誰もが孤独を抱えている 大切なことは、孤独であっても、一人きりではないということ
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
心の旅をしながら思うこと〜孤独〜
「人はみんな孤独だから」
30代の初めの頃だったか、ひどく落ち込んでいる私を、友人がこう言って慰めてくれました。
そうなのかもしれない。でも、その言葉は私の中に落ちていきませんでした。「みんな孤独」とは何を言うのか、わからなかったのです。
『孤独』という言葉を口にするとき、耳にするとき、胸の奥がざわっとしたものでした。
それは、孤独であること、孤独になってしまうことへの微かな怖れがあるからでしょう。30代はまだまだ若く未熟だったのです。
歌詞を書くとき、例えば「愛する」とはどういうことなのか、「悲しむ」とはどういうことなのかといった物語の核となる感情について深掘りしていきます。
孤独についても考えました。孤独とはどういうことなのか。腹に落ちる気づきを得るまで、自分に問い続ける。
若さに足りないのは『経験』です。経験とは大きな出来事だけではなく、日々の中でふと感じるささやかなことも含みます。
思わず立ち止まって空を見上げてしまう美しい夕焼けを見たとか、小説を読んで泣けてしまったとか、それも経験です。
大人になるとは、そんな経験を積み上げながら、「生きる」ということを体験する。悩み、答えを出せずに心は彷徨う。
喪失感。乗り越えていけないもどかしさ。怪我の痛み。病気の辛さ。焦り。そのどれも、自分にしかわからないことであって、自分でしか解決できないことなのです。
2年前、右手首を骨折したとき、ものすごく痛かったこと。それを誰にもわかってもらえない。痛いことは伝わっても、どのくらいの痛さなのかはわからない。
悲しみも自分だけのもの。同じようにわかってもらえない。他人の悲しみも同じように分かち合うことはできない。
孤独とは、こういうことなのだと、今は思っています。
誰もが、自分ひとりで引き受けていく。どんなに友達がたくさんいても、大家族でも、誰もが孤独を抱えている。
同じ痛みを味わうことができないからこそ、互いに優しくなれる。慮ることができるのではないかと思います。
海で泳ぐことが好きな親友が、遠泳の隊列から逸れてしまったときのことを話してくれました。
「まわりを見回したら誰もいない。海にひとりきり。泳がなくては生きていけない。このとき、これが孤独なのだと思った。自由なんだな、と思った。そしたら、なんだか楽しくなってきたの」
孤独と自由。それぞれの心の旅があり、その時々の境地があります。でも大切なことは、孤独であっても、一人きりではないということ。
孤独だからこそ、つながっていることが大切なのです。
※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」