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感慨深いとはどういう意味? 正しい使い方と言い換えを例文付きで解説

By - COLLY  公開:  更新:

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感想を述べる機会などで何気なく口にしたり、結婚式のスピーチなどで耳にしたりする『感慨深い』という言葉、正しく使えているでしょうか。本記事では、正しい意味や使い方、注意が必要な点などを紹介するので、確認してみてくださいね。

感慨深いの意味と読み方を知ろう

ランドセルを背負う後ろ姿の画像

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感慨深いの意味や読み方、どのようなシチュエーションで使うのかを見てみましょう。

感慨深いの意味と読み方

『感慨深い』は『かんがいぶかい』と読み、昔の出来事や思い出と今を結びつけた時に深く感じ入る、しみじみと感動する、大きな喜びを感じるなど心に響くような感情を持った状態を表します。

感慨深いの使い方

『感慨深い』を使って表現できるのは、嬉しいというシンプルな気持ちだけではありません。心からの感謝や愛、懐かしむ気持ちや、ついにやり遂げたという満足感なども含んだ複雑で豊かな感情を言い表せます。

便利である反面、言葉を使う場面や相手によっては『何が』感慨深いのか説明をする必要が出てくることもあるでしょう。

感慨深いを使うシチュエーション

以下のような成長を感じるシーンや思い出を振り返るシーンなどが、『感慨深い』と表現するのに適したシチュエーションです。

・結婚式で両親や親戚、付き合いの長い友人などが幸せそうな新郎新婦の姿を見ている時。

・入学式や卒業式など、さまざまな節目に子供の成長を感じた時。

・長く努力していたことを知っている仕事仲間が、夢や目標を達成した時。

・幼い頃に慣れ親しんだ風景を見たり昔の家族写真を久しぶりに見たりした時。

・昔から今に至るまでに思いを馳せ、しみじみと喜びを感じて胸に響くような感情になった時。

深い以外に感慨に続く言葉

感慨は、しみじみと心に感じ入ること、身にしみて感じることを表します。深いと続くことでその感情を強めているのですが、感慨にはほかの言葉が続く表現も。

いくつかご紹介するので『感慨深い』とともに、感情を言い表す言葉のバリエーションとして使ってみてください。

  • 感慨無量(かんがいむりょう):胸がいっぱいになるほどしみじみ感じ入ること。感慨深いとほぼ同じ意味で使われます。
  • 感慨多端(かんがいたたん):しみじみ感じ入ることがたくさんあること。感慨深いと感じる対象が複数ある場合に使われます。
  • 感慨一入(かんがいひとしお):さらに、しみじみ感じ入ること。感慨深い気持ちがさらに増した時に使われます。一入の読み方は『ひとしお』です。

感慨深いを使うのにふさわしくないケース

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『感慨深い』という言葉は、その意味合いから、使うのに適していないケースやシチュエーションがあります。間違った使い方で、失礼になったり恥ずかしい思いをしたりするのを避けるためにも、ふさわしくない使い方を確認してみましょう。

目上の人に対して

『感慨深い』は、目上の人に向かっては使わない言葉です。それは言葉の意味が、「相手の経験や、苦労などをすべて分かっています」というニュアンスを含むため。親しい関係の人や同世代の人、目下の人に使う言葉だと言えます。

目上の人の昇進やお祝い事に対して「感慨深いですね」と伝えると、自分が上司の成長を見守ってきたような意味合いが含まれることに。

失礼な印象を与えてしまうのを避けるためにも、目上の人に対しては使わないように気をつけましょう。

悲しいことに対して

『感慨深い』という言葉はポジティブな感情を表す時に使われる言葉で、『つらい』『悲しい』のようなネガティブな感情に対しては使われません。

心が大きく動いたことは同じでも、『つらい』『悲しい』をまだのり越えていない状況に対しては、『胸が痛い』『心が痛い』など別の表現を使いましょう。「つらかったけれどのり越えて、成長できた」といった場合には『感慨深い』を使えます。

知ってすぐの出来事に対して

出来事が起きてすぐや、時間が経っていない場合『感慨深い』という感想を述べるのは向いていません。『感慨深い』という表現は、長い時間をかけた上で感じるしみじみとした感動や、思い出に浸りながら感じる思いなどに向けて使います。

さっき起きたばかり、今知ったばかりというような出来事に対して感慨深いと表現すると、言葉に対して内容が浅い印象になってしまいます。『嬉しい』『びっくりした』など瞬間的な感情を表す表現を使うほうがしっくりくるでしょう。

感慨深いの言い換えと考え深いとの違いは?

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『感慨深い』を違う言葉で表現したい場合に、ぴったりの言葉はあるのでしょうか。また、感慨深いとよく似た『考え深い』という言葉は、感慨深いとはどう違うのでしょうか。感慨深いの英語表現もあわせて確認します。

考え深いとの違い

感慨深いと似た言葉に『考え深い』があります。考え深いとは、人やモノに対して深く考え思いを巡らせることを意味します。

感慨深いは出来事によって、心が大きく動かされた様子を意味するのに対し、考え深いはシンプルに思考している様子を表しているのが異なる点です。

言葉の響きや印象が似て感じられるので、意味を混同してしまいそうですが、きちんと違いを理解して使い分けていきたいですね。

感慨深いの言い換え

『感慨深い』は、『感無量』『感極まる』『心に染みわたる』などの言葉で言い換えられます。

  • 感無量:『感慨無量』を省略した言葉です。感慨深いとほぼ同じ意味で使えます。
  • 感極まる:強い感動が最高潮に達し、言葉では表現できないほどの感情が湧く状態。感動や感謝、喜びの気持ちで涙が出そうだという時に使われます。
  • 心に染みわたる:しみじみと心に感情が広がっていく様子を表します。

多少のニュアンスの違いもあるので、比べてみて状況にぴったり合う表現を選んで使ってみてください。

感慨深いを英語でいうと

『感慨深い』という気持ちを直訳でぴったりくる英語表現が難しいようですが、似た気持ちを表すものはあるようです。

  • be moved~(心が動かされた 感動した)
  • impressive(印象的な 感動的な)
  • be touched~(感動させられた 感動で心に触れられた 自分の琴線に触れた)

日本語の『感慨深い』は英語では『感動』という表現に置き換えて、言い表せるようです。

感慨深いを使った例文

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『感慨深い』を使った例文をご紹介します。

  • 入社式に向かうスーツ姿の息子を見て、感慨深い気持ちになる。
  • 毎日コツコツ頑張った努力が実って、目標を達成したのは感慨深いことだ。
  • 学生時代の写真を見返していると、感慨深い気持ちが湧いてきた。
  • 「小さかったあの子も、ついに結婚するような歳になったのね」と感慨深い思いだ。
  • 若い頃、よく来ていたお店なので感慨深い。
  • 親戚のおじさんから、なつかしい思い出話を聞き、感慨深い気持ちになった。

このように『感慨深い』とは、長い期間を振り返ってしみじみとした感動、感激、大きな喜びを感じるような時に使う言葉です。

感慨深いを正しく使おう

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『感慨深い』は過去から現在に至るまでの出来事に思いを馳せ、しみじみと感動したり大きな喜びを感じたりするような状態を表すのだと分かりました。

意味を理解すると、結婚式やビジネスシーンでのスピーチなどでも感動の気持ちを表現するのに使える言葉です。『感慨深い』を正しく使って、気持ちを届けましょう。


[文・構成/grape編集部]

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