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高速道路の標識、昔は違った?  『緑色』が選ばれたワケをNEXCOに聞いてみたら…

By - デジタル・コンテンツ・パブリッシング  公開:  更新:

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高速道路の看板

※写真はイメージ

道路の案内標識は『一般道』と『高速道路』ではデザインが異なります。

特に目立つのは『地色』の違い。一般道は青色ですが、高速道路は緑色です。

なぜこのように地色が異なっているのでしょうか。またいつから違いがあるのでしょうか。

高速道路を管理運営する、中日本高速道路株式会社(以下、NEXCO中日本)に取材しました。

高速道路の標識の地色が決まったのはいつ?

NEXCO中日本に、現在の地色になった背景を聞いたところ、このような回答がありました。

1961年5月に財団法人高速道路調査会の標識分科会が発足し、高速道路の標識について研究を始めました。

この標識分科会は、建設省、土木研究所、警察庁、科学警察研究所、通産省、警視庁、日本道路公団、首都高速道路公団からの専門家で構成され、延べ33回にわたる討議を経て、1963年6月に報告書をまとめました。

この報告書の内容を基に、現在の標識レイアウトの原形が固まりました。

なお、実際に初めてこの緑色の標識が設置されたのは、1963年7月に開通した日本で初めての高速道路である、名神高速道路の栗東から尼崎間です。

案内標識の写真

※写真はイメージ

現在につながる緑色の標識が初めて設置されたのは1963年のこと。

関係各所で33回の打ち合わせを経て決まったものなのだそうです。

また、高速道路の標識は、地色だけでなくフォントやレイアウトなどにも独自の工夫が凝らされています。

NEXCO中日本は、以下のように説明してくれました。

上記のとおり、1963年に名神高速道路で設置されましたが、以降の標識レイアウトは大きく変わることはありませんでした。

標識板の文字形状は、独自にデザインされた、いわゆる『公団文字』が使用され、その文字のデザインはまだ現在のように多様な市販フォントが普及していなかったことから、1字ずつ手作業でデザインして作成していました。

しかし、文字フォントが多く開発され、視認性の優れたデジタルフォントが販売されたことや、高齢者ドライバーの増加、外国人観光客誘致の取り組みを見据え、誰にでも『より視認し易い標識レイアウト』とすることを目的に、2010年7月に標識の字体およびレイアウトが変更されました。

なお、既存の標識については、標識の更新時期に合わせ、現行の字体およびレイアウトに更新しております。

現在のフォントは、2010年7月に更新されたものなのだそうです。

昔はひと文字ずつフォントをデザインしていたというのは驚きですね。

『標識の地色が緑』はアメリカ式?

それでは、標識の色はなぜ緑色になったのでしょうか。

NEXCO中日本にうかがったところ、興味深い話が聞けました。

高速道路の標識の色は、欧州各国が青、米国は緑を用いており、どちらを採用するかが難問でした。

案内標識の写真

※ドイツの標識

案内標識の写真

※アメリカの標識

名神高速道路の試験工区で行った夜間高速実験の際、ヘッドライトに照らされた青の大型反射シートを、試験の参加者全員が緑色と誤認したこと、一方緑のシートは明るい緑と正しく認識されたことから、現在の緑色に決定しました。

実験を行って確認し、緑色のほうが的確に視認しやすいことが分かり、アメリカ式の緑色の標識が採用されたとのこと。

高速道路の標識には長い歴史があり、さまざまな試行錯誤の末に現在の形になっているのです。

普段何気なく目にしている標識には、快適で安全なドライブのための工夫が詰まっているのですね。


[文・取材/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]

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