水中でも地上と変わらない視界を保つモーケン族 そこに隠された驚きの能力
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マレー半島の海に住む少数民族、モーケン族。
彼らは、何百年も前から「カバン」と呼ばれる家船を住処に、海の上で移動生活を続けてきた、いわば「海」の遊牧民族。
生活の大半を、海中で過ごす
普通、人は水中のもぐると浮力により水面に向かって浮き上がっていきます。しかしモーケン族の海中での動きはまさに「自由自在」。静止することもできれば、海中を歩く事もできるのです。
子供の頃から海に親しんできた彼らにとっては、海の中こそが生活の拠点といっても過言ではありません。
驚きの身体能力
さらに、驚くべきは彼らの眼。
物を見るときに必要な角膜の屈折力は、水中だと、ほぼ機能しなくなります。そのため、私たちが水中で眼を開いても、地上と同じようにはっきりと物を見る事ができません。
一方モーケン族は、角膜の屈折力を補う水晶体の屈折力を上昇させることができます。この、なみはずれた調節力をもちあわせているおかげで、水中でもしっかりと獲物を見つけることができるのです。
長い歴史の中で体に刻みこまれた記憶
生命は海から誕生したと言われており、さらに「アクア説」と呼ばれる、人類は水辺(海辺)で成長したという仮説もあるほど、人と海の関わりは深いもの。
はるか昔、私たちの祖先には、モーケン族と同じ能力がそなわっていたのかもしれません。しかし、長い歴史の中で人類の生活スタイルが変わっていったこともあり、その能力は自然と退化していったのかも…。
モーケン族の能力が、日々の積み重ねによるものなのか長い歴史の中でDNAに刻みこまれた遺伝的なものなのか、はっきりとは解明されていませんが、人類の神秘が溢れる話に、ロマンを感じます!