「くまモン」デザイナーにロゴ540万円は高すぎ? 奈良・市民団体「30万円が妥当」に賛否 By - grape編集部 公開:2016-09-24 更新:2018-04-28 デザイナー Share Post LINE はてな コメント 奈良県で2017年に開催される「国民文化祭」。 そのロゴマークの制作費540万円を「不当に高すぎる」として、市民団体「見張り番・生駒」のメンバーらが2016年9月16日、奈良県に対して住民訴訟を起こしました。 メンバーらは「制作費は30万円が妥当」とし、差額の510万円を損害であると主張。奈良県に対し、国民文化祭の実行委会長を務める荒井正吾知事に請求するよう訴えています。 ロゴマークの制作費は本当に不当なのか? ロゴマークを制作したのは、「くまモン」などを手掛けたデザイナーの水野学さん。 実行委員会は、水野さんが代表を務める会社「good design company」と2016年3月に契約を結び、既に事前イベントなどでロゴマークは使用されています。 水野さんは、奈良県の公式Webサイトで今回のロゴマーク制作の意図をこう説明しています。 奈良時代に確立した書体である「楷書(かいしょ)」をベースにし、シンボルマークは、正倉院の宝物(ほうもつ)に描かれた動植物を円形に配置。 円形は、奈良時代から国家的にも重宝(ちょうほう)されたと言われる陰陽道(おんみょうどう)の象徴、月と太陽の形です。 また、円形に動植物を配置することで、天地自然の美しさを表す花鳥風月(かちょうふうげつ)に囲まれた鹿、という構図にもなっています。 シンボルマークの色には、奈良県の色であり、奈良時代に日本に伝わり正倉院の御物(ぎょぶつ)にも用いられた「蘇枋(すおう)」を選びました。 奈良県公式Webサイト ーより引用 https://t.co/EftQ9mADKS●奈良時代に確立した楷書体●正倉院の宝物に描かれた動植物●奈良時代から国家的にも重宝されたと言われる陰陽道の象徴 月と太陽の形●色は奈良時代に日本に伝わり正倉院の御物にも用いられた蘇枋これだけ意味込めたロゴが、単なる絵…?涙 pic.twitter.com/Rx2rZuukEC— ふーみんふみふみ (ق) (@CustardPrince) 2016年9月23日 「高すぎる」と訴える根拠は!? 訴えを起こした市民団体は「他自治体では、ロゴマークは公募が主流で、委託制作費なども10万円前後が妥当である」と主張しています。 実際、2013年に山梨県で行われた「国民文化祭」では、公募で選ばれた最優秀作品をロゴマークとして使用。賞金として支払われた額は5万円でした。 こういった双方の意見に対し、Twitterではさまざまな議論が行われています。 奈良県、やりたい放題。1年しか使わない「国民文化祭」のロゴ制作に500万円。しかも以下のようなとんでもない顛末。許すまじ! どんどん追求してください! https://t.co/9dW2RIxONt— 寮美千子 (@ryomichico) 2016年9月15日 「高すぎる」という意見もありますが、一方で「デザインの価値が低く見られ過ぎでは?」といった意見も多く投稿されています。 「くまモン」デザイナーに発注のロゴ540万円は高すぎ? 「30万円が適切」奈良の住民訴訟に批判も https://t.co/1swhLNqngX こういう「無形物にはカネ払わない」文化はどうにかならんのか。既に類似のマークが使用されてないかの調査費とか全部乗るから高くつくんだよ。— Jun Tajima (@JunTajima) 2016年9月23日 水野学さんにロゴ発注して30万なら弊社で発注したいくらいだよ……ってなって仕事がパンクして値上がりしていくのがわからんのかな。「くまモン」デザイナーに発注のロゴ540万円は高すぎ? 「30万円が適切」奈良の住民訴訟に批判も https://t.co/UxviQk6KWs— ハヤカワ五味 (@hayakawagomi) 2016年9月23日 また、そもそも公募の賞金とデザイナーが発注を受けて制作する費用を比べること自体に問題があるといった意見も。 ・奈良県の随意契約→540万円・市民団体の主張→30万円(公募や入札した場合)「公募」って「作品を無料で入手する手段」扱い?