大震災にも負けなかった助産院 『2度の天災』に襲われても新しい命を助けたい
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全国的に「安心して子供を産める環境が少ない」と言われる現代。特にお産に直接対応している助産院の数は、減少しつつあります。
宮城県仙台市にある「とも子助産院」は、仙台市内にたった二つしかない助産院の一つ。
これまでに800人もの赤ちゃんの誕生を見守り、第2の実家とも呼ばれた助産院。2011年の東日本大震災では、被害を受けながらも地域の避難所兼お産の介助を行ってきました。
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しかし、2015年に2度目の天災、東北豪雨で大きな被害を受け存続の危機に…。
これからも赤ちゃんの命を繋ぐため、「何とか復活させたい」と、多くの人の想いが院長の伊藤朋子さんを力強く支えています。
出産を控えている母親のためにも
助産院とは一体どんな施設なのか…あまり聞き慣れていないかもしれません。
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一般的な意味でいえば以下のような施設のことをいいます。
助産師は医師ではないため医療行為はできませんが、妊娠・分娩の専門技術を持った国家資格を保有。決められた要件を満たし、助産師、産婦人科医師双方が助産所で分娩可能と判断した場合に限って、分娩出来るのが助産院なのです。
震災時に生まれた命も
東日本大震災では震度6と大きな地震に襲われた、仙台市。とも子助産院は倒壊を免れたものの、地盤が沈下。電気や水道など、ライフラインは断ち切られました。
しかし、伊藤さんは1983年に起きた日本海中部地震を経験していたため、倉庫に石油ストーブや灯油、水を入れる容器などを備えていました。
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そのため震災時も、妊婦さんを受け入れることができました。ただ、あらゆるものが普段よりも不足している状況。
スタッフも少ない中、湯たんぽやランタンなど、数少ない道具を使っての出産は、神経をすり減らす程大変だったようです。
普段以上に制約が多く大変な出産。それでも赤ちゃんの産声を聞いた瞬間、「命の誕生にかかわる仕事をやってよかった」と、心から湧き上がる感動を受けたといいます。
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復興の最中も、妊婦さんや赤ちゃんを連れたお母さんが、助産院を頼り訪れました。そういった経験から、「もっと母親の支えになりたい、人の集まる場所にしたい」という想いを込め増築工事を行い、リニューアルオープン。
心機一転これからという時に、もう一つの天災が。
突然襲ってきた東北豪雨
2015年、東北を突如襲った東北豪雨。
大雨で車が流されたり、ボートで救助される方がいたりと、目の前に信じられないような光景が広がりました。
東北豪雨により浸水した助産院には、大雨が引いた後も大量の泥と瓦礫が残されていました。
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特に衛生面に気を使う助産院には、手痛い状況。それでも、さまざまな支援を受け助産院自体の運営は続けられたそうです。ただ、何かとストレスの多い妊婦さんを、より快適に心地よく受け入れるには、うけた被害があまりにも大きい…。
出産を控えた母親の安らげる場所を作るために。新しい命が無事に産声をあげられるように。
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これからも助産院が、地域の母親たちの「第2の実家」として、安心して子育て・出産ができるよう応援していきたいものですね。
大切な役割を持った場所だからこそ、震災にや洪水に負けず、長くあり続けてほしいと願わずにはいられません。
仙台で800人の赤ちゃんの命を繋いだ”とも子助産院”を復旧したい