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『モモンガ』と『ムササビ』の違いは?特徴や見分け方、ペットにできるのかを解説

By - grape編集部  公開:  更新:

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モモンガとムササビの画像

※写真はイメージ

『モモンガ』と『ムササビ』は、どちらも木と木の間を滑空(かっくう)する小動物として知られています。

姿がとても似ているため混同されがちですが、体の大きさや顔つき、滑空の仕方や生息地などに違いがあります。

本記事では、モモンガとムササビの見た目や生態、行動などの違いを比較。さらに、ペットとして個人で飼えるのかどうかについても解説しています。読み終えれば、モモンガとムササビを見分けられるようになるでしょう。

『モモンガ』と『ムササビ』の違いは何?比較ポイントを解説!

『モモンガ』と『ムササビ』の違いを解説!特徴と比較ポイントも

※写真はイメージ 左:モモンガ 右:ムササビ

『モモンガ』と『ムササビ』は、滑空する様子が似ていますが、実は体の大きさや顔つき、生態にさまざまな違いがあるようです。

モモンガとムササビの主な違いを表にまとめました。

モモンガ ムササビ
丸く大きな目 鋭く小さな目
(白い帯模様有り)
体長 約14〜20cm 約30〜50cm
全長 30cm前後 約70〜80cm
体重 150〜200g 800〜1200g
しっぽ 平たくて小さなしっぽ 丸くて太く長いしっぽ
皮膜 前後の脚のみ 前後の手脚の間と後ろ脚としっぽの間
滑空時の形状 四角形 五角形
滑空距離 10mほど 数十m
生息地 本州から九州まで 本州、四国、九州
行動 単独で生活
(冬のみ例外)
単独で生活
鳴き声 ギーギー
ジージー
プクプク
シューシュー
グルルルル
キュルルル
俵形で縦長の丸い形 真ん丸な形

本記事では、モモンガを『ニホンモモンガ』、ムササビを『ホオジロムササビ』とし、両者の違いを7つのポイントにしぼって詳しく紹介します。

1.顔の違い(目の大きさ、顔の模様)

モモンガとムササビは、顔の印象が異なり、特に目の大きさと顔の模様は見分けるポイントの1つです。

モモンガは夜行性であり、丸く大きな目は暗闇でも見えるよう進化したものだといいます。

反対にムササビは、鋭い小さな目が特徴です。さらに、目の上より輪郭にかけて白い帯状の模様が入り、目の横にも白いラインが見られます。

このように、目の大きさと顔の白い模様が両者を見分ける手がかりになるでしょう。

2.体の大きさの違い

モモンガとムササビは、体の大きさに明確な違いがあります。見た目が似ていても、体長や体重を比べるとその差は歴然です。

モモンガは、体長14〜20cm、全長は30cm前後と手のひらサイズ。体重は150〜200gと、ムササビの5分の1ほどです。

対してムササビは日本のリスとしては最大種で、皮膜を含まない体長は約30〜50cm、尾を含めた全長は70〜80cmほど。

体重は800〜1200gで、大きい個体は1kgを超えるものもいるそうです。飛ぶ際に使われる皮膜は、前脚と後ろ脚がつながるようについています。

3.しっぽの違い

モモンガとムササビとでは、しっぽの形や大きさも異なります。

モモンガのしっぽは、小さく平たい形で、丸みや太さはありません。

ムササビのしっぽはモモンガと違って丸みがあり、太く長いため、体の大きさに対して目立つのが特徴です。

皮膜ともつながり、滑空時は体を支え、バランスの維持や方向転換にも使われます。この『皮膜』という言葉は『飛膜』とも表記されるようです。

モモンガの平たくて小さなしっぽと、ムササビの丸くて太いしっぽの形状は、見分ける際のポイントになるでしょう。

4.飛び方の違い(皮膜の形状、滑空の仕方)

モモンガとムササビは、滑空の方法や体の構造も違います。

モモンガは前後の脚のみが皮膜でつながり、滑空時は四角形でハンカチに例えられます。ジグザグに飛ぶのが特徴です。

ムササビは前後の手脚の間と、後ろ脚としっぽをつなぐ皮膜があり、滑空時は五角形になります。その大きさから『空飛ぶ座布団』と呼ばれることも。ムササビの滑空はモモンガと違い、直線的です。

