【知床観光船事故】社長会見「私ができる限りのことをやってあげたい」 被害者家族や事故への考え明かす
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今、もっとも狙われやすいのは… 新しい犯罪傾向にゾッとする残念なことに、空き巣や強盗などの事件はなくならず、連日のようにニュースをにぎわせています。玄関前に監視カメラを設置するなど、防犯対策をしている人もいるでしょう。しかし、近年では犯行の手口や傾向に変化が起こっており、従来の対策だけでは不十分な可能性があります。

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2022年4月23日に北海道の知床(しれとこ)半島沖で発生した、観光船『KAZU Ⅰ(カズワン)』の浸水事故。
同観光船には子供2人を含む24人の乗客と2人の乗員が乗っていたとされ、同月27日18時現在、11人の死亡が確認されています。
事故が起こった同月23日は、地元漁師が出航しないほどの強風で、波も高かったといいます。
ネットでは『KAZU Ⅰ』が昨年も何度か事故を起こしていたことが話題になり、事故後、経営姿勢や危機管理の甘さが以前から指摘されていた点が明らかになりました。
知床観光船事故、社長が会見を実施
今回の事件を受け、観光船を運営する運航会社『知床遊覧船』は、同月27日に会見を実施。
説明会後に行われた記者会見で、社長は「この度は、大変申し訳ありませんでした」と床に頭を付けて土下座をしました。
同月24日午後に開かれた被害者の家族への説明会で、社長は荒天の中で出航した理由について「私は行けると思った」と述べたといいます。
記者会見前に再度行われた、被害者の家族に向けた説明会について尋ねられると、社長はこのようにコメントしました。
今のところ、私としては正直なところ、謝罪をするしかございません。
内容としては、大切な家族を失ったわけですし、まだ捜索中の方もいらっしゃいます。ただ、もう見つかった方もいらっしゃいます。
謝罪しても、謝罪のしようがございませんでした。
「私ができる限りのことをやってあげたい」、それしか私には今、考えることはできないと思いました。
過去の事故で船尾を擦ったものの、修理を行い、その後の検査を合格したという『KAZU Ⅰ』。社長によると、整備やテスト走行、安全確認なども行っていたといいます。
報じられている「ほかは出ているのに、なぜうちの船は出さないんだ」といった過去の発言について、社長は「記憶にございません」とコメント。
また、これまでの出航の判断については、「最終的に判断はすべて私にある」と述べると同時に、「基本的に、船の出航の判断は船長に任せていた」と発言しています。
続いて、事故当日にほかの船が出なかったにもかかわらず出航した理由については、このように述べました。
その(出航した)時点で海を見ても荒れてはいないですし、天気予報を見ても問題ないということで。
あの、お客様もですね、やっぱり一番このような(北海道の)先端まで来てですね、「できればちょっとでも走ってほしい」というご要望がすごいあります。
ですので(波の高さを)体感していただければ、揺れて「(元の場所に)帰ってくれ」みたいな気持ちになって、納得していただく方向をなるたけとってました。
捜索活動を行う漁船
今も現地では、多くの人による懸命な行方不明者の捜索活動が行われています。
少しでも早く、行方不明者が見つかること。そして、今回の事故の原因を突き止めた上で、二度と同じ惨劇が起こらないことを願うばかりです。
[文・構成/grape編集部]