2024年の土用の丑の日はいつ?うなぎを食べる理由や由来を解説 By - COLLY 公開:2024-07-05 更新:2024-07-05 雑学 Share Post LINE はてな コメント ※写真はイメージ 毎年夏になると、スーパーのチラシやニュースなどで「うなぎを食べましょう」のメッセージとともに、『土用の丑の日』の言葉を見聞きすると思います。『土用の丑の日』は『うなぎ』が定番になっていますが、由来を知っている人は少ないでしょう。 本記事では『土用の丑の日』の由来やうなぎを食べる理由、土用に食べるとよいといわれているもの、土用にやると縁起が悪いといわれている行動などを紹介します。 『土用の丑の日』とは ※写真はイメージ 『土用の丑の日』は、一般的に夏の土用の期間にある丑の日を思い浮かべますが、『土用の丑の日』は春夏秋冬すべての季節にあります。期間を詳しくみていきましょう。 土用とは 『土用』は、季節の変わり目である立春、立夏、立秋、立冬の直前約18日間を指す言葉です。 古代中国における、自然哲学の思想『陰陽五行説』では、この世のすべては『木』『火』『土』『金』『水』の5つの要素から成り立っていると考えられています。 5つの要素に4つの季節を1つずつ当てはめ、植物の成長が旺盛な春は『木』、夏は燃え盛る『火』、実りの季節である秋は『金』、冬はしんと静かな『水』と表わされました。 『土』は季節の変化の種を受けとめて芽生えさせる準備期間として、季節の変わり目を象徴としたといわれています。 『丑の日』とは 古来から年や日にち、方角、時刻を示すのには十二支(子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥)が使われていました。『丑の日』は、日にちを十二支で数えた時に、丑に該当する日です。 2024年の土用の期間と『土用の丑の日』はいつか ※写真はイメージ 2024年の季節別の土用の期間と『土用の丑の日』は以下の通りです。 土用の期間 土用の丑の日 冬の土用 2024年1月18日~2月3日 1月26日 春の土用 2024年4月16日~5月4日 4月19日、5月1日 夏の土用 2024年7月19日~8月6日 7月24日、8月5日 秋の土用 2024年10月20日~11月6日 10月28日 『土用の丑の日』に、なぜうなぎを食べるようになったのか ※写真はイメージ 現代では当たり前のように『土用の丑の日』にうなぎを食べていますよね。どのような由来があるのでしょうか。 『う』の付く食べものだから 古来から丑の日に『う』の付く食べものを食べると縁起がよいとされ、『う』の付くものを食べて無病息災を願う風習がありました。 特に土用は季節の変わり目で、体調を崩す時期なので、身体をいたわり栄養が付くものを食べるとよいといい伝えられてきたようです。 平賀源内のアイディア 『土用の丑の日』にうなぎを食べる習慣は、江戸時代に活躍した蘭学者、平賀源内のアイディアだった説があります。 平賀源内は、秋から冬が旬の天然うなぎが夏場にまったく売れなくて困っていたうなぎ店に、『土用の丑の日はうなぎの日』と店頭に張り紙をするよう提案したそうです。 丑の日に『う』の付く食べものを食べると縁起がよいとのいわれもあり、うなぎ店は大繁盛。ほかのうなぎ店も後に続き、夏の『土用の丑の日』にうなぎを食べる習慣が普及していったそうです。 うなぎ以外に夏の『土用の丑の日』に食べるもの ※写真はイメージ 夏の『土用の丑の日』には、うなぎ以外にも『う』の付く食べものや、黒い食べものを食べる風習があります。 季節の変わり目でもあり、暑さに身体がばててしまいがちな夏の『土用の丑の日』におすすめの食べものを紹介します。 梅干し 梅干しには、抗酸化作用があるビタミンCやクエン酸が豊富に含まれているので、疲労回復の効果が期待できます。 ウリ ウリ科に属する野菜は、キュウリ、カボチャ、スイカ、ニガウリ(ゴーヤ)などです。 上記の食材は、ナトリウムの排出をうながす効果が期待できるカリウムや、水分を豊富に含んでいます。 馬肉、牛肉(うま、うし) 馬肉、牛肉も『う』の付く食べものに入ります。肉類を食べてタンパク質を摂取しましょう。 うどん うどんは、炭水化物が豊富でエネルギーの維持に役立ちます。食欲のない時にも食べやすく、消化がよいのもメリットです。 黒い食べもの 『丑』の方角を守る中国の伝説上の神獣である『玄武』が黒い色であることから、『土用の丑の日』には、ナス、ひじき、豆、黒ごまなどの黒いものを食べるようになったといわれています。 夏以外の土用の期間で、食べるとよいとされているもの ※写真はイメージ 夏以外の土用の期間にも、食べるとよいといわれているものがあります。 冬の土用:『未(ひつじ)の日』に『ひ』の付く食べものや赤い食材。 