虫だって楽じゃない!? 『こんちゅう和かるた』で見えてくる昆虫の世界
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昆虫
好きな人はとても詳しく知っている一方、苦手な人も多いという極端なジャンルかもしれません。
そのどちらであっても楽しめるカルタが登場しました。その名も『【百人一首風】みんなのこんちゅう和かるた(監修:磐田市竜洋昆虫自然観察公園)』。
プロデュースしたのは、静岡県にある磐田市竜洋昆虫自然観察公園(@_ryukon)のスタッフで『こんちゅうクン』の異名を持つ北野伸雄(@kitanonobuo)さん。このかるたをTwitterや公園の公式Instagramで紹介、解説しています。
このかるたには「む(6)し(4)」に因んで64首、一首一種類で、全64種類の虫たちが登場します。「昆虫がどんな生き方をしているのか」「もしかしたらこんな気持ちなんじゃないか」など、昆虫目線で作られているので、昆虫の名前や姿かたちだけでなく、人生(虫生)観まで味わえるものになっています。
例えば、『カブトムシ』。
カブトムシは樹液やメスを巡ってオス同士が角を突き合わせて戦います。しかし、多くの場合戦う前に角の短い方が逃げていきます。ところが、逃げてるんじゃないんです。これ、実は「戦わずして勝つ」、つまり、無駄な争いはしないということ。何事も見極めが大事、人間にとっても教訓になりますね。
「ちはやぶる 神の使い」といわれる天道虫(テントウムシ)は、アブラムシと共にお互いを歌に詠んでいます。
「天道虫」という名前だけど太陽まで飛ばずにアブラムシを食べているというナナホシテントウの歌に対し、ソラマメヒゲナガアブラムシは本当に太陽まで行ってしまえばいいのに、と叶わぬ願いを詠んでいます。
食べる対象のアブラムシに何の感情も抱かない天道虫に比べ、食べられる運命を持つアブラムシの祈りの悲しいことといったら…。 今まで気にしたこともなかったアブラムシの方に共感してしまいます。
ハラビロカマキリは自戒の歌を詠んでいます。
ハラビロカマキリは動くものはセミでもスズメバチでも食べてしまうことがあるのだとか。そんな強いカマキリでも下手に動くとほかのカマキリや鳥に食べられてしまうという切ない歌。食うものと食われるものの関係はいつ逆転するか分からない…人間界にも通じるところがありますね。
読み札だけでなく取り札にも昆虫たちのきれいな写真が入っているこのかるた。親子で遊べば、知らない間にキッズは昆虫博士に、パパママは人生論者になっているかも。
昆虫について、和歌についてもっと深く知りたいという人のために詳しい解説もついていてますので、熟読をおすすめします。
『【百人一首風】みんなのこんちゅう和かるた』は、磐田市竜洋昆虫自然観察公園の売店や静岡県内の書店をはじめ、インターネットで発売中です。興味のある方は、ぜひアクセスしてみてください。
『【百人一首風】みんなのこんちゅう和かるた』公式ウェブサイト
また、公園の公式Twitter、Instagramでは、かるたの情報だけでなく公園に住む昆虫などの生き物の様子が日々更新されています。
こちらも一度覗いてみてはいかがでしょうか。
[文・構成/grape編集部]