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整合性とは? 正しい使い方を知ってビジネスシーンに役立てよう!

By - COLLY  公開:  更新:

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※写真はイメージ

『整合性』は、データ分析や資料作成といったビジネスシーンで使われる言葉です。普段何気なく用いていると思いますが、正しく使えているか、自信がない人もいるのではないでしょうか。

本記事では、整合性の意味や類語、誤った使い方までご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

整合性(せいごうせい)とは

ビジネスのクエスチョンやアイディアの画像

※写真はイメージ

まずは『整合性』という言葉そのものについての理解を深めていきましょう。英語での表現もご紹介しますよ。

整合性の意味を確認

整合性とは、『論理的矛盾がなく整っていること』を意味する言葉です。ビジネスや研究において、情報やデータが一致していることを指す場合が多い言葉ですが、人の行動や意見に対して使われる時もあります。意外と幅広く使用される言葉ですね。

整合性の類語は?

この章では、近い意味をもつ言葉を3つご紹介します。整合性よりも聞きなれているかもしれません。

一貫性

『一貫性』とは、始めから終わりまで1つの方針や考えを貫き通すことを意味する言葉。ニュアンスは、整合性が異なる物事を比較する時に使うのに対し、一貫性は同じ物事を別の時間軸で比較する時に使われます。

【例文】

・彼女の意見には一貫性があり、好感を持てる。

・私は普段から、一貫性がある書類を作成するよう心がけている。

辻褄(つじつま)が合う

『辻褄が合う』とは、矛盾なく筋道が通っていることや、理屈が合っていることを表します。整合性が総合的にずれがなく整っていることを表すのに対し、辻褄が合うは2つの物事でずれがないことを指すようです。

【例文】

・彼と彼女の証言は辻褄が合っていたので、問題なさそうだ。

・推理小説の面白さは、物語前半の伏線がクライマックスで回収され、辻褄が合った時のすっきり感だ。

筋が通る

『筋が通る』は、物事が正しく行われていること、首尾一貫していることを意味します。首尾一貫は、始めから終わりまで意見などが変わらず矛盾がないことを意味するので、一貫性にも意味の似た言葉だといえますね。

【例文】

・筋が通った発言は、信頼感を得やすい。

・最初は矛盾していると感じたが、別の視点から物事を見ることで、筋が通っていると分かった。

整合性の対義語は?

整合性の対義語についても見ておきましょう。以下の言葉をいわれた時は、注意してください。

矛盾

『矛盾』は、2つの物事が食い違っていて、辻褄が合わないことを意味する言葉です。言動が一致しない場合にも使用されます。

【例文】

・採用担当者は、面接時にいくつかの質問をすることで、応募者の発言に矛盾がないかを確かめる。

・主張と行動が矛盾している人は信用されない。

破綻(はたん)

『破綻』は、物事がうまくいかなくなることや行き詰ることを指しますが、議論や理論が矛盾しており成立しない時にも使用されます。

【例文】

・本日の会議は議論が破綻しており、時間の無駄だった。

・この資料のデータは誤っているため、理論が破綻してしまっている。

不一致

『不一致』は、漢字の通り一致しないことや、ぴったり合わないことを意味します。意見が合わない時に使われることが多い言葉ですが、データや情報に対しても使用される言葉です。

【例文】

・収支データに不一致が見られる。

・登録情報不一致と画面に表示された。

食い違い

『食い違い』とは、一致することが望ましい物事が一致せず、ちぐはぐになっていること。二者間で意見や認識が合わない時に使用されることが多い言葉です。ビジネスシーンでは『齟齬(そご)』と表現されることもあります。

【例文】

・彼らの意見は食い違っているため、正しい事実が分からない。

・この2つの報告書には食い違いがある。

整合性の英語表現・例文

整合性を英語に訳す場合は、文脈に応じた単語を使用する必要があります。代表的なものを2つご紹介するのでぜひ参考にしてください。

整合性に該当する英単語として、『consistency』や『coherence』などが挙げられます。どちらも『一貫性』と日本語訳される言葉ですが、ニュアンスの違いがあるので確認しておきましょう。

『consistency』は、言動やルールが論理に沿っており矛盾がない状態を表します。企業の方針や生活習慣、主張と行動が一致しているかといった状況で使用しましょう。以下の例文では『consistency』の形容詞『consistent』で表現しています。

【例文】

His words and actions are consistent.