秋の土用:『辰(たつ)の日』に『た』の付く食べものや青い食材。 春の土用:『戌(いぬ)の日』に『い』の付く食べものや白い食材。 土用の期間に避けたほうがよい行動と『間日』について ※写真はイメージ 土用の期間に避けたほうがよいと伝えられている事柄を紹介します。季節の変わり目である土用の期間は、環境の変化で体調に影響が出やすいので、体力を使う仕事は気を付けようという、先人の知恵があるようです。 土を動かす 土用の期間は、『土公神(どくしん、どこうしん)』といわれる陰陽道の土を司る神様が、土の中から出てきて支配する期間とされています。 土用は『土旺用時(どようおうじ)』の略語で、土公神の気が盛んになり、土が旺盛に働く意味を持つようです。 土を動かすような草むしり、土いじり、畑を耕したり園芸したりする行為は避けたほうがよいといわれています。現代でも、土木業や建設業では、土用の期間を避けて工事を実施する場合が多いようですよ。 土用の期間に入る前から取り掛かっていた事柄は期間に関係なく実施してもよいので、どうしても行いたい場合は計画性を持って行うとよいでしょう。 新しいこと 新しいことは、結婚、就職、開業、開店、居購入などが挙げられます。 土用の期間は体調を崩しやすく、疲労がたまり判断能力も低下すると考えられているようです。大きな契約や、新規で始めたり生活環境が変わったりする行動を避けたほうがよいのは、先人の知恵なのでしょう。 移動を伴う行動 移動を伴う行動とは、旅行や引っ越しのような場所を移動することです。土用期間はすべての方角が凶で、縁起がよくないとされています。 中でも『土用殺(どようさつ)』は特に凶とされ、気を付けたほうがよい方角。各季節の土用殺は以下の通りです。 冬の土用:北東 春の土用:南東 夏の土用:南西 秋の土用:北西 『間日』とは 間日は、土用の期間でも土公神が天上界に行くとされている日で、間日であれば土を動かしても問題はないとされています。 どうしても土用の期間に土を動かしたい場合には、間日を利用するとよいでしょう。2024年の間日は以下の通りです。 冬土用の間日:1月18日、27日、28日、30日 春土用の間日:4月23日、24日、27日 夏土用の間日:7月19日、26日、27日、31日 秋土用の間日:10月22日、24日、26日、11月3日 『土用の丑の日』は先人の知恵を取り入れて生活してみよう 土用の期間は、立春、立夏、立秋、立冬など季節の変わり目で、気温の変化が激しく体調も崩しやすい期間です。栄養を豊富に含んだ旬の食べものを摂って、心も身体もゆっくり休める期間だったのですね。 医学や科学が発達していない時代の生活の知恵は、理にかなっており、現代の私たちにも役立ちます。 先人が残してくれた知恵を参考に『土用の丑の日』は『う』の付く食べもので精を付けて、心と身体を労わってみてはいかがでしょうか。 [文・構成/grape編集部] Share Post LINE はてな コメント
毎年夏になると、スーパーのチラシやニュースなどで「うなぎを食べましょう」のメッセージとともに、『土用の丑の日』の言葉を見聞きすると思います。『土用の丑の日』は『うなぎ』が定番になっていますが、由来を知っている人は少ないでしょう。
本記事では『土用の丑の日』の由来やうなぎを食べる理由、土用に食べるとよいといわれているもの、土用にやると縁起が悪いといわれている行動などを紹介します。
『土用の丑の日』とは
※写真はイメージ
『土用の丑の日』は、一般的に夏の土用の期間にある丑の日を思い浮かべますが、『土用の丑の日』は春夏秋冬すべての季節にあります。期間を詳しくみていきましょう。
土用とは
『土用』は、季節の変わり目である立春、立夏、立秋、立冬の直前約18日間を指す言葉です。
古代中国における、自然哲学の思想『陰陽五行説』では、この世のすべては『木』『火』『土』『金』『水』の5つの要素から成り立っていると考えられています。
5つの要素に4つの季節を1つずつ当てはめ、植物の成長が旺盛な春は『木』、夏は燃え盛る『火』、実りの季節である秋は『金』、冬はしんと静かな『水』と表わされました。
『土』は季節の変化の種を受けとめて芽生えさせる準備期間として、季節の変わり目を象徴としたといわれています。
『丑の日』とは
古来から年や日にち、方角、時刻を示すのには十二支(子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥)が使われていました。『丑の日』は、日にちを十二支で数えた時に、丑に該当する日です。
2024年の土用の期間と『土用の丑の日』はいつか
※写真はイメージ
2024年の季節別の土用の期間と『土用の丑の日』は以下の通りです。
『土用の丑の日』に、なぜうなぎを食べるようになったのか
