海賊を更生させ漁師に ソマリア沖の海賊を壊滅させた「すしざんまい」社長
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ここ十数年、世界で問題になっていたソマリア沖の海賊被害。小型銃やロケットランチャーなどで武装し貨物船などを襲撃、世界経済に打撃を与えるほどの大きな問題になっていました。
年間約300件ほどの海賊被害が起こっていたソマリア沖でしたが、ここ3年で海賊被害がゼロになったのです。
出典:外務省
他と比べると群を抜いて被害の多かったソマリア沖で、いったい何が起こったのでしょうか?
海賊を壊滅させた男、木村清
ソマリア沖で起こっていた海賊被害、これをゼロにしたのは「すしざんまい」の社長、木村清(きむらきよし)さんです。
マグロ解体のパフォーマンスや新年のマグロ初競りなどで、自らが「すしざんまい」の広告塔になっている木村社長。
テレビなどでは木村社長の派手な部分がピックアップされますが、現場の意見に耳を傾け、自ら漁港まで行って仕入れをするなど、常に最前線で仕事をする姿は社員からの信頼も厚いそうです。
海賊壊滅の経緯
もともとソマリア沖はキハダマグロがよく獲れる漁場。しかし海賊が出るようになると、怖くて誰も近付かなくなったそうです。
そこで一肌脱いだのが木村社長。つてを頼りに、誰も話したことがないという海賊に会いに行き、話し合いをしました。
「好きで海賊をやってるわけじゃない」
そこで海賊たちから聞いたのは、「自分たちだって好きで海賊をしているわけではない。内戦で国を失い、生活のために海賊になった」という切実な心の声。
それを聞いた木村社長は、『だったらこの海でマグロを獲って、そのお金で大切な家族を養おう』と海賊たちに提案したのです。さらにマグロ漁業に必要な技術や船、冷凍倉庫などもすべて用意し、IOTC(インド洋まぐろ類委員会)の加盟も手助けしました。
ジブチ政府から勲章
その後、ソマリア沖での海賊被害は激減。木村社長の功績は、ソマリアと接するシブチ政府から認められ、2013年に勲章を授与されました。
軍事的な圧力ではなく、相手の立場に立ち、相手の尊厳を守りながら問題解決に導いた木村社長。
いま世界中で起こっている様々な問題だけでなく、私たちが日頃抱えている悩みなども、見方を変えることで解決できることがあるのかもしれません。
「目の前の損得に左右されず、目の前にいる人々がどうしたら幸せになれるか」という木村社長の想いは、これからもきっと美味しいお寿司を届けてくれるでしょう。
日本の海上自衛隊、海上保安庁が協力し、現在も海賊対象行動活動中です。
私たちが安全に生活できるのは、私たちの知らない所で命を懸けて守ってくれている人々がいるからこそ。感謝の気持ちを忘れずに生活していきたいと思います。