『形骸化』とは?意味や読み方、ビジネスシーンで起こる形骸化の例を紹介
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ニュースや新聞でも聞く機会の多い『形骸化』という言葉。ビジネスシーンなどで実際に使ったことがある人もいるかもしれませんが、正しい意味を説明できますか。
本記事では、形骸化の読み方と意味に加え、形骸化をより理解しやすいように、ビジネスシーンでの例も含めてご紹介します。。ぜひ最後までご覧ください。
『形骸化』とは?
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『形骸化』は『けいがいか』と読みます。制度やルールを導入し実施していたものの、本来の導入の意味や目的が失われ、形だけ取り入れている状態を指す言葉です。
ビジネスシーンでよくある印鑑を押す行為も、本来であれば内容の確認、承認の証拠として残すための行為ですが、中身を見ずにとりあえず印鑑を捺すのは形骸化の代表例といえるでしょう。
ルールを作った時の目的や意図を意識して運用していかなければ、意味のないものになってしまいますよね。
上記のように内容や意義を失い、形だけが残っている状態を『形骸化』といいます。
『形骸化』の類語、対義語
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形骸化の類語や対義語を紹介していきます。類語や対義語を知っておくと、形骸化の意味を理解しやすくなるでしょう。
『形骸化』の類語
形骸化の類語には『死文化』『官僚化』『有名無実化』などが挙げられます。1つずつ解説していきましょう。
死文化
『死文化(しぶんか)』は主に法律に対して使われ、条文や法律が事実上効力を失ってしまうことを指す言葉です。
制定された当初の状況を反映して作られた内容が多い、条文や法律。制定当時に当たり前だったことが、社会通念や人々の意識が変わり、現代では当てはまらなくなっている場合があります。戦争に関わる条例などが主な例として挙げられますね。
官僚化
『官僚化』は、組織やチームが大きく広がっていくにつれ、ルールや系統が複雑化し、組織としての柔軟性やスピード感が失われている状態を指す言葉です。
官僚という言葉を使っていますが、官僚などの政府機関にだけ使われる言葉ではなく、大企業など大きな組織にも使う言葉です。
組織が大きくなるほど承認や確認、手配などの手続きに時間を要し意思決定が遅くなったり、企画の新鮮さが失われたりする場合が多々ありますよね。
スピード感を失った状態ではどのような企画や提案を出しても埋もれてしまい、組織としての活力や創造性、新鮮味がなくなり、形だけのルールや組織だけが残っていきます。
有名無実化
『有名無実化(ゆうめいむじつか)』は、みなさんも耳にする機会があるでしょう。『名』前だけが『有』り、その『実』態が『無』い状態を、有名無実化といいます。
有名無実化の場合の『名前』は、部署名や会社名だけでなく、商品のブランド名なども含めて指しますね。
例えば、名前が世間に広く知れ渡っているブランドの商品でも、世間からの評価が伴っていない商品は「有名無実化している」と表されます。部署名や会社名で使うなら、権力や権限、実績を伴わないものを有名無実化と呼ぶでしょう。
『形骸化』の対義語
形骸化の対義語を紹介します。
活性化
『活性化』は形骸化の対義語です。みなさんもよくご存じのように、活性化は物事を活発にさせたり、生き生きとさせたりするのを表す言葉なので、形だけが残り停滞してしまっている状態を指す形骸化と対極的な言葉といえるでしょう。
新しい考えや施策を取り入れて組織を常にリニューアルさせ、売り上げや業績が向上していく様を「あの会社は数年で活性化している」などと形容する場合があります。
『形骸化』のビジネスシーンでの使い方・例文
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形骸化を実際にビジネスシーンで使う場合は、以下のような例文が挙げられます。
社内でよくある形骸化の例
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形骸化の言葉の意味から少し離れ、実際に会社で起きる形骸化の例を見ていきます。あなたが勤めている会社で同じようなことが起きていないか、注意してチェックしてみてくださいね。
意味のない1on1ミーティングが行われている
人事面談や評価面談など、上司と部下が1対1で行うミーティングを1on1ミーティング(ワンオンワンミーティング)と呼びます。
1on1ミーティングは1対1で話す時間を設け、普段は話しづらい悩みや相談、社内に対して気になっている点や問題点などを話し合い、解決策や対処法を話し合うのが目的です。
1on1ミーティングを行うのが目的となってしまっているケースも多く、本来の目的である業務に対する改善案を話さず終える場合もあります。
昨日観たテレビ番組の話や趣味、マイブームなどを話すだけのミーティングになってしまっては、1on1ミーティングの時間を取った意味がありませんよね。目的を失った1on1ミーティングは形骸化の一例といえます。
定例会議の主旨が報告や顔合わせになっている
定例会議は月や週に一度など開かれる会議で、多くは情報や進捗の共有、意見交換などを目的として定期的に開かれます。
定例会議が、ただ決まった日に会議するだけになってしまう場合も多く、「今週はこのようなことがありました」「来週はこの業務を進めます」など単なる報告会になってしまうケースもありますね。
単なる報告会になってしまった定例会議に心当たりがある人は、今一度、なぜ定期的に会議を開いているか考える必要がありそうです。
社内制度が組織の向上につながらなくなっている
社内制度は、会社ごとに独自に定めたルールを指し、多くは会社をよくするための制度として存在しています。制度を作った時点で満足してしまい、成果を生み出す行為を放棄してしまっている制度も多くあるのが事実です。
退勤前にすべての項目を入力する必要がある日報の制度があったとしても、日報制度を作ったことに満足してしまい、中身は適当な運用になってしまっては意味がありません。
本来は日報で日ごとの進捗や気付きなどを提出するのがベストです。どのような内容でも書いたらOKにしてしまっては、何の改善にもつながりませんよね。
『形骸化』を防ぐには
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形骸化はどの会社や組織でも起こりうる問題ですが、少し意識を変えるだけで防げるでしょう。
社内制度やルールの目的を明確にする
形骸化の多くは、目的を見失うことにあります。制度やルールが何のために存在しているのかを明確にするだけで、運用の方向性が定まり全員同じ目的のもとで動けるでしょう。
定期的に社内制度やルールの見直しをする
定期的に制度やルールの見直しを行うのも効果的です。先述したように、制度を作った当時と今とでは、社会通念や人々の考え方などが大きく変わります。
定期的に内容を見直すと、時代にそぐわない点や追加したほうがよい項目にも気付けるので、社員たちが制度やルールを守りやすい状態になるでしょう。
定期的にアナウンスをし従業員の意識を保たせる
制度やルールを形骸化してしまわないコツとして『アナウンス』もおすすめです。制度やルールは毎日見ないので、内容を忘れてしまうのは当然ですよね。
定期的にアナウンスを入れると制度の存在や意味にも気付けるので、自然と制度やルールを守る意識が芽生えるでしょう。
ビジネスでの『形骸化』を防ごう
ビジネスで形骸化してしまう物事があるのは、あまりよくない状態です。形骸化してしまわないような仕組みづくりを徹底し、いつまでも組織が活発でいられるようにしていきましょう。
[文・構成/grape編集部]