※写真はイメージ
現代では当たり前のように『土用の丑の日』にうなぎを食べていますよね。どのような由来があるのでしょうか。
『う』の付く食べものだから
古来から丑の日に『う』の付く食べものを食べると縁起がよいとされ、『う』の付くものを食べて無病息災を願う風習がありました。
特に土用は季節の変わり目で、体調を崩す時期なので、身体をいたわり栄養が付くものを食べるとよいといい伝えられてきたようです。
平賀源内のアイディア
『土用の丑の日』にうなぎを食べる習慣は、江戸時代に活躍した蘭学者、平賀源内のアイディアだった説があります。
平賀源内は、秋から冬が旬の天然うなぎが夏場にまったく売れなくて困っていたうなぎ店に、『土用の丑の日はうなぎの日』と店頭に張り紙をするよう提案したそうです。
丑の日に『う』の付く食べものを食べると縁起がよいとのいわれもあり、うなぎ店は大繁盛。ほかのうなぎ店も後に続き、夏の『土用の丑の日』にうなぎを食べる習慣が普及していったそうです。
うなぎ以外に夏の『土用の丑の日』に食べるもの
※写真はイメージ
夏の『土用の丑の日』には、うなぎ以外にも『う』の付く食べものや、黒い食べものを食べる風習があります。
季節の変わり目でもあり、暑さに身体がばててしまいがちな夏の『土用の丑の日』におすすめの食べものを紹介します。
梅干し
梅干しには、抗酸化作用があるビタミンCやクエン酸が豊富に含まれているので、疲労回復の効果が期待できます。
ウリ
ウリ科に属する野菜は、キュウリ、カボチャ、スイカ、ニガウリ(ゴーヤ)などです。
上記の食材は、ナトリウムの排出をうながす効果が期待できるカリウムや、水分を豊富に含んでいます。
馬肉、牛肉(うま、うし)
馬肉、牛肉も『う』の付く食べものに入ります。肉類を食べてタンパク質を摂取しましょう。
うどん
うどんは、炭水化物が豊富でエネルギーの維持に役立ちます。食欲のない時にも食べやすく、消化がよいのもメリットです。
黒い食べもの
『丑』の方角を守る中国の伝説上の神獣である『玄武』が黒い色であることから、『土用の丑の日』には、ナス、ひじき、豆、黒ごまなどの黒いものを食べるようになったといわれています。
夏以外の土用の期間で、食べるとよいとされているもの
※写真はイメージ
夏以外の土用の期間にも、食べるとよいといわれているものがあります。
土用の期間に避けたほうがよい行動と『間日』について
※写真はイメージ
土用の期間に避けたほうがよいと伝えられている事柄を紹介します。季節の変わり目である土用の期間は、環境の変化で体調に影響が出やすいので、体力を使う仕事は気を付けようという、先人の知恵があるようです。
土を動かす
土用の期間は、『土公神(どくしん、どこうしん)』といわれる陰陽道の土を司る神様が、土の中から出てきて支配する期間とされています。
土用は『土旺用時(どようおうじ)』の略語で、土公神の気が盛んになり、土が旺盛に働く意味を持つようです。
土を動かすような草むしり、土いじり、畑を耕したり園芸したりする行為は避けたほうがよいといわれています。現代でも、土木業や建設業では、土用の期間を避けて工事を実施する場合が多いようですよ。
土用の期間に入る前から取り掛かっていた事柄は期間に関係なく実施してもよいので、どうしても行いたい場合は計画性を持って行うとよいでしょう。
新しいこと
新しいことは、結婚、就職、開業、開店、居購入などが挙げられます。
土用の期間は体調を崩しやすく、疲労がたまり判断能力も低下すると考えられているようです。大きな契約や、新規で始めたり生活環境が変わったりする行動を避けたほうがよいのは、先人の知恵なのでしょう。
移動を伴う行動
移動を伴う行動とは、旅行や引っ越しのような場所を移動することです。土用期間はすべての方角が凶で、縁起がよくないとされています。
中でも『土用殺(どようさつ)』は特に凶とされ、気を付けたほうがよい方角。各季節の土用殺は以下の通りです。
『間日』とは
間日は、土用の期間でも土公神が天上界に行くとされている日で、間日であれば土を動かしても問題はないとされています。
どうしても土用の期間に土を動かしたい場合には、間日を利用するとよいでしょう。2024年の間日は以下の通りです。
『土用の丑の日』は先人の知恵を取り入れて生活してみよう
土用の期間は、立春、立夏、立秋、立冬など季節の変わり目で、気温の変化が激しく体調も崩しやすい期間です。栄養を豊富に含んだ旬の食べものを摂って、心も身体もゆっくり休める期間だったのですね。
医学や科学が発達していない時代の生活の知恵は、理にかなっており、現代の私たちにも役立ちます。
先人が残してくれた知恵を参考に『土用の丑の日』は『う』の付く食べもので精を付けて、心と身体を労わってみてはいかがでしょうか。
[文・構成/grape編集部]