このところビットコインの話題が絶えません。

まず２０１７年１２月８日（金）に１ビットコインの値段が２００万円を越えました。１１月２６日に１００万円を突破して話題になってからわずか１２日でその倍になったということで、注目が集まりました。

さらに、ビットコインの取引はこれまで、円でビットコインを購入して高くなったら売って円に替える『現物取引』が中心だったわけですが、１０日には、将来の価格を予想して取引する『先物取引』をアメリカの『シカゴ・オプション取引所（CBOE）』が世界で初めて上場を認められました。

同じく以前から告知していた『シカゴ先物市場（CME）』も先物上場を発表（その後１７日より上場開始）。この２社の取引が今後アメリカ政府によって監視されることになるため『世界初の政府公認ビットコイン先物取引』が実現され、これによって本格的に機関投資家が参入できることになると、さらなる盛り上がりを見せているというわけです。

改めてビットコインについておさらいしておくと、ビットコインとは、ブロックチェーンという不正な取引が極めてしにくいセキュリティ技術を使って、インターネットを使って低コストで取引ができるようにした仮想通貨（暗号通貨）のこと。

ブロックチェーンによる暗号技術は、ビットコインが話題になったころから注目され始め、いまではこうした仮想通貨の取引に使われる以外でも、医療記録のオンライン化に採用（grape記事：ブロックチェーン』を医療記録に活用　医療情報をネットワーク化）されるなど、様々な分野にまで広がっています。

また仮想（暗号）と付いているのは、通常の『通貨』はあくまで国などの主体者が「価値を保証する」ものを指し、価値を保証する主体者がいないビットコインは、通常の通貨（法定通貨）と分けて考えられています。仮想通貨という意味では現在、ビットコインのほかにも、イーサリアム、リップルなど数１００種類が世界で取引されています。

３年前の２０１４年に、日本で唯一ビットコインを取り扱っていたマウントゴックスの不正が発覚して、一時日本ではイメージがダウンしていましたが、その余韻もなくなって、いまでは日本では１０数社以上が取り扱っていて、月間取引高は日本だけでなんと約４兆円（jpbitcoin.com調べ）、これは全世界の取引の約５割以上を占めている（CryptoCompare.com 調べ）そうです。

ちなみに顧客の資産を預かり、億単位の巨額な運用を行う銀行や証券会社などの大口投資家＝機関投資家は、儲かるからとリスクの高い金融商品を取り扱うことは禁じられており、あくまで政府のお墨付きの取引所で扱うお墨付きの金融商品のみの取り扱いに限定されています。なのでこれまでビットコインなどの仮想通貨には投資できなかったわけです。

『シカゴ・オプション取引所（CBOE）』や『シカゴ先物市場（CME）』での取り扱いがアメリカ政府に認められることで、機関投資家が参入できるようになり、取引高が大きくなる分、値動きが安定してくることが予想されます。ということは、これまでのようなとんでもない高値になったり大暴落することは少なくなるものの、誰もが安心して投資できるようになると考えられます。

これまでのビットコインはあくまで金融商品としてのビットコインが主となっていて、ビットコインで家電製品や衣服、食料などが買えることはまれでした。これが価値が安定してくれば、ビットコインを使った商品売買も増えてくることとなり、ここで初めて世界共通の仮想通貨の意味が出て来るわけです。

機関投資家の話では、これはあくまで第１歩で、この先に『ETF（上場投資信託）』が待っているということだそうですが、そういわれてもまだピンと来ない僕らも、そろそろビットコインについて勉強する必要がありそうです。

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[文／構成　土屋夏彦]