「近いうちに会おうね」宙ぶらりんになったままの言葉はない? 会いたい人には、会いに行こう
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
会いたい人には、会いに行こう
「近いうちに会おうね」
「ごはん行きましょう」
メールやLINEの中で、幾度となく交わされたこんなやり取りがあります。会いたい気持ちに嘘はない、もちろん。
でも、会わないまま何年か経ってしまったということもあります。「会いましょう」という言葉が「よろしくお願いいたします」と同じように、半ば挨拶のようになっているのかもしれません。
思い出してみると、宙ぶらりんになったままの言葉がたくさんあります。
「後輩からのオファーは絶対に断らない」
あるトーク番組で、アテネ五輪サッカー日本代表監督の山本昌邦氏がこんなことを語っていました。
故松田直樹選手(元『横浜F・マリノス』、『松本山雅FC』)からの「今度ごはん行きましょうよ」という誘いをそのままにしてしまったことを今も後悔している。
何か話したいことがあったのではないか。山本昌邦氏は今も思いを馳せるそうです。
時は瞬く間に過ぎていきます。ついこの前……と感じていたことが、もう何年か前のことだったということばかりです。
光陰矢の如し。矢のように過ぎていく時間には、限りがある。十代の頃には果てしなく思えた未来ですが、今ではその『限り』『終わり』を意識せずにはいられなくなりました。
今、この瞬間がある。でも、次の瞬間を誰も保証することはできません。それはゆっくり訪れるのかもしれないし、突然扉を閉ざされるかもしれない。
若くても老いていても、その瞬間は平等に与えられていることを思わずにはいられません。
先日、タレントの香坂みゆきさんと新曲の打ち合わせをしているとき、みゆきさんが言いました。
「会いたい人には会わないとね。行きたいところには行かないとね」
叶えようと思えばすぐに叶うことを、どうして先延ばしにしてしまうのか。本当に会いたい人に会えなくなること、行きたくても行けなくなることがあるのです。
あたりまえだと思っていることは、あたりまえのことではないことを、みゆきさんの言葉は思い出させてくれました。
「ごはん行きましょう」
「いつにしますか?」
すぐにスケジュールを確認する。そして日にちを決めてします。いいひとときを分かち合える友達がいるというのは幸せなこと。
それもあたりまえのことではないのだと思います。そんな小さな決断と実行を大切に。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
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※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」