしてもらいたいと思い、このレコーディング・プログラムを始めました。
今日は2曲のレコーディング。記憶が曖昧になっていく母親を思う歌、林住期とも言える人生の後半に出会った、愛する人への歌の2曲です。ここに作者の人生の物語があります。
もちろん、作品にするにあたっての作りこみがあるとはいえ、作品にこめた思い……言い方を変えると、書かずにはいられなかった作者の思いがあるのです。
私も作詞家として『熱』をこめて書きますが、クラスで書いた歌詞に曲をつけてもらい『歌』として残したいという『熱』には、また違う熱さがあります。
これまでに10作品ほどレコーディングしました。高校生の息子さんを交通事故で亡くされたKさんは、その悲しみを2曲の歌にこめました。
このことがきっかけで、小さなライブを開催し、歌を通して同じような悲しみの中にいる人たちと思いを分かち合いました。
若い頃から音楽が好きで、いつか自分の歌を歌いたいと思っていたMさんは、定年退職後にライブ活動を始めました。
みんな『自分の歌』を書くことで、それぞれの人生に新しい物語を創っていったのです。これも歌の力なのでしょう。
これまでに1000曲ほどの歌詞を書いてきましたが、考えてみると私は『自分の歌』は書いていないのです。
アーティストに提供した歌詞にちょっとずつこめてはいましたが、自分のための歌はありません。
いつか、自分のためにこのテーマを!という熱が湧き上がってきたとき、書いてみようか。人生を新しい物語で彩るために。
誰に曲をお願いし、誰に歌ってもらうか。想像をめぐらせるだけでわくわくしてきました。
吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY 作品集
※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」