機械に3Dデータを読み込ませて作ったのは…なんと編み物でした!
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3Dプリンタで自動車を量産するという話題が世の中を駆け巡りましたが、今度は3Dプリンタで立体の編み物が作れるソフトウエアを、アメリカ有数の名門工科大学『カーネギーメロン大学』の研究チームが開発したと発表しました。
このソフトウェアは、3D造形用のモデリングツールで作った3Dデータを編み機用データに変換し、読み込ませた編み機が、まるで3Dプリンタのように立体の編み物を生成するというものです。つまりどんな形状のものでも3Dスキャンしたデータさえあれば、つなぎ目のない編み物(ニット)が作れるというわけです。
カーネギーメロン大学のテキスタイルラボでは、これまでもこのシステムを使ってぬいぐるみや衣服など様々なものの生成を試してきたそうなのですが、その結果全く専門知識を必要とせずにこのシステムを使うことができるようになった上、オンデマンドの機械編みが可能(1つ1つ別々の種類の編み物を量産できる)になったと、開発を手掛けたロボティクス研究所の助教授で研究室のリーダーであるジェームズ・マッキャン氏は述べています。
マッキャン氏のビジョンは、数千個のニット帽や手袋、そのほかの衣服を作る時でも、1度に少量ずつカスタマイズしたものを生産する時でも、同じ編み機でできてしまうようにすることだったそうです。例えば、手袋がそれぞれのユーザーの手にぴったりフィットするように編むことができ、運動靴やセーターや帽子もそれぞれのユーザーお気に入りのユニークな色のパターンや装飾を施すことができるようにすることだったそうです。それがまさに実現できたというわけです。
出典:Carnegie Mellon University
マッキャン氏によれば「この編み機は3Dプリンタ以上に使いやすくなる可能性がある」と話しているそうです。それは現在の編み機の世界とは全く対照的だといいます。
開発者によれば、そもそも編み機は数百の針でできており、その上にループまたはステッチを作りそこで初めて動かすことができるものなんだそうです。今回のように立体データで直接編み機を操作することはできませんでした。このような機械への入力は、ステッチやループをどこに追加しなければならないか、そしてどのようにそれらを移動させなければならないのかを正確に指定する必要があったからです。
今回のシステムは、3Dモデルを入力データとして使用し、そこから必要なステッチやループを自動計算して、編み込む形状を複製させることを可能にしました。その後、ループを生成する順序を決定し、各ループに針の位置を割り当て必要な指示を計算して、思った通りの形状に編み上がるというしくみです。
紹介ページには、うさぎさんの立体物を編み物で作った例が載っていますが、そもそもセーターやニット帽なども立体物ですし、こうしたものがつなぎ目なしで編みあがるメリットもありますし、それぞれの体型をモデリングすれば、体型にぴったり合うサイズの編み物を繰り返し作ることもできるようになるということです。
ちなみに今回編み機用に変換されたデータは、編み機のメーカーを問わずどれにでも読み込ませられるフォーマットを採用したということで、実用化されるのも時間の問題のようです。
[文・構成 土屋夏彦]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。