自ら安楽死を選んだ、末期ALSの女性 最後のパーティーでの『ルール』は…
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アメリカのカルフォルニア州に住む、ベッツィ・デイビスさん、41歳。彼女は3年前、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断されました。
ALSとは、筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患。とても進行が速く、患者の約半数が発症後4年ほどで命を落とす恐ろしい病気です。
1年間に人口10万人当たり2人程度が発症すると言われ、40代から70代の年齢層が特に発症しやすいそうです。
デイビスさんはALSを発症してから、徐々に筋力が低下していきました。ALSの症状によって歩くこともできなくなり、移動は車いすに。口内の筋力も低下し、言葉を発することや、食事も困難になったと言います。
そしてある日、デイビスさんは半年の余命宣告を受けてしまいます。日々進行する症状に苦しむ彼女は、ある日決意したのです。
「安楽死を選び、穏やかに天国へ旅立とう。それが私の幸せだわ」
命を絶つ前に、パーティーを開催したALS患者の女性
カルフォルニア州では2016年から、『医師による、安楽死のための薬の処方』が合法化されました。
安楽死の条件は、『余命半年以内と宣告されている』『精神に異常をきたしていない成人患者』の2つ。条件をクリアした患者本人が望む場合、医師が薬を処方できます。
デイビスさんは証人の立ち合いの元、要求書を提出。法律通りに申請を行った上で、安楽死用の薬を得ました。
友人や家族を集めた『最後のパーティー』
旅立つにあたって、デイビスさんは最後のパーティーを開催することにしました。今までお世話になったたくさんの人と、最後の思い出を作りたかったからです。
2016年7月の23日と24日…2日間にわたる『お別れパーティー』が幕を開けました。このパーティーでは、デイビスさんが決めたルールがあります。
参加者は全員、絶対に泣いてはいけない
会場のカントリーハウスに集まった、30人以上の人々。参加者のためにたくさんの料理を注文し、華やかなパーティーが始まりました。
デイビスさんの大好きな映画を上映したり、友人たちがチェロやハーモニカを演奏したり…楽しい時間は過ぎていきます。
そして、ついに別れの時…
最終日、いよいよお別れの時間がやってきました。デイビスさんは友人たちにキスを贈ると、最後の記念撮影を行います。
彼女はお気に入りの浴衣に着替えると、大切な人たちに笑顔で別れを告げました。
友人たちが帰ったのを見届けたデイビスさんは、午後6時45分に自室のベッドに横たわり、処方された薬を口にします。そして、4時間後…彼女は幸せに包まれた表情で、眠るようにこの世から旅立って行きました。
デイビスさんの姉妹であるケリーさんは、パーティーのことを振り返りこう話します。
「パーティーに来てくれた人たちは、ベッツィがどれだけ苦しんでいたのか知っていました。
そして、この決断によってベッツィがどれだけ元気を取り戻したか…。
ベッツィの定めた”泣いてはいけない”というルールを、参加者は全員守りました。彼女が、このパーティーを楽しいものにしたいと望んでいたからです」
命の期限を自ら決める安楽死は、国や個人の思想によって賛否両論。しかし余命がわずかで、常に病気で苦しんでいたデイビスさんにとっては、最善の選択だったのです。
大切な人たちに囲まれ、たくさんの笑顔を目に焼き付けることができたデイビスさん。この2日間は、最高の思い出となったことでしょう。