誕生日は会いに行きたくなる… 母を想い、父とのひと時に感じた幸せ
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
誕生日は母に会いに行く
今年の誕生日、この人生の中で、大きな区切りというのか、新たな扉を開けるのだなと感じさせられる日となりました。
まず、年金の手続きの書類が届き、次に介護保険証が届くという…。
週一の授業を担当していた音楽大学も定年となり、こうして国なり社会が定めた枠の通り、次のフェーズへのエスカレーターに乗せられた感じです。
誕生日は、自分自身の『元旦』のようなもので、どんな年にしたいか、これからどんな生き方をしようか考えるきっかけでもあります。
新しい扉の向こうはどうなっているのか、限りある時間の生き方がますます問われる年代になりました。
ここ数年、誕生日は母に会いに行きたくなります。
母が旅立ってからもう9年も経ってしまいました。
私に命をつなげてくれたこと、育ててくれたこと。
感謝しかない。年々、その想いは強くなります。
大きな人でした。
大きすぎて、時に飲み込まれるような圧を感じたこともありましたが、母の中にある確固たる『信』のような強さは、どんな困難の中でも私と妹たちの手を離すことはありませんでした。
でも、そんなことも母が亡くなってからしみじみと感じるのです。
喪失の隙間を埋めていくのは、それまで気づかなかった母の思いや後悔、感謝です。
そして、いつかそれは時の中で愛というものに統合されていくのでしょう。
車で1時間ちょっと、無性に母に会いたくなり車を走らせました。
お墓は『形式』『形』であることはわかっていても、なぜかそこに向かいます。
家にいても、どこにいても、祈ることも話しかけることもできる。
でも、その『場所』に行きたい、そのような『場所』が必要なこともあるのですね。
教会や神社、お寺と同じように、『向き合える場所』が、時に必要なのです。
冷たい風が吹く中、遠くに相模湾が見える丘の上のお墓で母に話しかけます。
伝えたかった言葉が胸の奥から溢れる。
『かけがえがない』という言葉の意味を胸に刻むように、心の中で話しかけました。
誕生日は、母が命を賭けて私の命をつなげてくれた日。
その重みは、私が娘を授かって改めて深く受け止めたのでした。
誕生日には母に会いにいく。
そしてこの日、帰りには介護ホームにいる父に差し入れを持って行きました。
「今日、私、誕生日なのよ」
「ああ、そうだったね。いくつになったの?」
年齢を伝えると…。
「若いねー」
と、父はびっくりした顔をしました。
その顔がおかしくて、なんだかとてつもなく幸せな気持ちになったのです。
これからの時間をどう生きようと、原点はここにある。
大切に、抱きしめるように、与えられた時間を生きていこう、と思った誕生日でした。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
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※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」