どうやって観察したの!? 江戸時代に20年かけて描かれた雪の結晶『雪華図説』
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暖冬から一転、沖縄本島では観測史上初の雪(みぞれ)が降るなど、寒い日が続いています。
風景を白一色に染め、深々と降り積もる雪。よく見ると、実に様々な形をしていることがわかります。
六角形を基本に形成される雪の結晶は、大きなものは肉眼でも確認することができますが、大半は顕微鏡などで拡大しなくては詳細はわかりません。
そんな雪の結晶を、実は江戸時代に細かく観察し、まとめた図鑑があるんです!手書きで描かれた味のある「雪華図説(せっかずせつ)」をご紹介します。
出典:国立国会図書館デジタルコレクション
顕微鏡を使ってた?
雪華図説は、1832年(天保3年)に下総国古河(現・茨城県)の藩主、土井利位(どい としつら)が公務の合間の時間を使い、約20年もの歳月をかけて雪の結晶をまとめた図鑑です。
86種の結晶をスケッチした雪華図説は、日本最初の雪の自然科学書として高く評価されています。
出典:国立国会図書館デジタルコレクション
出典:国立国会図書館デジタルコレクション
出典:国立国会図書館デジタルコレクション
結晶の観察には、オランダから輸入した顕微鏡(蘭鏡)を使用。雪華図説の本文には、観察方法も記されています。
まだ観測技術も発達していなかった江戸時代。図鑑をよく見てみると、現代の技術で観測しているのと同じような結晶を見つけることができます。しっかりと小さいものが観測できる技術が、江戸時代にあったことに驚いてしまいます。
ちなみに、雪華図説は1840年には、97種の結晶をスケッチした「続雪華図説」という続編も出版されています。雪の華なんて、美しい名前を付けるくらいですから、多くの人が結晶の虜になっていたのかもしれませんね。
出典:古河市
雪華図説をもっと見てみたい方は、国立国会図書館デジタルコレクションで見ることができます。
江戸時代に観測された、雪の結晶を堪能してみてくださいね。
国立国会図書館デジタルコレクション