一『語』一会の夏休み アナウンサー押阪忍の『美しいことば』
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こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。
ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独り言』にお付き合いください。
夏休みですね。子どもたちが学校から解放されて、たくましく成長するのが夏休みです。ひと夏を過ごした子どもたちは、表情も体つきも見違えるほど成長し、大人びてきます。海や山、海外や大都会や田舎で体験した楽しさや感動は、大人になるための貴重な1か月です。
日常生活ではない風景や乗り物、海の匂い、山の涼気、谷川の冷水、そしてキャンプファイヤーの焚き火と歓声…。
東京で昇ったスカイツリー、大阪で見上げた超高層ビルのアベノハルカス…。子どもたちにとってはすべてが金メダルです。
そしてそこで交わされる言葉や方言。田舎のおじいさんやおばあさんの会話。
耳に馴染まない方言も体験することでしょう。ご馳走の席でも、その土地の方言が飛び交います。でもそれが、生きた言葉なのです。引き出しにしまっておく言葉ではなく、毎日の生活に必要な日本語なのです。
二度と会えないかもしれない「今」を大切にという「一期一会」がありますが、会話も同じで、生き生きとした言葉が飛び交っている「今」を大切にと考えて、1つでも2つでもその言葉なり方言を覚えてみる『一語一会』をお薦めしたいと思うのです。
「山崎」という苗字の呼び方は、関東では「やまざき」、中・四国では「やまさき」です。「町」は、関東では「ちょう」、関西では「まち」の発音が多いようです。
「質屋」は、関東では「しちや」、関西では「ひちや」、東京は「にほんばし」、大阪は「にっぽんばし」、「御嶽山」は、長野では「おんたけさん」、東京では「みたけさん」などなど、その地方ならではの発音や呼び名があります。
その1つを覚えるだけでも『一語一会』の楽しさやオモシロさがあると思うのですが、何か片寄っているでしょうかねぇ…。
<2017年8月>
フリーアナウンサー 押阪 忍
1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。1965年には民放テレビ初のフリーアナウンサーとなる。以降テレビやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典なども行う。2016年現在、アナウンサー生活58年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。