三島由紀夫・自決の日は? ボディビルで鍛えた筋肉と、作品『仮面の告白』に迫る
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あの童謡を歌っていた、ののちゃん!? 成長した姿に「美人になった」「別人級」と驚きの声あんなに小さかった、ののちゃんが…!6歳になった姿に「別人級に成長」「大きくなった」と驚きの声が相次いでいます。
戦後の日本文学界を代表する作家の1人であり、1967年の『ノーベル賞』選考で候補になるなど、国内外で高い評価を得ていた三島由紀夫さん。
いまもなお多くの人々の心を惹き付ける作品の魅力やその人物像、生涯を終えた『自決の日』の様子などを振り返ります。
三島由紀夫『自決の日』は、1970年11月25日
三島由紀夫さんが生まれてから、自ら命を絶つにいたるまでの生涯とはどのようなものだったのでしょう。
三島由紀夫さんは、本名を平岡公威(ひらおか・きみたけ)といい、父・平岡梓(ひらおか・あずさ)さんと母・倭文重(しずえ)さんの長男として、1925年1月14日に東京・四谷に生まれました。
幼少期は、「2階で育てるのは危険だ」という理由で、生後しばらくしてから祖母である夏子の手で育てられることになります。
三島由紀夫『花ざかりの森』
学生時代から戯曲や小説を執筆していた三島由紀夫さんにとって、分岐点となった作品が、16歳の時に手がけた『花ざかりの森』です。
【花ざかりの森 あらすじ】
主人公が抱く、祖先への強い憧れや追憶を描いた、全5章からなる物語。
花ざかりの森・憂国―自選短編集 (新潮文庫)
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『花ざかりの森』は、『三島由紀夫』というペンネームで初めて公に出版された小説です。
三島由紀夫さんの才能を見出し、長きにわたって師であり続けた国文学者・清水文雄さんに原稿を見せ、批評を受けた後、昭和の国文学雑誌『文芸文化』にて連載されます。
16歳という若さの三島由紀夫さんがつむぐ、詩的な文体と美しい抽象的な世界観が絶賛されました。
三島由紀夫・自決の日
数多くの作品を残した三島由紀夫さんを語るにあたり、欠かせないのは自決の日です。
1970年11月25日に、『盾の会』のメンバーと共に、東京にある陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地を訪れた三島由紀夫さん。
【盾の会】
間接侵略に備えるための民間防衛組織として、三島由紀夫が結成した軍隊的な集団。
三島由紀夫さんは総監を監禁し、バルコニーでクーデターをうながす演説をした後、割腹自殺をします。
この事件は世間に大きな衝撃を与え、後に『三島事件』や『盾の会事件』とも呼ばれるようになりました。
三島由紀夫割腹自殺事件 バルコニーで演説する三島由紀夫
『三島事件』は、自衛隊が誇りを持って活動できるようなありかたや、国の憲法改正を求めて起こしたといわれています。
産経ニュースによると、三島由紀夫さんは事件直前にメンバーと行った最後の打ち合わせの席で、次のような言葉を口にしていました。
その当時、三島由紀夫さんは45歳。残された遺書には、『盾の会』のメンバーへのこれまでの感謝や労いと、「『盾の会』が義のために立ち上がり、会の思想を実現すること」が、自身にとって人生最大の夢であることがつづられています。
三島由紀夫さんの心を突き動かしたものは、自国への想いや、理想に基づいた社会を築こうとする強い信念だったのかもしれませんね。
三島由紀夫の主な作品
三島由紀夫さんの人となりや信念は、執筆した作品にも色濃く反映されています。
詩的で美しい比喩表現と、観念の世界を描くことに長けた三島由紀夫さんの作品の中で、特に重要な作品をご紹介します。
三島由紀夫『仮面の告白』
『仮面の告白』は、三島由紀夫さんにとって2作目の長編小説であり、初の書きおろし小説です。
【仮面の告白 あらすじ】
幼年期から、女性ではなくたくましい身体つきの男に魅力を感じながら生きてきた『私』。戦争の真っただ中で、園子という女性に恋をするが、性的な関心は持てずにいて…。
人とは異なる性的指向を持った『私』が、生い立ちから現在までの自分を客観的に分析していく、告白の物語。
同性愛というセンセーショナルなテーマを取り扱った本作は大きな評価を得て、三島由紀夫文学における代表作の1つになりました。
詩的な表現と共に繰り広げられる、マイノリティとしての視点をとらえた痛切な物語に触れてみませんか。
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三島由紀夫『潮騒』