(彼の言動には整合性がある)

『coherence』は、アイディアが論理的な構造となっていたり、一貫した全体像を形成したりしている時に使用されます。例えば、本の各章の構成や、議論、計画全体が一貫しているかといった文脈で使うとよいです。『coherently』は『coherence』の副詞形となります。

【例文】

Each chapter of the book is written coherently and is easy to read.

(その本の各章は整合性を持って書かれているので読みやすい)

整合性の使い方

マルかバツの選択肢をもつサラリーマンの画像

※写真はイメージ

整合性の使い方を見ていきましょう。正しい使い方と誤った使い方の両方をご紹介します。

整合性の正しい使い方

まずは整合性の正しい使い方を、例文を挙げて説明します。多数のフレーズがあるので、状況に応じて使い分けられるようになりましょう。

整合性がある(ない)

『整合性がある』は、内容に矛盾がないことを意味する肯定的な表現です。反対に、『整合性がない』は、矛盾しており論理が成り立っていないことを表します。以下は例文です。

【例文】

・この資料は先ほどのデータと整合性があるため、信用できる。

・上司の指示に納得がいかない理由は、話に整合性がないからだ。

整合性をとる(整合性がとれない)

『整合性をとる』は、データや資料を矛盾がない状態にすることです。『整合性がとれない』は、矛盾が生じていることや、矛盾を解消できない時に使用されます。

【例文】

・上司から、複数の資料を確認して整合性をとるよう指示された。

・彼の作成した資料と、彼女からもらったデータは整合性がとれない。

整合性を図る

『整合性を図る』とは、物事に矛盾がないよう試みること。『整合性をとる』と似ていますが、『整合性を図る』のほうが調整している様子が伝わります。ただし、否定形で用いることは基本的にないため、その場合は『整合性がとれない』を使うのがよいでしょう。

【例文】

再度実験を行い、データの整合性を図る。

整合性をもたせる

『整合性をもたせる』は、『整合性をとる』とほぼ同じ意味の言葉です。データを一致させ、矛盾がないようにします。『整合性をもたない』は、間違いではありませんが、使うことの少ない言葉です。否定形は『整合性をとる』を使用するのがよいでしょう。

【例文】

自分の意見を通したい時は、発言と行動に整合性をもたせることが重要だ。

整合性を保つ

『整合性を保つ』は、保持するという漢字の通り、物事に矛盾がない状態を維持することを意味します。否定形で使用することはほぼありません。

【例文】

整合性を保つためには、日々の業務の管理を適切に行うことが必要だ。

整合性を欠く

『整合性を欠く』は、物事に矛盾がある状態をさします。『整合性がない』や『整合性がとれない』といった否定形と同じ意味です。

【例文】

整合性を欠く資料は役に立たない。

整合性の誤った使い方

整合性はさまざまな表現を付け加える言葉ですが、意識しておかないと誤った表現をしてしまうかもしれません。具体例とともに説明します。

整合性を整える

『整合』とは、ずれや矛盾なくそろえること、合わせることを意味する言葉。『頭痛が痛い』と同様に、二重表現となってしまうため使わないようにしましょう。

整合性を合わせる

『整合性を合わせる』も二重表現となります。無意識に使ってしまいそうな表現なので注意しましょう。

整合性の意味を知って正しく使おう

『整合性』について、例文を挙げながら詳しく解説しました。これまで正しく使えていたでしょうか。ビジネスシーンや研究においてはよく耳にすると思うので、ぜひ使いこなせるようにしてみてくださいね。


[文・構成/grape編集部]

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