モモンガとムササビは、滑空距離も異なります。モモンガは10mほど滑空し、条件次第で40m〜100mほど飛んだ例も確認されているのだとか。

対するムササビは、通常数十m、最大120mほどと言われていますが、中には200m超えの記録もあるようです。

5.生息地の違い

モモンガとムササビとでは、住む場所も異なるようです。

モモンガは、本州から九州まで分布が確認されています。奥深い山地を好み、主に木の上で生活する傾向があるようです。

ムササビは本州、四国、九州に分布しています。大木の多い山林以外にも、寺や神社の森など人が生活する場所の近くでも見つけられるでしょう。

6.行動やコミュニケーションの違い

モモンガとムササビは、行動パターンやコミュニケーション方法にも違いがあります。

モモンガは普段単独行動ですが、寒い冬は複数で体を寄せ合って過ごすようです。

鳴き声は高く、その時の気分によって変わります。怒っている時には『ギーギー』『ジージー』、仲間を呼ぶ時や嬉しい時には『プクプク』『シューシュー』などの鳴き声が聞かれるようです。

ムササビは基本的に単独で生活。縄張りを主張する時や交尾の時だけ『グルルルル』『キュルルル』といった機械音のような力強い鳴き声を発します。

7.糞の違い

モモンガとムササビとでは、糞の形や大きさも違います。

モモンガの糞は、俵形で縦長の丸い形であり、ムササビより少々小さく細長い印象です。

ムササビの糞は真ん丸な形が特徴的で、『正露丸』に例えられることも。大きさはモモンガよりやや大きめで、木の下などで見つけられるでしょう。

両者とも、葉や果実などの植物を食べることから草食動物特有の形状ではありますが、糞の形が丸いか縦長かで見分けられるでしょう。

『モモンガ』と『ムササビ』の英語、漢字、名前の違い

『モモンガ』と『ムササビ』の英語、漢字、名前の違い

※写真はイメージ 左:モモンガ 右:ムササビ

『モモンガ』と『ムササビ』は、英語名や漢字表記が同じです。

英語ではどちらも『flying squirrel』と呼ばれ、ムササビは『Japanese Giant Flying Squirrel』、モモンガは『Japanese Dwarf Flying Squirrel』と区別されます。

漢字では両者とも『鼯鼠』と書かれ、文字だけでは区別がつきにくいことも。

またムササビは『目が細い』ことが語源とされ、『ノブスマ』『モマ』などの別名を持ちます。

モモンガは平安時代の呼称である『モミ』が転じて『モモ』となり、そこから鳴き声の『グァ』が加わって『モモングァ』『モモンガ』になったと推測されています。

『モモンガ』と『ムササビ』はペットとして飼える?

なかには、モモンガとムササビを飼ってみたいと思った人がいるかもしれません。

本章では、モモンガやムササビが飼えるのかについて解説します。

モモンガはペットにできるが注意が必要

モモンガはペットにできるが注意が必要

※写真はイメージ

モモンガは、種類によってペットとして飼えるかどうかが異なるようです。

日本固有種の『ニホンモモンガ』『エゾモモンガ』は自治体によっては絶滅危惧種に指定されているため、基本的には飼育できません。

『アメリカモモンガ』はかつて販売されていましたが、法改正で新たな輸入や販売が停止されています。2025年現在は、すでに国内で飼育されている個体のみ飼育可能なようです。

見た目はかわいらしいモモンガですが、日本で飼育できる種類はほとんどいないでしょう。

ムササビは日本での飼育は不可

ムササビは日本での飼育は不可

※写真はイメージ

ムササビは、原則日本での飼育は不可です。鳥獣保護法により、許可なく飼育や捕獲、販売することが禁止されています。

例外として、野生で保護された個体を『鳥獣保護員』などが一時的に飼育する場合は特別な許可が下りることも。

ただし、ムササビは人に懐きにくく、環境変化によるストレスも大きいためペットには不向きとされています。

インターネット上でムササビの飼育情報が見られることがありますが、多くは『フクロモモンガ』という別種であることが多いようです。

『モモンガ』と『ムササビ』は似ているが、明確に違う生き物

『モモンガ』と『ムササビ』は見た目が似ており、英語名や漢字表記が同じですが、体の大きさやしっぽ、飛び方、生息地などが異なります。

また、モモンガは一部外来種が飼育されていましたが、2025年現在は、新たに飼うことはほとんどできません。ムササビは法律上、飼育不可です。

森で見かけた時は、その違いに注目してみましょう。


[文・構成/grape編集部]

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