ファストフード店の前に捨てられた犬 誰も飼い主を責めなかった『理由』とは…?
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寒さが厳しいアメリカのイリノイ州にあるファーストフード店の前で、リードにつながれた1匹の犬が見つかりました。
近くに飼い主らしき人はおらず、見つけた人が犬をよく見ると、首輪にメモが挟んであったのです。
そのメモにはこう書かれていました。
こんにちは。僕はキングです。僕はいい子で、ハグとキスが大好きです。
誕生日 2018年7月22日
このメモの内容で、キングが意図的にこの場所に捨てられたことは明らかでした。
親切な人が警察に知らせて、キングは保護されます。
警察はFacebookで、人懐っこい笑顔を見せるキングの写真を紹介。
「心が痛みます。この犬がどこに住んでいるか、知っている人は警察にご連絡ください」と、飼い主についての情報提供を呼びかけました。
このような場合、多くの人が「飼い主が愛犬を捨てた」と推測するでしょう。
しかし、事実は違ったのです。
警察の投稿の2日後、警察から協力を依頼された動物保護団体『サウス・サバーバン・ヒューメイン・ソサエティ』もキングについて投稿しました。
警察の投稿が拡散されたことで、キングの飼い主さんがすぐに名乗り出たのです。
飼い主であるクルーズさんは大きなケガをした後、後遺症で働くことができず、家族の元に身を寄せながら生活を立て直そうとしていたそう。
ところが、彼女の知らないうちに、家族がキングを捨ててしまったのです。
クルーズさんはキングのおもちゃやおやつを持って施設を訪れて、涙ながらに何が起きたのかを語ったとのこと。
彼女がどれほどキングを愛しているかを知った施設のスタッフは、キングを一時的に預かり、彼女たちが再び一緒に暮らせるように手助けを申し出ました。
そして約1週間後、彼女はキングと再会できたのです!
大喜びするキングの姿からは、どれほどクルーズさんのことが好きなのかが伝わりますね。
クルーズさんは一時的にキングと一緒に暮らせる住まいを見つけることができたそうです。
この出来事について投稿した警察と『サウス・サバーバン・ヒューメイン・ソサエティ』は、まったく同じ言葉をつづっています。
「私たちは優しさを選びます」
犬を捨てた飼い主を非難するのではなく、同情し、助けの手を差し延べた警察と動物保護団体には、称賛の声が上がりました。
また、クルーズさんを支援するための寄付金を募るウェブサイトには、多くの寄付が寄せられています。
さまざまな事情によって愛するペットを手放さなくてはならないことは、誰にでも起こりえるでしょう。
そんな時に、飼い主を非難するのではなく、一緒に解決策を考えることで、最善の策が見つかることもあるかもしれません。
クルーズさんとキングが、これからもずっと一緒に暮らしていけるといいですね。
[文・構成/grape編集部]