三島由紀夫さんの『潮騒』は何度も映画化され、一般的にも人気の高い作品です。
1975年に西河克己監督によって撮影され、元女優の山口百恵さんと俳優の三浦友和さんが主演を務めた映画『潮騒』は、放映当時の若者たちに胸のときめきをもたらしました。
【潮騒 あらすじ】
南の小島を舞台に、若くたくましい漁夫の青年と美しい乙女が織りなす純愛物語。
※写真はイメージ
美しい情景描写や、現代にも通ずる若者同士の甘酸っぱい恋のやり取りが面白く、三島由紀夫作品の中では比較的ライトで手に取りやすいといえるでしょう。
潮騒 (新潮文庫)
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三島由紀夫『金閣寺』
1950年に起きた京都の『金閣寺放火事件』をテーマに描き、海外でも人気の高い三島由紀夫さんの作品『金閣寺』。
三島由紀夫さんが青春時代の決算として自身の人生を投影し、告白体でつづった物語です。
【金閣寺 あらすじ】
寺で育ち、幼少から吃音の悩みを抱えていた青年・溝口が、金閣寺の美しさに魅入られて火を放つまでを描いた不朽の金字塔。
※写真はイメージ
自身の心の内にある幻想の世界へとのめり込んでいく青年の、鬼気迫る心理描写は読みごたえがありますよ。
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三島由紀夫『豊饒の海』四部作
三島由紀夫さんにとって、最後の長編小説である『豊饒の海』シリーズ。
平安時代後期に成立した『浜松中納言物語』をベースに描かれた夢と転生の物語で、『春の雪』『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』の4部作です。
【豊饒の海 あらすじ】
大正初期。侯爵家の若き嫡子・松枝清顕は、意中の相手である綾倉聡子が治典王殿下と婚約したことを知り…。結ばれない男女の悲恋をキッカケに、運命的な夢と転生の物語が始まる。
※写真はイメージ
『豊饒の海』シリーズの最終巻を入稿した日に、割腹自殺をした三島由紀夫さんにとって、「ライフワーク」ともいえる物語。
1冊ずつ読んでも完成度が高く、それぞれ異なる魅力があるため、三島由紀夫文学を知る手がかりとしてはもちろん、物語としても満足できるおすすめの作品です。
豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫)
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豊饒の海 第二巻 奔馬 (ほんば) (新潮文庫)
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豊饒の海 第三巻 暁の寺 (あかつきのてら) (新潮文庫)
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豊饒の海 第四巻 天人五衰 (てんにんごすい) (新潮文庫)
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三島由紀夫はボディビルに夢中だった?美しい筋肉も
三島由紀夫さんといえば、ボディビルで鍛えた筋肉美が「素晴らしかった」ということでも有名です。
三島由紀夫さんは、『金閣寺』を執筆当時、ボディビルコーチ・鈴木智雄さんと出会って弟子入りし、自由が丘にできたジムに通うようになりました。
鍛え上げられた筋肉を惜しげもなく披露する、三島由紀夫さんの様子がこちら。
筋肉美を披露する三島由紀夫 1968年
その後、鈴木智雄さんの紹介で知り合った小島智雄さんからもボクシングも教わるなど、精力的にトレーニングを行っていたようです。
三島由紀夫さんの肉体改造にかける情熱と、ストイックな一面がうかがえますね。
小説や戯曲、随筆などを手がける小説家としての顔だけでなく、評論家や政治活動家としても精力的に活動を行っていた三島由紀夫さんの心や信念は、これからも生き続けることでしょう。
三島由紀夫 主な執筆作品
・『花ざかりの森』
・『煙草』
・『岬にての物語』
・『盗賊』
・『仮面の告白』
・『愛の渇き』
・『青の時代』
・『禁色』
・『真夏の死』
・『潮騒』
・『沈める滝』
・『金閣寺』
・『鹿鳴館』
・『美徳のよろめき』
・『宴のあと』
・『美しい星』
・『午後の曳航』
・『絹と明察』
・『三熊野詣』
・『サド侯爵夫人』
・『英霊の声』
・『春の雪』
・『奔馬』
・『暁の寺』
・『天人五衰』
[文・構成/grape編集部]