(奈良県)(第32回国民文化祭・なら2017)【国民文化祭のロゴ「高すぎる」…市民団体が提訴】https://t.co/QuCY86q3Pb— shrr=DAISUKE (@shrrdaisuke) 2016年9月19日 「くまモン」デザイナーに発注のロゴ540万円は高すぎ? 「30万円が適切」奈良の住民訴訟に批判も https://t.co/RcGHRn9die ふざけんなよ公募と契約一緒にすんな。契約の報酬はデザイナーがこれまで絵の勉強に費やしてきた時間、それによって培われた技術の対価だろ— たまのすけ (@Tamanosuke01) 2016年9月22日 さまざまな議論が行われています。 確かに、税金が無駄に使われているとしたら、そのことはとても大きな問題です。 しかし、このロゴマークの制作費が「高すぎるのか」「妥当なのか」、あるいは「安すぎるのか」は意見が分かれるところ。 実際に「くまモン」の経済効果は計り知れないものがありますし、2010年に奈良県で開催された「平城遷都1300年祭」の公式キャラクター、せんとくんのPR効果はテレビや新聞の広告費に換算すると約225億円にもなると言われています。 おはくま〜!今日も元気に行ってくまーす☆ pic.twitter.com/tppY0dglR5— くまモン【公式】 (@55_kumamon) 2016年9月22日 しっかりと調査することは大切ですが、この問題が「デザインの価値」を貶めるものになってしまうとしたら、それはとても残念なことのように感じます。 出典 産経News/奈良県公式Webサイト/@55_kumamon/@ryomichico/@shrrdaisuke/@Tamanosuke01/@JunTajima/@hayakawagomi/@CustardPrince Share Post LINE はてな コメント
奈良県で2017年に開催される「国民文化祭」。
そのロゴマークの制作費540万円を「不当に高すぎる」として、市民団体「見張り番・生駒」のメンバーらが2016年9月16日、奈良県に対して住民訴訟を起こしました。
メンバーらは「制作費は30万円が妥当」とし、差額の510万円を損害であると主張。奈良県に対し、国民文化祭の実行委会長を務める荒井正吾知事に請求するよう訴えています。
ロゴマークの制作費は本当に不当なのか?
ロゴマークを制作したのは、「くまモン」などを手掛けたデザイナーの水野学さん。
実行委員会は、水野さんが代表を務める会社「good design company」と2016年3月に契約を結び、既に事前イベントなどでロゴマークは使用されています。
水野さんは、奈良県の公式Webサイトで今回のロゴマーク制作の意図をこう説明しています。
「高すぎる」と訴える根拠は!?
訴えを起こした市民団体は「他自治体では、ロゴマークは公募が主流で、委託制作費なども10万円前後が妥当である」と主張しています。
実際、2013年に山梨県で行われた「国民文化祭」では、公募で選ばれた最優秀作品をロゴマークとして使用。賞金として支払われた額は5万円でした。
こういった双方の意見に対し、Twitterではさまざまな議論が行われています。
「高すぎる」という意見もありますが、一方で「デザインの価値が低く見られ過ぎでは?」といった意見も多く投稿されています。
また、そもそも公募の賞金とデザイナーが発注を受けて制作する費用を比べること自体に問題があるといった意見も。
さまざまな議論が行われています。
確かに、税金が無駄に使われているとしたら、そのことはとても大きな問題です。
しかし、このロゴマークの制作費が「高すぎるのか」「妥当なのか」、あるいは「安すぎるのか」は意見が分かれるところ。
実際に「くまモン」の経済効果は計り知れないものがありますし、2010年に奈良県で開催された「平城遷都1300年祭」の公式キャラクター、せんとくんのPR効果はテレビや新聞の広告費に換算すると約225億円にもなると言われています。
しっかりと調査することは大切ですが、この問題が「デザインの価値」を貶めるものになってしまうとしたら、それはとても残念なことのように感じます。